無吾非君は知らない

緑山紫苑

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第一章

無吾非君はプ○キュア?!

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無吾非君と明依美が、なんやかんやでいい感じな雰囲気になっていると、、、

 ドドドド!!!

 後ろから、さっき明依美が水筒で殴った、金髪ポニーテールが追いかけてきた。


 「無吾非に水筒女!よくも~!!!💢」


 それも凄い形相で。


 「ひゃぁぁあ!逃げよう!無吾非君!」


 明依美は無吾非の手を引っ張って、走るように促した。

 だけど、無吾非は首を振った。

 なんで?!


 「その必要は無いよ。」


無吾非はそう言って、明依美を守るように金髪ポニーテールの前に立ちはだかる。

 え?なんで?

 逃げるんじゃないの?!

 今度こそ殺されるよ、無吾非君?!

 明依美はそう言いかけたが、無吾非の目に自信が読み取れたため、口を閉じた。
 
きっと、彼には何か、考えがあるのだろう。

 金髪ポニーテールの方も、無吾非の突然の行動の変わりように驚いた顔をした。


 「涼川様のパートナーになる気になったのか?無吾非。」

 「違うよ。」

 「ああ、そうか!命が惜しくなったのか!」

 「それも違うよ。」

 「?。まぁ、いい!どちにしろ結果は変わらない。」


 金髪ポニーテールは、無吾非に向けて、右手を上げた。


 「涼川様のパートナーは私だけでことたりてるの。あなたはいらない。今度こそ死ね!」
 

 金髪ポニーテールの右手に電撃が集まり始める。

 明依美は、それを見て、必死に無吾非君の手を引っ張る。

 それでも無吾非はこの場から動こうとしなかった。

 何コイツ、馬鹿なの?

 死にたいの?

 明依美のそんな視線をどう受け取ったのか、無吾非はニコリと笑った。


 「大丈夫。」


 
 ボっ

 ついに金髪ポニーテールが出した電撃らしきものが明依美達に直撃した。

 した、、、、と、思った。

 つまり、直撃しなかったのだ。

 電撃らしきものは、無吾非君が出した右手にするりと吸い込まれたのだ!

 明依美が、ポカンとしていると、無吾非はこちらを振り向き、


 「ね、大丈夫。」


 と、言って笑った。

 金髪ポニーテールの方もびっくりしているようだった。


 「な、何故?!何故、無契約なはずの無吾非が、、、」


契約?


 「僕は明依美ちゃんとさっき契約したから。」

 
契約をした?!

 どういうこと?って顔で明依美は無吾非を見た。


 「ええ~と、つまり、その、僕の血筋はちょっと特別で、自分があげた指輪をつけている人と仲良くなると特殊な力が使えるっていうか、、、」

 「特殊な力?」

 「うん!そうそう!仲良しパワーみたいな?それで、その指輪を渡して受け取ってもらうまでの行為が契約っていうか、、、。」

 「うーんー、なんとなく理解した!つまり、プ○キュアみたいなのってことだよね!すっごい!ホントにいるんだ!!初めて見た!悪から世界を守るスーパーヒーローだよね!!!」

 「え?」

 「明依美は、魔法とか使えないから応援するしかないけど、頑張ってね!応援パワーで世界を救う、的な?的な!!?」

 「う、うん。」


 凄い!

 ホントにいたんだ!プ○キュア的なやつ!

 明依美の胸は希望で高まった。

 て、事は、明依美の立ち位置って、プ○キュアの仲間みたいな感じになるのかな?!

 え~~どーしよ!

 普通の高校生活送れなくなっちゃう~♡

 きゃあ~(*≧艸≦)♡!

 金髪ポニーテールは明依美の事を睨みつけ、


 「まあ、まだ、契約したばっかみたいだし?関心数はまだまだなはず!」


 関心数?

 何それ?

 パワーの数みたいな?

 無吾非君、大丈夫なの?!


 「大丈夫だよ、明依美ちゃん。」


 無吾非は自信たっぷりに言った。

 そうか。無吾非君がそう言うのならそうなのだろう。

 明依美が少しホッとしたところで、


 「あ?私の関心数、【5002】だけど?何が大丈夫なの?アンタこれより高いわけ?」


 金髪ポニーテールが無吾非にそう言った。

 無吾非君の顔色はとたんに真っ青になった。


 「む、無吾非君!無吾非君の関心数って、、、」

 「【120】、、、。ごめんなさい、全然大丈夫じゃなかった、、、。」


 無吾非君は真っ青な顔で明依美に言った。


 「マジカヨ、、、」


明依美の顔も無吾非君と同じようになっている気がする、、、


 「ににににに逃げよう!!!!!」

 「うん。」


 明依美の体が突然宙に浮いた。

 無吾非君の顔が近くにある。

 途端に明依美の体温は自然と上昇する。


 「しっかり捕まってて。」


 無吾非君は明依美をお姫様抱っこをして、物凄いスピードで走り出した。


 「どぇぇぇぇぇああ?!」


 明依美は恥ずかしさと驚きが同時に来て、思わず叫んだ!


 「まてぇぇぇやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


 後ろからも物凄いスピードで金髪ポニーテールが追って来ていた。

 ああ!もう!どうなるの?これ!?

 と、思っていたら、金髪ポニーテールが落ちていたバナナを踏んで転んだ。

 おかげで明依美と無吾非は金髪ポニーテールからとりあえず、逃げ出すことができたのだ。

 それから、無吾非君から詳細を聞こうと思ったけど、プライベートな事だと思ったのと、単純に明依美が家に帰りたかったので、詳細は明依美の家で聞くことにした。


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