料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

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73話

 宿に戻った私は、早速料理スキルを使うことにしていた。

 ご飯が食べられるようになったから、私は作ってみたい料理がある。

「色々考えたけど、今日はこれにするわ」

 そう言いながら、私はイメージして――とんかつを作ろうと考える。

 豚肉はロースの部分を買っているから、分厚い食べ応えのあるカツになるはず。

 小麦粉からパン粉に変わるし、調味料も魔力で作れる。
 ソースに関しても、果物、野菜の他に香辛料をとにかく購入した結果、作れるようになっていた。

 薄力粉とといた卵をつけて、それからパン粉とをつけて油であげる……作り方は大体知っているけど、作ったことがないからどれぐらいの温度とか、時間とかは知らない。

 それでも……テーブルの上には、3人分のできたばかりで綺麗なトンカツが並んでいた。

 香ばしいにおいと湯気を眺めて、レーリアは息を呑みながら。

「こ、これは……なんですか? 豚肉を使ったということは解りますが……」

 使うことで消えた豚肉から察したみたいだけど、見た目の変化に驚いているようだ。

 切ってみると納得した様子で、そこからキャベツも切ってご飯も用意していく。

 流石に自分で切ろうかと思ったけど、料理スキルは一瞬で千切りキャベツができたから……このままだと、私自身の料理スキルが衰えていくような気がする。

 とにかく――準備は万端だから、私はウォルを呼びに行こうとしていた。

「隣の部屋に居るし、もしかしたら部屋から出てるかもしれないわね」

 そう言いながら私は部屋の扉を開けると――目の前には、驚愕しているウォルの姿があった。

 ウォルは尻尾を振り回して、部屋の中にある料理が気になってる……物凄くわかりやすいわね。

 私を見ると驚きながらも、ウォルは興奮した様子で。

「いっ、今料理していたのもアカネの料理なのか!? もしよかったらどんな料理なのか見せて欲しい!!」

 ウォルとしては確認したかったけど、どうやら扉をノックすることができなかったようだ。

 確かに湯気やいいにおいがしていたけど、隣の部屋でも気づくって獣人の嗅覚はそこまで凄いのだろうか。

 とにかく、レーリアの発言通り進んでいることに驚きながらも、私はウォルに言う。

「今、ウォルを呼びに行こうと思っていたのよ」

「えっ?」

「今日助けてくれたから一緒に料理を食べないか。そうアカネ様は言っています」

 驚いているウォルに対して、私の前に出たレーリアが告げる。

 そこまで高圧的じゃないけど……どうやらレーリアは、私とウォルを傍に居させたくないようね。

 レーリアは今まで追手から私を守るために行動していたから、それが癖になっているのかもしれない。

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