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35話

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 倒すべき存在、魔将衆の話になって――私は気になっていたことを、シリューに尋ねる。

「聖女候補の時に聞いたことがありますけど……聖域を破壊して、国を滅ぼすというのは本当ですか?」

 聖域は国に必ず存在する、モンスターをあまり近寄らせないための力でもあった。

 それでもモンスターが増えていくと聖域を無視して村や街にモンスターが侵攻するから、それを抑えるために冒険者や兵士達が狩る必要があるらしい。

 国を滅ぼす一番手っ取り早い方法が聖域の破壊だけど、聖域の破壊は普通できない。

 どうやって魔将衆が今まで聖域を破壊しているのかは不明のようだから、シリューに尋ねてみると。

「聖域を壊すのは本当のようだが、色々と準備が必要らしい……そしてこの国や他の国では、魔将衆の手下による攻撃が行われている」

 どうやら他の国にも形跡があるから、冒険者がルオドラン国に集まることができないらしい。

 ルオドラン国には神器の存在があるから狙っている可能性は高そうだと考えていると、シリューが私達を見て。

「奴等は優秀な冒険者を散らすため、様々な国を攻撃して……滅ぼす国の周辺も攻撃することで依頼が多くなり、ギルドは冒険者を集中させることができなくなる」

「そうなんですか」

「様々な国から緊急事態で依頼が来ているのに、滅ぼす可能性が高いと曖昧な理由で冒険者を集中することができないから……今まで冒険者ギルドは、魔将衆の行動を阻止できていないんだ」

 どうやら魔将衆は冒険者ギルドを警戒していて、対策があるから問題なく国を滅ぼせるようね。

「あたし達は冒険者として最善を尽くすだけだからね。話を戻すけど……滅ぼす対象の国を魔界と干渉させることで、聖域を壊すことができるらしい」

「魔界と干渉……ですか」

 魔界――モンスターが生まれる場所らしく、この世界とは違う次元にある世界。  

 世界同士惹かれ合っているから、自然に干渉することがあって……それがモンスターが現れる理由らしい。

 それは自然現象だけど、魔将衆は人為的に引き起こすことができるようで、その力を使うことで国を滅ぼしている。

 更にこの国の聖女はあのセローナだから……ルオドラン国は、滅ぼしやすそうな国になっていた。
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