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9話
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婚約破棄を受けた私は馬のリテナに乗って、屋敷に戻っていた。
もう夜になってしまったけど……お父様とお母様に報告しなければならない。
屋敷に戻ってくると、お父様は帰ってきていたようで、私を見て驚いていた。
「パ、パトリシア……何かあったのかい?」
「カルス様から婚約破棄を受けたので、戻ってきました」
何の連絡もないにいきなり戻ってきたから、お父様は呆然としている。
これから怒られるのだろうかと考えているも、どうやら恐怖している様子で。
「婚約破棄か……パトリシア、いったい何をしたんだ?」
どうやらお父様は私に原因があると考えているみたいだけど、これは仕方がない。
私は婚約するまでの間、かなりお父様達に迷惑をかけていた。
「原因はカルス様にあります……お父様、私はやってはいけないことの区別はできています」
「そうか。僕が目の届く範囲でなら、パトリシアは何をしても大丈夫だと考えていたんだね……」
どうやら私が子供の頃にやらかしたことは、お父様の中ではトラウマになっているらしい。
「……昔はその、好奇心が強すぎただけです。もう抑えることができています」
「そうか……それなら、よかった」
お父様に関しては、私がやらかしたせいで婚約破棄ではないと知ったら安堵するのは間違いなかった。
そう考えていると、お母様が私の前までやって来て……私は不安になっていた。
今回、一番の問題はルジャス家と関係を結べたことに喜んでいたお母様だけど、どこか様子が変だ。
お父様も、私が伯爵家の貴族と婚約破棄になったのに……どこか嬉しそうにしている。
「パトリシアが婚約破棄となって戻ってきた。原因はカルス様にあるようだ」
お父様が告げると、なぜかお母様は満面の笑みを浮かべて。
「パトリシアは災難だったわね。今日は屋敷でゆっくり……いいえ、今日話しておいた方がよさそうかしら」
「……話しておきたいことが、あるのですか?」
お父様はともかく、お母様は絶対に激怒すると思っていただけに、喜ばれると逆に怖い。
お母様がここまで上機嫌なことに、私は不安になるしかなかった。
もう夜になってしまったけど……お父様とお母様に報告しなければならない。
屋敷に戻ってくると、お父様は帰ってきていたようで、私を見て驚いていた。
「パ、パトリシア……何かあったのかい?」
「カルス様から婚約破棄を受けたので、戻ってきました」
何の連絡もないにいきなり戻ってきたから、お父様は呆然としている。
これから怒られるのだろうかと考えているも、どうやら恐怖している様子で。
「婚約破棄か……パトリシア、いったい何をしたんだ?」
どうやらお父様は私に原因があると考えているみたいだけど、これは仕方がない。
私は婚約するまでの間、かなりお父様達に迷惑をかけていた。
「原因はカルス様にあります……お父様、私はやってはいけないことの区別はできています」
「そうか。僕が目の届く範囲でなら、パトリシアは何をしても大丈夫だと考えていたんだね……」
どうやら私が子供の頃にやらかしたことは、お父様の中ではトラウマになっているらしい。
「……昔はその、好奇心が強すぎただけです。もう抑えることができています」
「そうか……それなら、よかった」
お父様に関しては、私がやらかしたせいで婚約破棄ではないと知ったら安堵するのは間違いなかった。
そう考えていると、お母様が私の前までやって来て……私は不安になっていた。
今回、一番の問題はルジャス家と関係を結べたことに喜んでいたお母様だけど、どこか様子が変だ。
お父様も、私が伯爵家の貴族と婚約破棄になったのに……どこか嬉しそうにしている。
「パトリシアが婚約破棄となって戻ってきた。原因はカルス様にあるようだ」
お父様が告げると、なぜかお母様は満面の笑みを浮かべて。
「パトリシアは災難だったわね。今日は屋敷でゆっくり……いいえ、今日話しておいた方がよさそうかしら」
「……話しておきたいことが、あるのですか?」
お父様はともかく、お母様は絶対に激怒すると思っていただけに、喜ばれると逆に怖い。
お母様がここまで上機嫌なことに、私は不安になるしかなかった。
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