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32 ※中洗浄

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「あ、あぁ! もう、お、お腹がぁ……キツっんん! が、我慢出来っないっ! ですからぁあああ!」

 本当に我慢出来ないのか、半分以上泣きそうになってしまっている結衣人。

「分かりましたよ。 今回、結衣人さんは初めてなんですから、無理強いはしないので、我慢しないでトイレに行って来て下さいね」

 そう言うと都春は結衣人の中に入れていたシリンダーを抜くのだ。

 その直後だっただろうか、結衣人が立ったと思った途端には走り出していたのだから。

 そんな結衣人の姿に、奏空と都春は視線を合わせて微笑む。

 結衣人の場合、今日がこの仕事が初めてなのなら、今のような初々しいような反応っていうのは逆に視聴者ウケするからなのかもしれない。 こういう仕事というのは、やはり慣れている人物の方が多く、結衣人みたいな人物は本当に稀で逆に言えば業界的にも嬉しい位なのだから。

 そして数分後若干やつれたような表情でスタジオ内へと戻って来る結衣人。 そこは偉い所であろう。 嫌であれば、今トイレへと抜け出した時点で辞めてしまうのだから。 いや、今の結衣人は媚薬を飲まされているのだから、逆に自分の体が治りつかないのかもしれない。

 それに既に額から体からは汗が滲んで来てしまっているのだから。

 お腹が痛くなったのだから多少は脂汗みたいなのはあるのかもしれないのだけど、半分は媚薬効果で体が熱くなってきているという事だろう。

 そして結衣人は戻って来ると、ちゃんと都春や奏空の前に戻って来たのだから、ちゃんと仕事をする気はあるのかもしれない。

「も、もう、僕の方は、だ、大丈夫です……」

 もう気持ち的に息が切れ始めている結衣人。

「じゃあ、大丈夫だねぇ……。 もう、そろそろ媚薬の方が効き始めて来る頃なんじゃないのかな? 初めての人にあんまり媚薬って使っちゃいけないみたいだけど、でも、使った方が快感しか生まれないのだからいいんだけどね……」

 都春の方はそう言うと、いつものように危なく先へと進みそうに結衣人の体へと触れそうになったのだが、

「クス……都春さん……今日のゲームの目的忘れないで下さいね? 王様の命令に従って進めて行くゲームですよ」

 忘れてたかのように、叱られてしまった奏空の方に顔を向けて舌を出す都春。 やはり都春は可愛い系タチで売ってるのだから、本当に仕草とかは可愛い位だ。 そこは無意識なのか意識的にやっているのかは分からないのだけど。

「我慢している身にもなって下さいよ」

 と気持ち的に優しく文句を言い始める奏空。

「分かりましたよ! これからは先に進まないように気を付けますからぁ」
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