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20話
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どうやらラッセルは魔道具店を開いて、私もそこに住むはずだけど……ラッセルは1人で経営する気のようだ。
そのせいか心に靄ができているのを自覚して、私は気になったことをラッセルに尋ねる。
「えっと……ラッセルの魔道具店を用意してくれた人って、どんな人なの?」
「個人的な知り合いだから、家族とは無関係だ。唯一俺の魔道具の凄さを知ってくれる人で、俺が店を持ちたいと言ったら乗り気になってくれた」
フルディ殿下……いいえ、フルディの暴走を止めたりしていたせいで、私は国を出てからのことはあまり考えていなかった。
私の実力なら1人でも生きていけるから、ある程度の通貨と野宿用の魔道具、携帯できる食料をカバンに入れていただけ。
そんな私と違い、ラッセルは準備ができていて……私と全然違う。
「ミレイユ、どうした?」
どうやら私は落ち込んでいたようで、ラッセルが心配している。
今さら取り繕っても意味がないから、私は本心を口にしていた。
「えっと……ラッセルの準備が凄くて、最低限の準備しかしていなかった自分が恥ずかしくなっていたのよ」
最初、ラッセルと一緒に行動して大丈夫なのだろうかと見定めていたけど……むしろ今は、ラッセルのお陰で安堵している。
それが恥ずかしくなっていると、ラッセルは笑顔を私に向けて。
「俺が国を捨てると決心できたのはミレイユのお陰だ……ミレイユが居なければ、俺は行動できなかった」
私が居なければ、ラッセルは夢を叶えようと動くこともない。
それはリスクがあるからだと推測できて……私は更に自己嫌悪に陥ってしまう。
「私のせいで準備期間が足りなくて……成功しない可能性も、あるわよ」
「それは違う。俺はミレイユが国を出ると聞いたからこそ、ケルクト国に向かう決心ができた」
ラッセルは私に真剣な眼差しを向けて……吹っ切れているのがよくわかる。
どうやら私のとった行動は、私の想像以上にラッセルの心を動かしていたようだ。
そのせいか心に靄ができているのを自覚して、私は気になったことをラッセルに尋ねる。
「えっと……ラッセルの魔道具店を用意してくれた人って、どんな人なの?」
「個人的な知り合いだから、家族とは無関係だ。唯一俺の魔道具の凄さを知ってくれる人で、俺が店を持ちたいと言ったら乗り気になってくれた」
フルディ殿下……いいえ、フルディの暴走を止めたりしていたせいで、私は国を出てからのことはあまり考えていなかった。
私の実力なら1人でも生きていけるから、ある程度の通貨と野宿用の魔道具、携帯できる食料をカバンに入れていただけ。
そんな私と違い、ラッセルは準備ができていて……私と全然違う。
「ミレイユ、どうした?」
どうやら私は落ち込んでいたようで、ラッセルが心配している。
今さら取り繕っても意味がないから、私は本心を口にしていた。
「えっと……ラッセルの準備が凄くて、最低限の準備しかしていなかった自分が恥ずかしくなっていたのよ」
最初、ラッセルと一緒に行動して大丈夫なのだろうかと見定めていたけど……むしろ今は、ラッセルのお陰で安堵している。
それが恥ずかしくなっていると、ラッセルは笑顔を私に向けて。
「俺が国を捨てると決心できたのはミレイユのお陰だ……ミレイユが居なければ、俺は行動できなかった」
私が居なければ、ラッセルは夢を叶えようと動くこともない。
それはリスクがあるからだと推測できて……私は更に自己嫌悪に陥ってしまう。
「私のせいで準備期間が足りなくて……成功しない可能性も、あるわよ」
「それは違う。俺はミレイユが国を出ると聞いたからこそ、ケルクト国に向かう決心ができた」
ラッセルは私に真剣な眼差しを向けて……吹っ切れているのがよくわかる。
どうやら私のとった行動は、私の想像以上にラッセルの心を動かしていたようだ。
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