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10話
私は温厚で優しいお父様はともかく、お母様には無茶苦茶怒られると覚悟していた。
それなのに……お母様がやけに上機嫌なことに、私は不安になるしかない。
「あの、何かあったのですか?」
声が震えているのを自覚しながらも、私はお母様に尋ねるしかない。
私達は椅子に座ると、お父様が話してくれる。
「そうだな……半年ほど前、パトリシアが新たなポーションの作成方法を、魔法機関に伝えたことから話そうか」
「……あの、それって魔法機関が認めなかったと聞いているのですが」
元婚約者のカルスからはそう聞いていて、私は仕方がないと思っていた。
好奇心から新たな魔力回復ポーションの作成方法を知り、販売の許可を貰うため魔法機関に手紙を送っている。
勝手な行動をとるなとカルスに注意されて、それで終わったものだとばかり思っていたけど、実際は違うらしい。
「そうか……魔法機関は完成品を今でも楽しみに待ち望んでいるらしく、ルジャス領の新たな魔力回復ポーションに一部の貴族達は期待していた」
「……えっ?」
「魔力機関に関係者が居る貴族だけが知っていることね。催促することはできないから、未だにルジャス領の新たなポーションを待っているはずよ」
お母様の発言を聞いて、色々と察することができてしまう。
どうやら詳しい内容を聞かず、子爵家如きが新たなポーションを作って大惨事になることを想像したカルスは、ポーションを作らせないようにしたのでしょう。
魔力機関が認めないのなら作るなと嘘をついたけど……そのポーションを期待されていることは、まだ知らないはず。
そこまで考えて――もしかしたら侯爵令嬢ミュリナの家は、そのことを知っていたからカルスと婚約したのかもしれない。
作成方法は処分しているだろうし、まず私が量や素材の質を確認しないと作ることは不可能だ。
「パトリシアの凄さを知った様々な貴族が、パトリシアに会いたいようね……会いたい人は皆、ルジャス家より立場が上なのよ!」
お母様が歓喜しているのは、新しく婚約者になってくれるかもしれないと考えているのでしょう。
婚約するかどうかは解らないけど……カルスとの婚約破棄を取り消してくるよう言われないだけ、私としてはよかった。
それなのに……お母様がやけに上機嫌なことに、私は不安になるしかない。
「あの、何かあったのですか?」
声が震えているのを自覚しながらも、私はお母様に尋ねるしかない。
私達は椅子に座ると、お父様が話してくれる。
「そうだな……半年ほど前、パトリシアが新たなポーションの作成方法を、魔法機関に伝えたことから話そうか」
「……あの、それって魔法機関が認めなかったと聞いているのですが」
元婚約者のカルスからはそう聞いていて、私は仕方がないと思っていた。
好奇心から新たな魔力回復ポーションの作成方法を知り、販売の許可を貰うため魔法機関に手紙を送っている。
勝手な行動をとるなとカルスに注意されて、それで終わったものだとばかり思っていたけど、実際は違うらしい。
「そうか……魔法機関は完成品を今でも楽しみに待ち望んでいるらしく、ルジャス領の新たな魔力回復ポーションに一部の貴族達は期待していた」
「……えっ?」
「魔力機関に関係者が居る貴族だけが知っていることね。催促することはできないから、未だにルジャス領の新たなポーションを待っているはずよ」
お母様の発言を聞いて、色々と察することができてしまう。
どうやら詳しい内容を聞かず、子爵家如きが新たなポーションを作って大惨事になることを想像したカルスは、ポーションを作らせないようにしたのでしょう。
魔力機関が認めないのなら作るなと嘘をついたけど……そのポーションを期待されていることは、まだ知らないはず。
そこまで考えて――もしかしたら侯爵令嬢ミュリナの家は、そのことを知っていたからカルスと婚約したのかもしれない。
作成方法は処分しているだろうし、まず私が量や素材の質を確認しないと作ることは不可能だ。
「パトリシアの凄さを知った様々な貴族が、パトリシアに会いたいようね……会いたい人は皆、ルジャス家より立場が上なのよ!」
お母様が歓喜しているのは、新しく婚約者になってくれるかもしれないと考えているのでしょう。
婚約するかどうかは解らないけど……カルスとの婚約破棄を取り消してくるよう言われないだけ、私としてはよかった。
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