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chapter one
7.暗い路地に潜むのは
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「使用人風情が、生意気な口を」
アベルは、ひとり屋敷へ続く路地を歩く
噂の為か人通りは、ほとんどない
「俺が、苦しそうなど戯論を」
そんな、彼の瞳は大きく揺れていた
後ろからコツコツと足音が聞こえる
「…っち」
人に会いたい気分ではなく
うっとおし気に舌打ちをする
近づいてくる足音にさっさと通り過ぎてしまえと思う
間も無く足音が隣に並ぶと思われた時
「…っう、かはっ」
唐突に首筋に強い衝撃が伝わる
アベルは、眩む視界のなかで不気味に微笑む男を見た
ひんやりと冷たい感触に目がさめる
「…っ」
頭から伝わるずきずきとした痛みが寒気を誘った
「お、やっと起きたか」
視界を上に向けると布のようなもので顔を隠した男が見下ろしていた
「…貴様、誰とわかって」
「わかってるさ」
男がクツクツと笑う
「馬鹿め
俺に、手を出してただで済むと思うなよ」
ここに来てもアベルの態度は、変わらなかった
「噂通りの横柄な餓鬼だな
まあ、奴隷商にでも売っちまえば大人しくなるだろう
なにせ、後ろ盾にはリオンの旦那がついてるんだからな」
それは、今日あった商人の名前だった
「何故、あいつが…」
「不満だったんだよ
お前みたいな餓鬼にぺこぺこと
それで、俺らにお前を攫うように依頼したって訳だ」
その商人は、昔からローデンベルク家の懇意にしていた由緒正しき商人だ
財力は、勿論権力も相当のものだ
ことを揉み消すのは、ぞうさもない
ましてや、こんな子供ひとり助けるために身の危険を冒すなど
「つまり、お前に助けは来ない
そこで大人しくしてろ」
そうして部屋の扉をばたりとした
アベルは、ひとり屋敷へ続く路地を歩く
噂の為か人通りは、ほとんどない
「俺が、苦しそうなど戯論を」
そんな、彼の瞳は大きく揺れていた
後ろからコツコツと足音が聞こえる
「…っち」
人に会いたい気分ではなく
うっとおし気に舌打ちをする
近づいてくる足音にさっさと通り過ぎてしまえと思う
間も無く足音が隣に並ぶと思われた時
「…っう、かはっ」
唐突に首筋に強い衝撃が伝わる
アベルは、眩む視界のなかで不気味に微笑む男を見た
ひんやりと冷たい感触に目がさめる
「…っ」
頭から伝わるずきずきとした痛みが寒気を誘った
「お、やっと起きたか」
視界を上に向けると布のようなもので顔を隠した男が見下ろしていた
「…貴様、誰とわかって」
「わかってるさ」
男がクツクツと笑う
「馬鹿め
俺に、手を出してただで済むと思うなよ」
ここに来てもアベルの態度は、変わらなかった
「噂通りの横柄な餓鬼だな
まあ、奴隷商にでも売っちまえば大人しくなるだろう
なにせ、後ろ盾にはリオンの旦那がついてるんだからな」
それは、今日あった商人の名前だった
「何故、あいつが…」
「不満だったんだよ
お前みたいな餓鬼にぺこぺこと
それで、俺らにお前を攫うように依頼したって訳だ」
その商人は、昔からローデンベルク家の懇意にしていた由緒正しき商人だ
財力は、勿論権力も相当のものだ
ことを揉み消すのは、ぞうさもない
ましてや、こんな子供ひとり助けるために身の危険を冒すなど
「つまり、お前に助けは来ない
そこで大人しくしてろ」
そうして部屋の扉をばたりとした
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