料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

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24話 マミカ視点

 アカネが国外追放を言い渡された後――マミカはミユキと共に、レーリアと国王の会話を聞いていた。

 特にやることもないからで、マミカとしてはアカネの味方になっているレーリアも、どうにかして追い出したいと考えている。

 この世界に来るまではあまり会話をしたことがなかった隣の住人だけど、巻き込まれて異世界に来たせいで、マミカとミユキの評判も下がっているような気がする。

 とにかくアカネは自分達より劣っていると 知らしめようとしたのに、一瞬だけとはいえとてつもない魔力を見せたことで、焦りは更に強くなっている。

 ミユキは相手にしなければいいと、罪悪感を抱いていたようだけど、アカネに異世界に転移した理由を尋ねたことで態度が変わる。
 それはマミカとミユキにとっては聞かれたくなかったことで……あれからミユキは、とにかくアカネを城から追い出そうと動き始めていた。

 その結果が今日で――そしてレーリアも、城から出ようとしている。

「奴がこの国に来ればお前は絶対服従だったというのに……契約は契約か。その魔道具を返して好きにしろ」

 そう国王が残念そうに吐き捨てて、レーリアが眼鏡を外し、国王に献上する。

「え……」

 眼鏡を外したレーリアは美しい紅色の少し細い瞳で、左目の下には泣きぼくろがあり、マミカは唖然とするしかない。

「それでは、失礼します」

「――待って!」

 隣のミユキも呆然としている中で、国王の間から出ようとするレーリアを見て、マミカは咄嗟に叫んでいた。

 レーリアは足を止めて振り向き、マミカを見るも……その瞳は冷たくて、マミカは全身を震えさせる。

「な、なによ……アタシはこの国の賢者よ!」

「もう私には関係ありません。この国には不要な私が出て行く。それだけですよ」

「っっ……はぁっ? どうせアンタはアカネの元に行く気でしょ! それでいいの!?」

 アカネとの会話を思い返したマミカは、歯を軋ませながらレーリアをそれとなく引き留める。

 レーリアは今までに見たどの異性よりも魅力的で、渦を巻いた眼鏡を外しただけでここまで変わるだなんて信じられなかった。

「この国の契約を破棄した以上、私がどこに行こうと自由です……それでは、失礼します」

 そのレーリアが、アカネの元に行くと知って……それだけは嫌だと、マミカは強く考えている。

 欲しいと思っていたレーリアが思った瞬間に居なくなり、それも一番嫌いなアカネとこれから行動を共にする……その時に感じたマミカの感情は、今までにないものだった。

「ミユキ……どうすればいい?」

 長年親友だったミユキは、それだけでマミカの気持ちを察して。

「……今までレーリアがこの国を出ようとしなかったのはエルフだから。それなら信頼を得るためにアカネと契約している可能性は高そうだから、アカネを捕えて従わせれば、契約しているレーリアは逆らえなくなるんじゃないかな?」

「そ、それは……」

 提案を聞いていた宰相のドグが動揺しているのも気になるけど、それ以上にマミカは、ミユキの発言と、発言時に瞳の瞳孔が開いていたことに恐怖するしかない。

 どうやらミユキも同じ気持ちのようだけど……昨日の発言と今日のレーリアの件で、相当アカネに対して苛立っているようだ。

 そしてミユキの発言を聞いたと同時にレーリアが姿を消したのは……危険を察知して、アカネの元に急いだのかも知れない。

 すぐさまミユキの助言を聞きながら、マミカはアカネを捕えるよう、城の兵士達に命令を出していた。

 アカネを捕えて弱らせることで従わせ、契約をしているレーリアを従わせる……それがマミカにとって理想的だとしても、マミカの目論見通り進むことはなかった。

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