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〈十四〉
しおりを挟む不思議な光景だった。
リビングルームから寝室へ移動している。
「――な、なあ、どうしてもこうしなきゃ、駄目か?」
ベッドに横たわった全裸の悟が戸惑った声をあげた。
無理もない。
頭の上にあげた両手首と、まっすぐ伸ばした両足首が手ぬぐいで縛られている。股間では避妊具のついた肉棒が勃ちあがっていた。両手両足を縛られたまま悟はぐねぐねびちびち体をひねっている。
「悟がどうしてもっていったんじゃないの。帰ってくれてもいっこうにかまわないんだけど」
「オレは帰らない! 最後まで見る!」
「見てるだけじゃすまないからそうなってるんじゃないか」
一回、ことが済んだあと、大助の上でぐったりしていた珠緒に熱り立ったものを挿入れようとして悟は叱られた。そして縛られ転がされている。
「オレもしたい! ふたりだけ狡い!」
「狡いっていわれても」
そもそも悟が言い出したことである。唇を尖らせ「ラメちゃんとかいう女と仲良くすれば」と蒸し返しそうになった珠緒を大助はやんわり止めた。
「暴れるなよ、悟」
珠緒の手をとりベッドに載る。そして悟の膝の上に載せて自身は後ろから抱いた。たっぷりとした乳房を両手で掬い溜め息をつく。
「とてもいい」
太く武骨な指がそろりと乳輪をなぞる。
「珠緒さんが感じてる顔を悟にも見せてあげよう」
「でも……」
「きれいだよ。感じてるきみはすごくかわいい」
鼻先で髪をかき分け、大助は耳もとで囁いた。まだぷっくりしたままの乳首に指を添える。
「まだ指、動かしてないのに」
熱い囁きが耳たぶを擽る。
そっとふれているだけなのに、珠緒の乳首はむくむくと凝り固くなった。乳首だけでなく、大助に囁かれつづける耳も怒張を押しつけられる腰も、ぐずぐずに蕩ける足の付け根も熱い。
「もっと気持ちよくなって」
力なく頭を横に振る珠緒の頬に大助は口づけた。指で乳首をはさみふにふにとやわらかくはさむ。そのたびに体がぴくぴくと震えた。体に力が入らなくなってきた珠緒は大助に支えられへなへなと腰を下ろした。
ぷ、ちゅ。
とろとろの秘所が悟の肉棒に口づける。避妊具にぴっちりと包まれかちかちに勃ちあがった肉棒が陰唇にはさまれ蜜にまみれ濡れていった。
「ほら、顔をあげて。悟が視てるよ」
「ん、……ぁっ」
頬を上気させた悟と目が合った。乱れた呼吸につれて胸が上下している。
目を逸らしたくても、できなかった。
悲しげに悔しげに眉を下げしどけなく唇を歪めていても発情している悟は美しかった。いつもならこのくらい昂ぶっていればもう珠緒に挿入れて荒々しく腰を振っているところだ。両手両足を縛られ肉棒の上に腰を落とされ動きを封じられて情欲を発散できず目を潤ませている。
「好きだよ、珠緒さん。俺はきみが欲しい。なんとしても、欲しい」
大助は珠緒を支えたまま左側へ体をずらした。くにゃくにゃの腕をくぐり頭を差し込んで乳房に顔を寄せる。
ちゅ。ちゅ。
裾野から稜線をたどり唇が頂きをめざす。
「だいすけ、さん……」
「ん」
はむはむと乳輪にふれていた唇からのぞいた舌が
れり。
乳首を撫でた。
「ひ、ぁ、っ」
よだれでてらてらになった乳首が唇に吸いこまれる。
気持ちいい。
唇に側面を、舌にれりれりと先っぽを愛撫されて、ついさっき達して熾火のように燻っていた快楽が胎で再燃しはじめた。
気持ちいいけれど、切ない。
乳首から生まれる行き場のない快楽が胎の奥をうずうずと炙る。恥ずかしくて甘えたくて、もどがしい。
まわした手で大助の頭を撫でる。指で短い髪をもちゃもちゃとかきまわす。
もどかしさのあまり快楽を逃そうと珠緒は
ぬりゅりゅ。
腰をわななかせた。
「あっ、あ、あふっ」
焦らし責めで体の快楽ゲージがじわじわ上がってきたところに秘所への、そして包皮に戻りきっていないクリトリスへの刺激はあまりに鮮やかだった。
気持ちよくなっちゃ、駄目。
悟が視ているのに。大助に愛撫されているのに。
快楽は男からもたらされて我慢を重ね仕方なく解放するものだった。勝手に悟の肉棒にクリトリスをすりつけて、自分で気持ちよくなってはいけない。
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