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三
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「死にたいと思ったら僕を誘ってくださいね。ご一緒しますから」
「その時は手を繋いでくれますか?」
「もちろん。恋人繋ぎでも構いませんよ」
彼が引っ越す時に初めて私たちは電話番号を交換した。
あの夜を現実と証明するもの。
それはちょうど小学生がランドセルを上下に揺らしながら走って帰るお昼すぎのはっきりした時間。
死なんて身近に感じさせない光に満ちた時間だった。
だけど私たちだけはその瞬間、あの夜の世界にいた。一瞬だけ。
━━私はそれから彼に一度も会っていない。連絡も一切取っていない。
つまりはそういうことだ。彼もどこかで元気にやっているのだろう。
「その時は手を繋いでくれますか?」
「もちろん。恋人繋ぎでも構いませんよ」
彼が引っ越す時に初めて私たちは電話番号を交換した。
あの夜を現実と証明するもの。
それはちょうど小学生がランドセルを上下に揺らしながら走って帰るお昼すぎのはっきりした時間。
死なんて身近に感じさせない光に満ちた時間だった。
だけど私たちだけはその瞬間、あの夜の世界にいた。一瞬だけ。
━━私はそれから彼に一度も会っていない。連絡も一切取っていない。
つまりはそういうことだ。彼もどこかで元気にやっているのだろう。
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