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6:アトラスの異常な愛し方※

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 「テセウス・・・」

 背後から正面へと。しっかりとのしかかってきた相手の、オレがイかせてやったんだと。射精へといざなった側としての満足げで、熱を帯びた瞳が降りてくる。

 「っ!! いやだっ!!」

 覆われた唇からすかさず、顔を背けた。一瞬にして現実に引き戻された。口づけはしたくない、どうしても。それなのに。相手の唇に追いかけられて塞がれた。

 「アトラス・・・よせっ!!」

 すぐさま逆の方向へと顔の向きを変えて逃げる。が、また重ねられた。何度も左右に顔を振っては逃げ、その都度、諦めない相手に捕らわれる。
 
 「いやだっ・・・んっ!! よせっ・・・んっ!! アトラ・・・んんっ!!」
 
 体格でも力強さでもかなわない、その相手が。いやだと言ったら、これまではやめてくれていた行為を。今はもうやめる気配が見られない。

 「アトラスッ!!」

 必死になって抗う。すごく気持ちよかったけれども。身体は熱く火照ったままだけれども。このまま流されたくないと、したくないと思う自分がまだいる。

 この口づけを受けいれたらダメなのだ。絶対に――なぜなのか。その理由を掘り下げて考える隙もなく、訳も分からないまま脳裏に浮かぶ警告から拒み続ける。

 「やめてくれ!! いやだっ!!」

 けれども、顔を押し返した左手が。相手の大きな手で頭上に、寝具に縫い止められるようにして押えこまれた。

 続けて、払おうとした右手も。捕らえられ、左手に重ねるようにして。片手で易々と押さえつけられる。

 「よせっ・・・んっ!!」

 あごを掴まれ、両腕も完全に動きを封じこまれた状態で。とうとう唇が奪われた。

 「んん・・・っ・・・ぅんっ・・・」

 すぐさま、ぬめぬめっとした厚みのある塊が挿し入れられ、怯える舌に絡みつく。唾液と一緒にふわんと。アトラスのアルケーが入ってきた。

 (あぁ・・・)

 その瞬間に。もはや貪られるのが当然なのだとばかりに。そうされる身なのだと悟ったかのように。両手から全身からダラリと力が抜けた。

 「うっ・・・ぅんっ・・・ぅんん・・・」

 途端に、口腔内を舐め回されて。重なり合った唇から鼻にかかったような声が漏れ始める。もはや抵抗しないと、察した相手が顔の向きを変えた。

 「んんーーっ!!」

 覆われるや否や、もっと存分に。もっと侵したい。もっとだ。もっとと。口蓋をつつくようにされて。

 「ッ!!」

 と舌先が引き攣る。そのまま、どこもかしこも全てだ。全てがオレのモノだとばかりの執拗さで。激しく侵され、そして――

 「!!」

 萎えてないそこがまた握られて。目を見開く。ビクンッと身体が跳ね上がった。

 「んん~~っ!!」

 口腔内を舌で猛烈に愛されたまま、ぬちゅぬちゅぬちゅっ!! とまた激しく扱かれた。


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