料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

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82話

 買物を済ませていると夕方になって、私達はロドリゴから聞いていた場所へ向かう。

 新しい拠点は、街の外れにある二階建ての小さな屋敷だった。

 掃除する必要はなくて、魔力で動く家具も置いている……元々、Bランク冒険者用に準備していたのか、最近誰か住んでいたのかも知れないと考えていると。

「そういえば……俺用に準備してる拠点があるって、ロドリゴのオッサンが言ってたような気がするな」

「えっ?」

「人間をパーティリーダーにすればここに住めるぞって言われたりしたけど……アカネに出会えてよかったよ」

 そう言って満面の笑顔を向けてくれるウォルを見て、私も微笑みながら。

「私も、ウォルと契約できてよかったわ」

「……私も、アカネ様と契約できてよかったです」

 笑い合っているとレーリアが頷きながら呟くけど、レーリアの名前がなかったのが不安になったのかもしれない。

 私は頷きながら、部屋を見て回ることにしていた。

 住める拠点を用意してくれると言っても、家賃は払う必要があるみたいだけど……いつの間にかレーリアは1年分先に払っていたようだ。

 家具は用意されていて、部屋も多いけど……レーリアは私を護衛したいから同じ部屋で、隣の部屋はウォルが使うらしい。

「2人で一部屋なのに、俺は一部屋使ってもいいのか?」

「ええ。流石に3人は多いですし、ウォルなら何か起きてもすぐに察知することができますからね」

「おう!」

 ベッドが1つしかないけど、レーリアは屋敷に住むこととなっても床で寝るつもりなのだろうか?

 一緒に寝ようと言いたくなるけど……もし私が言ったら、この関係が変わるかもしれないから言えない。

 1階の居間で食事をすることとなって、レーリアが私に尋ねる。

「今日の買った食材ですが……種類が多いですね」

「ええ。ウォルは私の料理が気になっていたから、今まで作っていた料理も一緒に作ろうと思ったの」

 料理スキルは作りすぎることがないから便利だと考えていると、ウォルは眼を輝かせながら。

「ほ、本当にいいのか……」

「ええ。ウォルが仲間になってくれたことと、拠点が手に入れたことをお祝いしましょう」

「何かを祝うのは、この大陸に向かった時以来ですね」

 レーリアがそう言って頷くけど、もしかしたらケーキが食べたいのかもしれない。

 私はウォルが仲間になって拠点が手に入ったことを、料理スキルを使って祝おうとしていた。

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