料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

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20話

 夕食を終えた私はベッドに座り、椅子に座っているレーリアと対面していた。

 さっき食べたシチューとパンの感想を聞いてみたけど、好評なのは普通に嬉しい。

 私としては料理の手順を適当に思い返して、完成した料理をイメージしながらスキルを使っただけなのは解っているけど、これも手料理と呼んでいいのではないだろうか?

 そう考えていると、レーリアが椅子から立ち上がって。

「これから私は明日の準備をしてきます……恐らく明日、アカネ様は王の間へ呼ばれ、国王から国外追放を言い渡されるはずです」

「国外追放ね……私ってこの世界の通貨を持っていないけど、どうなるのかしら?」

「私が聞いた限りだと、城から出す時に兵士長が渡すことになっていますが……それだけなら兵士で十分のはず。宰相のドグが信頼している兵士長がその役目になっていることが気がかりです」

「お金絡みだから、信頼できる人に任せたかったとか?」

 私が推測を口にすると、レーリアは不安げな表情を浮かべて。

「そうだといいのですが……警戒だけはしておいてください。恐らく朝食後に呼び出されるはずです」

「わかったわ。それで、レーリアとはいつ合流することになりそうかしら?」

「アカネ様の謁見が終わった後、私は国王との面会をとりつけましたので……少し後になるはずです」

 国王との面会と聞いて、私が首を傾げると。

「城を出て行く際に魔道具の返却が必要ですからね。私はいつでもこの城から出て構わないという契約を結んでいるので、城を出ることは可能です」

 どうやらレーリアは国王と契約を結んでいるみたいだけど……レーリアは立場が下なのにそんな条件で契約しているのは意外だった。

「いつでも辞めていい契約なのに、レーリアは城の中だと立場が低いの?」

 私の質問に対して、レーリアが言い辛そうにしているも口を開く。

 契約のその3……絶対に裏切れないという条件には、嘘をつけない。危害を加えることができないというのも含まれているらしい。

 それでも私には言いたくなさそうな表情をしながら、レーリアが話を始めようとしていた。

「……私のせいで城に迷惑がかかった時は絶対服従という条件付きでしたが、今までは何も迷惑をかけていません。なので私はいつでもこの城から出て行くことが契約で許可されています」

 契約って、そんな感じの条件もつけることができるのか。

 レーリアの話を聞くけど、この世界だとレーリアは城を出てから生活ができないし、レーリアが問題を起こさないように行動を制限させる契約をつけていたようだ。
 
 言い淀んでいる辺り、嘘はついているけど追及されたくなさそうにしているから、話はここで終わっておきましょう。

「それなら、大丈夫そうね」

「あの……色々と、聞きたいことがあったのではないのですか?」

「言いたくないのならいいわ。言いたくなったら教えて」

 私の発言に対して、レーリアは後ろに下がって驚きながら。

「ありがとうございます。もう過去のこと、私の汚点のようなものでして……もし言わなければならない時がくれば、その時に話します」

 そう言ってレーリアが深く頭を下げるけど、黒歴史でもあるのだろうか?

 それは聞かれたくないだろうから、追求しないようにしておこう。

 それから真剣な眼差しでレーリアが私を見る――見つめている眼は、渦を巻いた魔道具の眼鏡だけど、端麗な顔に思わず顔が赤くなっていると。

「私は必ずアカネ様に追いつきます……必ず追いつきますので、その間は何があっても我慢してください」

 レーリアが心配しながらそう言ってくれるだけで、私は嬉しかった。

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