婚約者の王子が危険すぎるから、奪おうと目論んでいた妹に譲ります

黒木 楓

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44話 フルディ視点

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 あれから更に半月が経ち、地獄の学園生活が終わろうとしていた。

「ようやく、終わったが……」

 問題は、これからのことにある。

 今までミラーナの屋敷で暮らせていたのは、学園生活を送らせるためだった。

 どうやらミラーナはフルディと一緒ならどこでも幸せというも、フルディとしてはどうにかしたいと思っている。

「フルディ様、大丈夫ですか?」

「俺は大丈夫だ……やらなければならないこともできた」

 半月前――兄ドルーダによって屈辱を受け続け、精神を崩壊までさせたフルディが生を諦めなかったのは、僅かな希望があったからに他ならない。

 ラッセルの妹からトールズ魔道具店を始めているらしいと話を聞き、かなり遠くだから噂だけだけど、約1カ月前にスタートして大繁盛しているらしい。

「俺がここ1ヶ月もの間地獄を見ていたのに……ミレイユとラッセルが幸せそうに暮らしているというのが、俺には耐えられない!」

 ラッセルはミレイユと共に消えたことから、一緒に行動している可能性は高いと聞いていた。

 まずはトールズ魔道具店を探し、油断しているミレイユを捕える。

 ミレイユを人質にすればドルーダも攻撃してこないと考えていた時、目の前にドルーダがやって来ていた。

「な、なんの用ですか……」

 フルディが恐怖しているのは、ドルーダが何をしてくるのかが解らないからだ。

 ここ1ヶ月の間やり替えされて……フルディがドルーダに対して行ったのは暗殺なのだから、まだやり返されてフルディが生きているだけかなり甘いと考えていると。

「屋敷を出るための準備を色々と用意していたみたいだが、全て俺が没収した」

「なっ……!?」

 明日の為に用意していたミレイユ捕獲の魔道具や、動きを止めるための魔道具は、どうやらドルーダが許してくれないらしい。

 そして――1ヶ月間の学園生活が終わったフルディとミラーナは、お互い違う反応を見せていた。

 ミラーナはフルディと一緒に行動できるのが嬉しそうに見えるも、フルディとしては、ラッセルとミレイユを捕える為の魔道具を準備していたのに、ドルーダによって台無しにされている。

 唯一の希望を奪われたフルディは、更に絶望することとなっていた。
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