神の加護を持つ能力者たち

ドラエナ4753

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水の国

第7話

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今日は訓練2日目
早朝起きれず、起こしに来てくれたのは第4騎士団副隊長の王朝だ。
扉を軽く叩く音が聞こえる

「水源くん。入るよ?」

部屋に入り僕の体をユサユサと揺らし起こす。

「んにゃ?」

「んにゃ?じゃないんだよ。あと10分で訓練だよ。早く着替えて訓練所行こ?」

僕は直ぐに着替え訓練所へ向かった。
ギリギリ間に合った。
そこからの1日の訓練が地獄だった。
何一つ最後までやり通すことが出来ず、悔しい気持ちを持って終わった。
特別訓練 姫乃との訓練だ。
訓練の前に姫乃は僕とベンチに座って話すことになった。

「今日1日どうだった?」

「何一つできなくてすごく悔しいです。」

「そっか…。僕も昔はそうだった。何一つこなす事ができなくて、悩んでた時があった。」

姫乃はオレンジ色になった空を見ながら話していた。

「僕が悩んでる時に声をかけてくれたのは金城さん。前職のサーカス団でやっていたマジックを僕に見せてくれた。色々やってくれたな。いきなり鳥を出したり、腕が取れたと思ったら偽物の腕だったり、本物の剣を刺したのに何故か当たってて。あの時は本当に笑ったな。」

僕は緊張が解けたかのように泣きながら笑っていた。
姫乃は僕の頭を撫でながら呟いた。

「最近、色々出来事があったよな…。よく頑張ってるよ。」

僕が泣き止むまで頭を撫で続けてくれた。

「姫乃隊長、ありがとうございます。」

姫乃は立ち上がり夕焼けの前に行き、空を見上げた。

「気にするな。男だからと言って泣くなとは言わん。泣きたい時に泣け。その泣いた分だけ強くなるんだ。」

この言葉が僕の胸に深く刻まれた。

「隊長!続きの訓練お願いします。」

「よし!やるぞ!」

僕は泣いた分だけ自分を鍛え、強くなり姫乃隊長のようになりたいと思った。

訓練終了

「水源。今日はここまでにしよう。お疲れ様」

「はい!お疲れ様でした。」

僕はタオルで汗を拭き、訓練生用の風呂場に向かった。
風呂場に着いた時、タオルを訓練所に置いたまま持ってくるのを忘れたので取りに行くことにした。
初日に汗を拭いたタオルは風呂場で必ず洗い自室で乾かすことと言われてたので訓練で疲れてはいるが走って訓練所に向かった。
訓練所に着くと姫乃が鎧を外して汗を拭いていた。

「お疲れ様です。姫乃隊長。」

「お、お、お、お、お疲れ様。ど、どうした?」

姫乃は慌てながら返事をしてくれた。
月明かりに照らされて姫乃の顔を見ると顔が赤くなってる。初めて鎧を外した所を見た。
よく見ると、姫乃の胸に膨らみがあり、腕も細く色白で綺麗だった。

「そ、そこのタオルを取りに来ました。で、では失礼します。」

姫乃はタオルを持った僕に近づき

「今日見たことは誰にも言うなよ。言った時は訓練量を増やすからな。あと、この事は次の訓練の時に色々話す。分かったな?」

姫乃は焦った顔をしつつも念を押しながら話した。
僕は姫乃の圧で顔を上下に振ることしかできなかった。

「よし!それなら早く風呂に入って寝ろ。明日はじいさん達と勉強だろ?」

「はい!失礼しました」

僕は速やかに風呂場に行き、やることをやって自室に戻った。
ベッドの中に入り目をつぶると、胸がドキドキとして今までになかった気持ちになった。姫乃隊長の顔を思い出してしまう。この気持ちはなんだろうか、どうして姫乃隊長を思い出してしまうのか考えているうちに眠ってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第1騎士団と第2騎士団は真っ暗な森で盗賊団の幹部が拠点にしてる洞窟が近くにあると、水源の護衛の時に捕まえた盗賊団幹部のゴールドから聞きだした。

