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10:ハデスの神殿と揺るがない求愛と
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暗闇の中――
『いやっ・・・いやですっ!! やめっ・・・アァッ!!』
悲鳴のような声が聞こえた。途端に、ぼわんっと光景が浮かび上がって。
『いやぁっ!! アァッ!! アァッ!!』
白い華奢な裸体が後ろから抱えられて、赤みがかった黒い闇人間の腕の中で身悶えている。
(あぁ・・・いやだ・・・)
性行為を強要されているその様子を目にして、即座に不快感が湧き上がる。そんな姿は見たくない。見たくないのに。
『いやですっ!! アァッ!! アアッ!!』
ゆっさゆっさと下から揺さぶられて、儚く清らかな存在が金の髪を振り乱しながら喘いでいる。
『美しい・・・妻よ・・・気持ちがいいのか? ん? どうだ?』
赤黒い男が低い声でねっとりと聞いた。
『はぁあっ!! いやぁあっ!! いやぁあっ!!』
妻と呼ばれても、陵辱されているとしか思えない者が拒否し続ける。そこへ、
『僕も入れて下さいよ』
と青みがかった黒い闇と声が加わった。大きく開かされている脚の間にしゃがみこむと、その股間へと顔を埋めた。
『あぁっ!! や、やめなさいっ!!』
細い腕が咄嗟に抗うが、青黒い男の頭が躊躇うことなく上下し始めて。
『あぁっ!! はぁあっ!! やぁっ、ぁあんっ!!』
しゃぶられる音とともに、質を変えた嬌声が上がり始めた。
『姉さんはこうやって舐められるのが本当に好きですよねぇ・・・フフフ・・・』
『やぁあっ!! あっ!! あっ!! ぁあんっ!!』
(あぁ・・・)
先ほどまであれほど拒んでいたというのに、本当は違うはずなのに。あっという間に溺れ始めて。その淫らに悶える様子に打ちのめされる。悲しくてたまらない。
『お前はまったく・・・オレの妻だぞ』
『いいじゃないですか? こんなにも美しい姉さんを独り占めなんてずるいですよ』
『まぁな・・・ほら、どうした? もっと締め付けろ。いいんだろう?』
『いやぁあっ!! はぁあぁっ!! あんっ!! あぁんっ!!』
後ろから突き入れられては、勃った前も口で弄られてと。二者に容赦なく責められて、闇の中で、肢体がビクビクッと跳ね上がる。
『極上のオメガだから仕方ないですよね、姉さん? 姉さんを欲しがらないオスはいませんよ。そう・・・・・・だって本当は・・・フフフ・・・』
『あぁ、そうだな・・・・・・だって、お前を欲しがっていた。やむえず・・・・・・になったけどな。ハハハ・・・』
(そんな・・・)
その会話が聞こえてきた瞬間、血の気が引いた。
(まさか・・・そんな・・・うそだ・・・)
驚愕と同時に、深い悲しみが競り上がった。信じられない。
(なんで!? 噛んだのに!!)
と叫び声が上がる――と同時に、ハッと目が覚めた。
(なんだ・・・今のは・・・)
ハァ、ハァ、ハァと気が付けば呼吸が乱れていた身を、息をゴクリとのむことで落ち着かせようとする。
(なんで、こんな夢を・・・?)
また夢を見たのだ、それも淫夢を。しかも後味が悪く、悲しい気持ちにさせられる類いの。
(あぁ・・・いやだ・・・)
不快さを感じながら、寝具の上に投げ出されている自分の腕を視界に捉える。とそのまま視線をぼんやりと彷徨わせた。
(えっ・・・ここは・・・)
『いやっ・・・いやですっ!! やめっ・・・アァッ!!』
悲鳴のような声が聞こえた。途端に、ぼわんっと光景が浮かび上がって。
『いやぁっ!! アァッ!! アァッ!!』
白い華奢な裸体が後ろから抱えられて、赤みがかった黒い闇人間の腕の中で身悶えている。
(あぁ・・・いやだ・・・)
性行為を強要されているその様子を目にして、即座に不快感が湧き上がる。そんな姿は見たくない。見たくないのに。
『いやですっ!! アァッ!! アアッ!!』
ゆっさゆっさと下から揺さぶられて、儚く清らかな存在が金の髪を振り乱しながら喘いでいる。
『美しい・・・妻よ・・・気持ちがいいのか? ん? どうだ?』
赤黒い男が低い声でねっとりと聞いた。
『はぁあっ!! いやぁあっ!! いやぁあっ!!』
妻と呼ばれても、陵辱されているとしか思えない者が拒否し続ける。そこへ、
『僕も入れて下さいよ』
と青みがかった黒い闇と声が加わった。大きく開かされている脚の間にしゃがみこむと、その股間へと顔を埋めた。
『あぁっ!! や、やめなさいっ!!』
細い腕が咄嗟に抗うが、青黒い男の頭が躊躇うことなく上下し始めて。
『あぁっ!! はぁあっ!! やぁっ、ぁあんっ!!』
しゃぶられる音とともに、質を変えた嬌声が上がり始めた。
『姉さんはこうやって舐められるのが本当に好きですよねぇ・・・フフフ・・・』
『やぁあっ!! あっ!! あっ!! ぁあんっ!!』
(あぁ・・・)
先ほどまであれほど拒んでいたというのに、本当は違うはずなのに。あっという間に溺れ始めて。その淫らに悶える様子に打ちのめされる。悲しくてたまらない。
『お前はまったく・・・オレの妻だぞ』
『いいじゃないですか? こんなにも美しい姉さんを独り占めなんてずるいですよ』
『まぁな・・・ほら、どうした? もっと締め付けろ。いいんだろう?』
『いやぁあっ!! はぁあぁっ!! あんっ!! あぁんっ!!』
後ろから突き入れられては、勃った前も口で弄られてと。二者に容赦なく責められて、闇の中で、肢体がビクビクッと跳ね上がる。
『極上のオメガだから仕方ないですよね、姉さん? 姉さんを欲しがらないオスはいませんよ。そう・・・・・・だって本当は・・・フフフ・・・』
『あぁ、そうだな・・・・・・だって、お前を欲しがっていた。やむえず・・・・・・になったけどな。ハハハ・・・』
(そんな・・・)
その会話が聞こえてきた瞬間、血の気が引いた。
(まさか・・・そんな・・・うそだ・・・)
驚愕と同時に、深い悲しみが競り上がった。信じられない。
(なんで!? 噛んだのに!!)
と叫び声が上がる――と同時に、ハッと目が覚めた。
(なんだ・・・今のは・・・)
ハァ、ハァ、ハァと気が付けば呼吸が乱れていた身を、息をゴクリとのむことで落ち着かせようとする。
(なんで、こんな夢を・・・?)
また夢を見たのだ、それも淫夢を。しかも後味が悪く、悲しい気持ちにさせられる類いの。
(あぁ・・・いやだ・・・)
不快さを感じながら、寝具の上に投げ出されている自分の腕を視界に捉える。とそのまま視線をぼんやりと彷徨わせた。
(えっ・・・ここは・・・)
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