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5:非道な霊託と淫毒を刺された身体と

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 ゲヘヘと下卑な笑い声を上げて、見つめる様子とその内容に。不快感がこみ上げる。だが、視ているのは起きてしまった過去の現象なのだ。おそらくは王と王妃のなれ初めだろう。

 (無理矢理だったのか・・・)

 まさか王妃と不仲だったとは。そうなると自発的に逃げた可能性も出てこないか。知らされた事実に複雑な気持ちにさせられる。

 「おや・・・あんなに拒絶してじゃぁ・・・が、アァン、アァン・・・と喘ぎに変わっじゃぁ」

 「ハデス、たいしたものじゃぁ・・・見事にメス化しおっじゃぁ・・・ヒヒヒ・・・」

 「尖った乳首がえぇじゃぁ・・・勃起した先からも垂らしてじゃぁ・・・ケケケ・・・」

 「股も孔も舐められて・・・身悶えてじゃぁ・・・ククク・・・」

 どんどんとあからさまになっていく性行為の口述に。眉間に皺を寄せた。

 「おぉ、大きいじゃぁ・・・ソレを挿れじゃぁ? ハデス」

 「アレがアルファ神族の男根じゃぁ・・・よいじゃ、よいじゃぁ。挿れじゃぁ、挿れじゃぁ!! 犯すじゃぁ!!」

 「おほー、挿れられじゃぁ!! 泣き叫んでじゃぁ!! 犯されてじゃぁ!! たまらないじゃぁ!!」

 「いい声で泣いてじゃぁ・・・ハデスじゃなくてもどっぷりと注ぎたくなじゃぁ!!」
 
 「おい・・・」

 合意のない性行為の霊視は聞くに堪えない。もういいと。やめろと告げようとして。ギクッとした。三体が一斉にボロボロの衣に手を突っこんで下半身を弄り始めている。その行為が意味することは―――

 (まさか・・・)

 「勃ってじゃぁ? 勃ってじゃぁ?」
 
 「あぁ、あぁ、勃ってじゃぁ~ 勃ってじゃぁ!!」

 「こんなに盛っているのは久しぶりじゃぁ!! さすがはハデスの血じゃぁ!!」

 ハッ、ハッ、ハッと息を荒げて。手を激しく上下に動かして。している行為は自慰だ。つまりは――乳房があるかどうかまではわからないが、デルタではないことは確かだ。オスの機能を持っている。

 (勘弁してくれ・・・)

 どうしてこうなったのか。知りたいのは王妃の行方なのだ。老婆の手淫行為など誰も見たくない。だが、やめる気配など当然、ない。

 「あの淫乱にかけてやじゃぁ・・・ハッ、ハッ、ハッ」

 「そうじゃぁ、皆で淫乱にかけてやじゃぁ・・・だせぇ・・・だすじゃぁ・・・ハッ、ハッ、ハッ」

 「おほっ、おほっ、おほっ・・・でじゃぁ!! でじゃぁ!! ウッ!!」

 視えている性交の幻影になのか。幹に向かって放ち、ほぅ・・・と同時に息をついた様子に、やっと終わったかと思いきや。

 「全然、萎えじゃぁ・・・ケケケ・・・」

 「まだまだじゃぁ・・・ククク・・・」

 「そうじゃ、そうじゃぁ。まだまだじゃぁ。あちらもご盛んじゃぁ・・・ヒヒヒ・・・」

 「おい!! 王妃の行方はどうなったんだ? 行方が知りたい!!」

 そのまま続きをさせてたまるかと。すかさず、大きな声で問いかけた。と応じるように、ブワンッと炎が勢いを増した。
 
 「オオッ!!」

 三体が声を上げた。

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