婚約者の王子が危険すぎるから、奪おうと目論んでいた妹に譲ります

黒木 楓

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36話

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 ブレスドラゴン――その名前の由来は、ブレスによる攻撃の威力にあった。

 閃光、追尾する弾丸、放射。
 様々な業火のブレスを使い分ける、知性の高い人のような龍型モンスター。

 銀色の体が光り輝いていて、異種ということもあってとてつもない威圧感を感じる。

 二足歩行で翼が生えた雄々しいドラゴンを見て、ラッセルが唖然としながら。

「……これが、異種?」

「どうしたの?」

 私が尋ねた瞬間、ドラゴンの口から炎の弾丸になったブレスが飛んできたから、私は魔本に魔力を籠めることで受け流す。

 炎だと解っているのなら、魔力の道を作ることで受け流すことができていた。

 攻撃を対処したことで、ラッセルが冷静になった様子で。

「いや……どうもこのドラゴン、人為的な強化をされているとしか思えないのだが、気のせいか?」

 人為的な強化……私にはわからないけど、魔道具を扱っているラッセルだからこそ、何かわかるのかもしれない。

 私は攻撃を受け流すことで精一杯だったけど、ドラゴンもブレスを吐くことで精一杯になっている。

 その隙を突いて、ラッセルの魔力剣による攻撃がブレスドラゴンを苦しめていく。

 数分間の攻防の末に――私は魔力をほとんど使って疲れているけど、ラッセルがブレスドラゴンを討伐することに成功していた。

「ミレイユ! 大丈夫か!」

 トドメを刺した瞬間――解体もせずに、ラッセルは疲弊している私の元に駆け寄ってくれる。

 そんなラッセルに嬉しくなりながらも、私は尋ねる。

「大丈夫よ……それより、ラッセルはどう?」

 尻尾や長い腕から繰り出された攻撃を受けて、ラッセルはなんとか剣で防いでいた。

 何度かドラゴンによる攻撃を喰らっていたけど、装備が強いお陰か、あまりダメージを受けていなさそうだと安心していると。

「俺も大丈夫だ。ちょっと気になることがあったけどーー」

 そう言ってから――嬉しそうな様子で冒険者達が私達の前にやって来る。

「まさか……あのドラゴンをたった2人で倒したというのか!?」

 そこにはさっき渡したポーションや魔道具を購入した冒険者の姿もあって……全員助けてから、力になるために私達の元に向かっていたのかもしれない。
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