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がつ子、はしゃぎ過ぎの代償を払う
16.
「自分じゃできない。大路がいい」
「そんなこといっても、――出張先にお邪魔するわけにいきませんし」
「だって、……っ、ぁ」
広居主任と同時に、樹子も唇を噛みこぼれてしまいそうな喘ぎを飲み込んだ。
「私がどれだけ……っ、しゅに、んは、分かってない、です」
「なに、が、……っん」
「ぜ、んぶ、です」
ちゅ、く。ちゅ、ちゅく。
互いの腰を初めぎこちなく、そしてだんだんとなめらかにすりつけ合う。
服や下着、肌で守られて普段は眠りについている、頭を擡げるお互いの敏感なところが
つ、きん。
こすれる。愛液の潤みをぬるぬるとまとっていても痛い。でもただ痛いのとは違う。
痛みが、甘い。
切なくて、もどかしい。
社会人になってそれまでよりずっと体面がだいじになって、しかも自分はどうせ年齢に合った人と恋愛なんてできないんだと醒めて拗ねて半ば安心するみたいに諦めていたのにぜんぜん好みじゃない人に惹かれて好きになってしまって、でも好きになってもらえないって、この人にとって自分は自分じゃない誰かの代わりでしかないって、いつまでもこうしていられないって分かっていてだから、先に進んじゃ駄目だって分かっていてそれでも思う。
下着越しに触れ合ったときも遠かった。
今も遠い。秘部をすりつけ合っているのに、遠い。もっと近づきたい。
「欲しい」
「おお、じ……」
大きく熱いものが樹子の両手を包んだ。
すり、り。
指と指が絡まる。ふれあう指から泡立つような快楽が体の奥へ伝わっていく。
秘所のほうがずっとずっと敏感なのにこの人の手と指は、違うものを伝えてくる。
やさしさ。
主任はいつだってやさしい。恋人でない自分にもこんなにやさしいくらいだ。きっと今までの恋人に対してもやさしかったのだろう。
たぶん樹子に対するそれには、遠慮や怯み、狡さだって含まれている。最初寝ぼけたときに一度間違えて呼んだ元の恋人の名を主任はもう忘れた、みたいな顔をして、普段決して口にしない。狡い。
小刻みだった腰の動きがこぼれる互いの体液のぬめりを借りて
にゅく、にゅく。
大きく揺れる。
――いつか……。
この人が自分のもとから去るとき、「分かっていたことだから」と送り出せるだろうか。
痛い。切なくてもどかしくて、甘く痛む。
この痛みの先にあるものが欲しい。後悔すると分かっていても、欲しい。
「はいっちゃう、……っん」
樹子は腰を揺すった。ひくつく蜜口が怒張を迎え入れようと綻んでいるのが分かる。欲しい。この人が欲しい。今だけだと分かっていても、欲しい。
現実に戻しては駄目。痛みに似た快楽に酔い、酔わせてこのまま――。
にゅ、く。く、ぷ。
大きく硬いものがゆっくりと樹子を暴きながら奥へ進む。
「っ、ん、……ぁっ」
「あっ、……ん」
ぎゅう。
指と指がきつく絡んだ。
進み、戻り、少しずつ、しかしごりごりと容赦なく入ってきた怒張が
こ、つ。
最奥へたどりついた。
「…………っ」
はくはくと唇をわななかせるけれど、呼吸がうまくできない。
すり、り。
解けた手がふたたびつながった。
きゅ、きゅう。
胎の奥で快楽が凝り、潤んだ粘膜が薄い膜越しに熱い塊に縋りつく。
――好き。
伝わらなくていい。いや、やっぱり伝えたい。応えてもらえなくても伝えたい。でも、できない。
樹子は前後に腰を揺すった。
「ん、……しゅに、ん、きもち、い……っ」
こつ、こつ、と撫でるように胎の奥がノックされる。
「おお、じ、で、――出、る」
「来、て。きて、――ぁっ」
「…………っ」
増幅する快楽とともに体を貫く硬いものが大きく大きくふくらむ。最奥で熱く欲望が弾けた。
