料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓

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85話

 いきなり私の目の前に発生したカードは、賢者と聖女の力が扱えるカードだった。

 そしてこれが原因で、マミカとミユキは「料理」スキルの力を知るかもしれない。

「どうして急に、こんな物が出てきたの……」

 私が尋ねると、レーリアは困惑した様子で。

「このカードが持つ力は理解できましたが、理由はわかりません……ですが、推測する事はできます」

「推測でもいいから、教えて欲しいわ」

「はい……アカネ様がウォルと覚醒して塔を守護したゴーレムを倒し、料理を食べたことでレベルが上がったことが原因だと思われます」

 料理を食べると強くなると聞いていたけど、塔のゴーレムを倒したことで力がついて、その後に料理を食べたことで更に強くなれたらしい。

 それによってスキルのカードが発生したみたいだけど……詳しいことは、レーリアにも解っていないようね。

「カードの力ですが……どうやら一度だけ、カードを消費すると決意すれば1時間、そのスキルが使えるようになります。一度使えばなくなるようです」

 一度きりで1時間限定。
 それでも……このスキルカードは、とてつもない力を持っているのがわかる。

「これって……切札的なものと考えていいのかしら?」

「それで大丈夫です。問題は……あの2人がレベルを上げてしまうと、片方のスキルと、料理スキルのカードを手に入れる可能性があります」

 ――そうだ。

 覚醒した後、私が感じていた不安は……カードのことを本能が知ってしまったからでしょう。

 マミカとミユキが2人とも私と同じようにカードを手に入れたら、2人のカードは料理スキルが2枚、そして賢者スキルと聖者スキルが1枚ずつ。

 料理スキルが2枚あるのなら、カードの性能を見るために1枚は使ってみようと考えてもおかしくはない……2枚もあるのだから、1枚は興味本位で使いそうだ。

 そうなると……更に捜索網を広げて、私を探す可能性が高くなる。

「大丈夫です」

 私が不安になっていると、レーリアが真剣な眼差しを向けて。

「あそこまで強力なゴーレムを倒してようやくカードを入手したのですから、あの2人が入手するとしても相当な年月がかかるはず。その頃には捜索を諦めています」

 確かにあの2人は危険なモンスターを倒してレベルを上げるだなんて行動はしないだろうから、急激なレベルアップはないはずだ。

「城にカードの効力を理解できる者は居ませんから、もし入手しても警戒して使わないでしょう」

 万が一レベルアップしてカードを入手しても、力が解らない以上使わないとレーリアは言っている。

 それでも――マミカとミユキに料理スキルが知られたかもしれないと、私は不安になっていた。

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