料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

文字の大きさ
29 / 117

29話

 食事以外で力になりたいとレーリアから魔法を学ぼうとしたら、命にかえても守って見せますと言われていた。

 レーリアは凄い自信だけど、こうして絶世の美男子に面と向かってそんなことを言われるなんて……転移する前の世界だと絶対に言われないだろう言葉だ。

「あ、ありがとう。ございます……それでも、私は魔法を使ってみたいと思っているの」

 思わず敬語になってしまうほどだけど、レーリアはカバンの中から地図を取り出して。

「そうですか。それなら……移動する最中、モンスターと遭遇した時に実戦形式で覚えていきましょう。今から私達は、この港町に向かいます」

 そう言ってレーリアが私達の居る地点を指差して、かなり先の方向にレーリアが指を伸ばすことで港町の場所を示している。

 どうやらここが目的地のようだけど、私は気になっていたことがあった。

「この港町が目的地ね……ここに着いたら、船に乗ってどこへ向かうの?」

「それは……この町で1泊する予定なので、その時に話しましょう……明日の夕方までには到着するつもりで動きます。申しわけありませんが本日は野宿となります」

「別にいいわよ」

 正直野宿は嫌だけど、国外追放になった時点で、こうなることは仕方がないと割り切っている。

 それにしても明日って、走って丸1日かかるのは嫌だなぁ。

 そう考えていると……レーリアは座っていた切株、そして私が座っていた切株を引っこ抜き、更に地面から木々を出していく。

 どうやら休憩中にも木の魔法を使っていたようで……そこから2つの鉄の車輪がついて二輪の荷車が完成し、私は唖然としていると。

「それでは、お乗りください」

「人力車!? レ、レーリアは、それでいいの?」

「速度は抑えるつもりです」

 そういう意味じゃないんだけど……これほどまでの美男子が、私を乗せて人力車を動かすのか。

 確かに城下町で私を運んでいたのを見ると、これが一番いいとは思うけど……まさか異世界に来て人力車に乗るだなんて思ってもいない。

 夜になるとアンデッドモンスターとか出るから魔道具で結界を張るみたいだから、夕方までは人力車に乗って移動するらしい。

 私は荷台に座って。

「レーリア、疲れたら言ってね」

「先ほどのクッキーのお陰か、今の私はどこまでも行けそうです」

 そう言ってから、レーリアが私の乗っている荷車を引きながら走る。

 よく見たらレーリアは足を動かさず、地面を滑るように移動しているけど、これも魔法なのだろうか?

「移動魔法を使っています。何か問題があれば仰ってください」

 車より少し遅いぐらいの速度で人力車が動いているからか、なんだか人力車という感じがしない。

 魔法で移動しているのならレーリアが疲れることはなさそうで、風が心地いい。

 私はレーリアが操縦する車に乗りながら、港町へと向かっていた。

あなたにおすすめの小説

無能だと追放された「雑用係」のハル、現代の知恵(ライフハック)を駆使したら、呪われた魔王城が聖域化して伝説の賢者と呼ばれ始めた

ユネ
ファンタジー
「君のような無能な掃除係は必要ない!」 勇者パーティーからゴミのように捨てられた雑用係のハル。だが彼女には、前世で培った【家事のプロとしてのライフハック】があった。 ​移り住んだのは、誰もが恐れる『呪われた魔王城』。しかしハルにとっては、ただの「掃除のしがいがある大型物件」に過ぎなかった! 重曹とクエン酸で呪いを浄化し、アルミホイルで魔物を除け、ジャガイモの皮で伝説の鏡を蘇らせる。 ​魔法より便利な知恵で、お城はいつの間にか世界一快適な聖域に。 一方、ハルを失った勇者たちは、汚部屋と化した拠点と自らの無知に絶望することになり――。 ​これは、一人の「掃除好き」が知恵と工夫だけで異世界に革命を起こし、最高のスローライフを手に入れるまでの物語。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

面倒くさがりやの異世界人〜微妙な美醜逆転世界で〜

蝋梅
恋愛
 仕事帰り電車で寝ていた雅は、目が覚めたら満天の夜空が広がる場所にいた。目の前には、やたら美形な青年が騒いでいる。どうしたもんか。面倒くさいが口癖の主人公の異世界生活。 短編ではありませんが短めです。 別視点あり

【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。

みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」 魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。 ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。 あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で一人の騎士と運命的な出会いをする。 【2024年3月16日完結、全58話】

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

異世界もふもふ死にかけライフ☆異世界転移して毛玉な呪いにかけられたら、凶相騎士団長様に拾われました。

和島逆
恋愛
社会人一年目、休日の山登り中に事故に遭った私は、気づけばひとり見知らぬ森の中にいた。そしてなぜか、姿がもふもふな小動物に変わっていて……? しかも早速モンスターっぽい何かに襲われて死にかけてるし! 危ういところを助けてくれたのは、大剣をたずさえた無愛想な大男。 彼の緋色の瞳は、どうやらこの世界では凶相と言われるらしい。でもでも、地位は高い騎士団長様。 頼む騎士様、どうか私を保護してください! あれ、でもこの人なんか怖くない? 心臓がバクバクして止まらないし、なんなら息も苦しいし……? どうやら私は恐怖耐性のなさすぎる聖獣に変身してしまったらしい。いや恐怖だけで死ぬってどんだけよ! 人間に戻るためには騎士団長の助けを借りるしかない。でも騎士団長の側にいると死にかける! ……うん、詰んだ。 ★「小説家になろう」先行投稿中です★

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

想定外の異世界トリップ。希望先とは違いますが…

宵森みなと
恋愛
異世界へと導かれた美咲は、運命に翻弄されながらも、力強く自分の道を歩き始める。 いつか、異世界にと想像していた世界とはジャンル違いで、美咲にとっては苦手なファンタジー系。 しかも、女性が少なく、結婚相手は5人以上と恋愛初心者にはハードな世界。 だが、偶然のようでいて、どこか必然のような出会いから、ともに過ごす日々のなかで芽生える絆と、ゆっくりと積み重ねられていく感情。 不器用に愛し、愛する人に理解されず、傷ついた時、女神の神殿で見つけた、もう一つの居場所。 差し出された優しさと、新たな想いに触れながら、 彼女は“自分のための人生”を選び初める。 これは、一人の女性が異世界で出逢い、傷つき、そして強くなって“本当の愛”を重ねていく物語です。