金城は黒鬼の耳元に話しかけた

「地図によるとここら辺に拠点があるみたいだな」

黒鬼は頷いた。木の上に目線をやり人差し指を動かすと、何十人といる暗部(アサシン)が動き出した。
1分もしないうちに黒鬼の後ろに暗部の1人が現れ耳元で話していた。
黒鬼は東に向かうと拠点があると金城に指を動かして教えた。
第1騎士団と第2騎士団は物音一切立てずに拠点に向かった。

拠点を見つけた。
金城は小声で呟いた。

「見張りは2人か…。この暗闇なら奇襲は行けるが中にいる仲間にバレたら、意味が無い…。」

金城はこの先どうなるか頭の中でシュミレーションを立てながら考えている。このシュミレーションが外れたことは無いため、騎士団全員期待しつつ緊張感を持って命令を下るのを待っている。
金城の呟きが止まった。

「これ…かな…。みんな集合」

小声で作戦会議が始まり、3分後決行することになった。
その間に、暗部は偵察に行き団員は今日が最後なのかもしれないため、家族に手紙を書いたり、好きなものを食べたりしていた。
決行する時間になった。
黒鬼は中指を見回りの敵に向けて立たせると、暗部が喉元からナイフを刺し横に引いた。
見回りが持っていた松明等は、空中で拾いその場に置いた。
金城は団員に目を向けて

「作戦開始」

と言った。
洞窟の中は外の見回りが倒れていることは知らないため、大騒ぎしていた。
そのため入りやすく、大広間のドアまで辿り着いた。
金城が少し覗くと、盗賊団の団員が騒いでいたが幹部が見当たらなかった。

「お、おかしい。シュミレーションでは団員と一緒に飲んでるはずだ…。偵察も確かに居ると言っていた。」

洞窟の入口から煙が入ってきた。
酸欠になると作戦が失敗してしまうため、退却命令を出した。
団員は物音立てずに洞窟から抜け出すと、盗賊団幹部のシルバーが暗部を数十人倒して待っていた。

「よぉ、元気か?国の騎士団様」

騎士団の団員はもちろん黒鬼、金城も驚いていた。

「な、なぜ外にいる?俺のシュミレーションは完璧なはずだ!」

「シュミレーション?なんだそれ?お前らの中に裏切り者がいるのかもな。偽情報を流した人とかな?」

金城は頭の中で考えた。すると思い当たる人が1人いた。3分間待機中に偵察に行った暗部の男。

「黒鬼、あいつだ。あの男はどこにいる?」

黒鬼は小声で

「そんなやつはうちの部下にはいねぇ」

と言った。
金城は驚いていた。

「それならあいつは誰だったんだ?暗部の格好をしていながら物音立てずに偵察行ったあいつは…。はっ!!」

金城は声を思い出した。教えてくれたあいつは、まるで幹部シルバーと同じ声だったことに。

「やっと思い出したか?そうだよ。俺だぜ。ゴールド兄貴が捕まったと聞いてから解放するためにわざとゴールドの兄貴に色々伝えたんだぜ。」

金城は後ろから迫ってくる足音に気がついた。
が、もう遅かった。第1騎士団と第2騎士団はいつの間にか囲まれていた。金城は小声で呟きながら考えていた。
そして、最善の案を思いついた。それを騎士団の団員に伝えると批判を沢山受けたが何とかやると言い実行した。
盗賊団の団員に攻撃をしかけた金城は団員に傷を負いながらも、突破口を開いた。そして、第1騎士団と第2騎士団はそこから王都へ応援を呼ぶために走り去って言った。
金城は黒鬼に

「この作戦で俺一人が全員を相手する。その代わり俺の部下と共に王都に行き応援を呼んできてくれ。あいつらには待ってる家族がいる。あいつらをここで死なせたら親に会わせる顔がねぇ。だから頼むぞ」

黒鬼は金城のシュミレーション、金城自身の強さを信じているため急いで王都に向かった。

次の日の昼
第7騎士団を呼んで戻ってきたが、団長は見るも無残な姿になっていた。そして近くには幹部シルバーの首が転がっていた。
黒鬼やほかの騎士団員全員涙を流しながら団長の遺体とシルバーの首を拾い王都へ戻った。
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