「そんなこといっても、――出張先にお邪魔するわけにいきませんし」
「だって、……っ、ぁ」
広居主任と同時に、樹子も唇を噛みこぼれてしまいそうな喘ぎを飲み込んだ。
「私がどれだけ……っ、しゅに、んは、分かってない、です」
「なに、が、……っん」
「ぜ、んぶ、です」
ちゅ、く。ちゅ、ちゅく。
互いの腰を初めぎこちなく、そしてだんだんとなめらかにすりつけ合う。
服や下着、肌で守られて普段は眠りについている、頭を擡げるお互いの敏感なところが
つ、きん。
こすれる。愛液の潤みをぬるぬるとまとっていても痛い。でもただ痛いのとは違う。
痛みが、甘い。
切なくて、もどかしい。
社会人になってそれまでよりずっと体面がだいじになって、しかも自分はどうせ年齢に合った人と恋愛なんてできないんだと醒めて拗ねて半ば安心するみたいに諦めていたのにぜんぜん好みじゃない人に惹かれて好きになってしまって、でも好きになってもらえないって、この人にとって自分は自分じゃない誰かの代わりでしかないって、いつまでもこうしていられないって分かっていてだから、先に進んじゃ駄目だって分かっていてそれでも思う。
下着越しに触れ合ったときも遠かった。
今も遠い。秘部をすりつけ合っているのに、遠い。もっと近づきたい。
「欲しい」
「おお、じ……」
大きく熱いものが樹子の両手を包んだ。
すり、り。
指と指が絡まる。ふれあう指から泡立つような快楽が体の奥へ伝わっていく。
秘所のほうがずっとずっと敏感なのにこの人の手と指は、違うものを伝えてくる。
やさしさ。
主任はいつだってやさしい。恋人でない自分にもこんなにやさしいくらいだ。きっと今までの恋人に対してもやさしかったのだろう。
たぶん樹子に対するそれには、遠慮や怯み、狡さだって含まれている。最初寝ぼけたときに一度間違えて呼んだ元の恋人の名を主任はもう忘れた、みたいな顔をして、普段決して口にしない。狡い。
小刻みだった腰の動きがこぼれる互いの体液のぬめりを借りて
にゅく、にゅく。
大きく揺れる。
――いつか……。
この人が自分のもとから去るとき、「分かっていたことだから」と送り出せるだろうか。
痛い。切なくてもどかしくて、甘く痛む。
この痛みの先にあるものが欲しい。後悔すると分かっていても、欲しい。
「はいっちゃう、……っん」
樹子は腰を揺すった。ひくつく蜜口が怒張を迎え入れようと綻んでいるのが分かる。欲しい。この人が欲しい。今だけだと分かっていても、欲しい。
現実に戻しては駄目。痛みに似た快楽に酔い、酔わせてこのまま――。
にゅ、く。く、ぷ。
大きく硬いものがゆっくりと樹子を暴きながら奥へ進む。
「っ、ん、……ぁっ」
「あっ、……ん」
ぎゅう。
指と指がきつく絡んだ。
進み、戻り、少しずつ、しかしごりごりと容赦なく入ってきた怒張が
こ、つ。
最奥へたどりついた。
「…………っ」
はくはくと唇をわななかせるけれど、呼吸がうまくできない。
すり、り。
解けた手がふたたびつながった。
きゅ、きゅう。
胎の奥で快楽が凝り、潤んだ粘膜が薄い膜越しに熱い塊に縋りつく。
――好き。
伝わらなくていい。いや、やっぱり伝えたい。応えてもらえなくても伝えたい。でも、できない。
樹子は前後に腰を揺すった。
「ん、……しゅに、ん、きもち、い……っ」
こつ、こつ、と撫でるように胎の奥がノックされる。
「おお、じ、で、――出、る」
「来、て。きて、――ぁっ」
「…………っ」
増幅する快楽とともに体を貫く硬いものが大きく大きくふくらむ。最奥で熱く欲望が弾けた。
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