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神殿編

6.

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3日3晩、挿入以外散々なことをされた。
服を着る間もなく、抱かれるのでこの3日間、裸で過ごした。どうせ、ヴィータしか見ないんだから問題ない。

この3日間、えっちしかしなかったので、今後のことを全く話し合えていなかった。

一応、今日が予定日だが、どうやって取り上げるのかすら聞いていない。神の秘術を使うらしく、教えてもらえなかった。
出産間近になると、腹が光るので分かるそうだ。

この3日で腹を撫でるのが癖になった。
ヴィータ似が良いとか、男の子がいいとか言ったけど、元気に生まれてくれれば十分。

「元気に生まれてこいよー」

そう語りかけると、突然、腹が温かくなり、徐々に光り始めた。

これってまさか。

「ヴィータ、ヴィータ!!」

呼ぶと、すぐに現れた。

「友也、そろそろか」

「分かんないけど、光ってる。これってすぐ生まれんの?」

「ああ。もう少しで生まれるな」

「俺、どうしたらいい?」

「大丈夫。全部俺がするから、友也は身を任せてくれたらいい」

ヴィータは俺を横抱きに抱えると、何かを口の中で唱えた。


瞬間、目の前の景色が切り替わる。

木々に囲まれた庭園のような場所に来ていた。
すぐ先には、噴水なのかプールなのか白い大きな器の中に水が湧いている。

「ここは?」

「子を産む場所だ。この泉の中で出産するんだ。入るぞ」

水中出産するのか。

ヴィータに抱えられたまま、泉に入る。彼はいつの間にか服を脱いでいた。脱いだというか、消したのかもしれない。
泉の水は思ったほど冷たくない。というか、温めのお風呂くらいの温度だ。水嵩が腰より少し上くらいなので半身浴みたい。

「きもちいー」

思わず出た声を聞いてヴィータが不機嫌な顔をした。
おっさん臭かったか?

「なんだよ」

「俺以外で気持ち良くなってる友也を見るのが複雑なだけだ」

「はあー? 訳わかんないこと言ってないで出産に集中しろよ。もうすぐ産まれるんだろ?」

「うん。もうすぐだ。友也は俺に掴まって力を抜いててくれ」

「りょーかい」

向かい合わせに抱っこされ、ヴィータの首に腕を回した。
近づく顔に癖でキスをすると、笑われた。

「笑うなよー。うっかりしただけだろ」

「嬉しくてつい。キスしたまま産むか?」

「気持ち良くなって集中出来ないからダメ」

ヴィータの口唇を手で塞ぐ。塞いだその手を取られ、口付けられた。

「気持ちよくなってた方がいい」

「やっぱり痛いのか?」

「痛くはない」

「経験あるのか?」

「言ったろ。俺の子はこの子だけ。神様は何でも知ってる」

「わかった。なら、気持ち良くしてくれ」

「仰せのままに」



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