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その瞬間、崇嗣は何が起こったのかわからなかった。
「わああああぁー……っ!」
何かが破裂したような音に、崇嗣はとっさに身を屈める。自分に銃を向けていた男が、突然気でも狂ったかのように叫んだら、街中の電気が落ち、あたりは闇に包まれた。
何だ? 一体何が起きた? そうだ、マルは? マルは無事か?
男たちが慌てたようすで仲間の火を消そうとしている先に、抜け殻のように佇むマルの姿が見えた。顔色は紙のように白く、いまにも消えてしまいそうだ。
マル……?
やがて明かりが戻り、男が持っていた携帯電話が爆発したことがわかった。
なぜ携帯がいきなり?
「お前、こいつに何したんだよ!?」
狼狽する男たちの顔には、明らかな恐怖が浮かんでいる。
「マル……?」
いま起きたばかりの出来事を目の前で目撃していても、脳が理解することを拒む。
まさかマルが? 彼がこれをやったのか……?
マルが崇嗣を見て微笑む。次の瞬間、彼の身体からふっと力が抜けるように、その場に崩れ落ちた。
「マル――……っ!」
そのとき崇嗣は、初めて度を失っていた。地面に倒れる少年を抱き起こし、色を失くした顔に呼びかける。
「マル! しっかりしろっ! マルっ! マル……っ!」
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