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第9話 あ! 野生のフェンリルが現れた!!
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「うっひょー! トマトできてんじゃーん! おほほいおほほい!」
「何その喜び方」
家庭菜園を始めて五日目。
ついにトマトが収穫時を迎えた!
他の野菜も数時間後には収穫できるようになるだろう。
俺はトマトを味見してみる。
むしゃむしゃむしゃむしゃ。
むしゃむしゃむしゃむしゃ。
「味見とは思えない量食べてますけど」
むしゃむしゃ。
「どんだけ食べるんだよ。トマト半分消滅したじゃねーか!」
いや、うますぎてつい。
やめられない止まんないのよ、マジで。
「家庭菜園レベルとは思えないうまさだからみんな食ってみな。飛ぶぞ!」
「わーお! 甘みと酸味のバランスが絶妙ですね!」
「きゅ~」
シロナとコンちゃんは満足げな様子で頬に手を当てる。
トリオ兄弟はトマトを食べるなり物理的に飛び始めた。
どうやら次男のスタイリッシュ横島が風魔法で浮かしてるっぽい。
器用だな。
「このトマトは晩メシに使うとして、今日は何して遊ぼうかな~」
ボドゲは午前中にみんなでやったから気分じゃないんだよなぁ。
あと龍之介がなんかだいたい強すぎるし。
ここは初心に帰ってスローライフで考えよう。
「……ピコーン! スローライフと言えば釣りだよなぁ!?」
「いいですね、釣り。ずっとお肉と卵ばっかりですし、そろそろお魚も食べたいです~」
「こーん」
「お前らも来るか?」
トリオ兄弟も誘ってみたが、畑を見守りたいからと断られた。
野菜を完ぺきなタイミングで収穫したいんだと。
ボスの俺が畑管理を頼んでいるからか、やる気と熱意に満ちあふれていた。
「じゃあ野菜は任せるぜ。うまい魚釣って帰ってくるから楽しみにしとけよっ!」
俺はコンちゃんを抱っこしながら、シロナと川に向かう。
着くまで暇だし、俺とコンちゃんの一発芸をお披露目するか!
「おやつはやっぱりとんがり」「こーん」
「ポンポンはじけるポップ」「こーん」
「俺には無縁。それ結《けっ》」「こん」
「遊び疲れてバタン」「きゅー」
「あなたのハートにラブずっ」「きゅん!」
コンちゃんは愛くるしい表情でシロナを見つめた。
これでハートを撃ち抜かれないのは無理だろ!
「その不意打ちはズルいです! コンちゃんが一番可愛いんだからもう」
「きゅ~ん」
コンちゃんはシロナに撫でられてご満悦そうだ。
ぴょんっと跳び移り、シロナの腕の中に納まった。
ちょっと悲しい。もうちょっともふもふを堪能したかった。
「鳴き声で文章をつなげるの面白かったですよ。……ただ、途中で悲しい自虐ネタ挟まってましたけど」
「逆に俺が結婚してるところ想像できるか?」
「無理。世界が滅ぶほうが早そう」
即答された。
だよな分かる。
俺も無理って即答するもん。
だからあれは自虐じゃなくてただの事実だ。
「川、到着! シロナも釣りするか?」
「私は遠慮しときます。コンちゃんと眺めとくのでごゆっくりどうぞ~」
シロナは魔法でビーチチェアとパラソルを作ると、コンちゃんを抱っこしたまま腰を下ろした。
俺は釣竿を【創造】し、その辺にいた川虫を針につける。
さーて、じゃんじゃん釣っていきますかね!
「あの辺たくさんいそうだな~」
狙ったところにピンポイントで針を落とす。
我ながら神コントロールだ。
後は放置して待つわけだが、ここで問題が発生した。
「釣りってのんびり楽しむものだよな!? 俺のんびりできねぇんだが!?」
「そういえばマグロ人間でしたね、なぎさって。筋トレでもすればいいんじゃないですか?」
「それだ! シロナ天才!」
その辺をランニングしたり、小指一本で腕立て伏せをしてみたり、十メートルくらいの岩塊を持ち上げてスクワットしてみたり。
筋トレをしながら待ってみたが、一匹も釣れないどころか当たりすらなかった。
「ぐああああああああああ!? もう我慢の限界だッ!」
「まだ三十分しか経ってませんけど……」
「かくなる上は……!」
俺は服を脱ぎ捨て川に飛び込んだ。
「あの! ちょ……」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
上流に向かって爆速スイミング!
俺は人間魚雷!
「なんか湖着いた! デケェ魚発見!」
────────
種族:イナズマオオナマズ
ランク:S
称号:湖の主
────────
「ナマズとか大当たりじゃーん!」
俺はナマズの電撃を喰らいながら接近する。
手刀でエラを斬ってサクッと〆た。
「うひょー! 大漁大漁!」
俺はナマズを担いで下流へスイミング!
往復わずか二分で大物ゲットだぜ!
「帰ってきた……って、それなんですか!?」
「いたから素手で釣ってきた」
「それは釣りなのか? ……その魔物、湖の主とかそういうレベルの強いやつなんですけど」
「手刀ビッグイータースラッシュで一撃だったぜ!」
「技名がダサいとかいうレベルじゃない」
俺は地面にナマズを置く。
「巨大ナマズの解体ショー開始だ!」
まずはナマズの表面に塩を塗る。
塩はムチンを溶解するので、ナマズのぬめぬめを簡単に取り除けるぞ。
包丁の背でムチンの残骸をこそぎ落としてから、頭を切り落とす。
腹を開いて内臓取り除いたら、身を切り分けて皮を引く。
これで三枚おろし完了。
キレイな白身を大量ゲットだイエーイ!
「帰ろうぜ! 今夜はアクアパッツァだ!」
ルンルン爆速スキップで帰宅した俺は、トリオ兄弟にナマズを自慢した。
「前提条件としてナマズはうまい! それがこの大きさ! つまりうめーアクアパッツァが大量に作れるということだ! 龍之介さん今の気分はいかがでしょうか?」
「ウッキウキ」
「人語喋ってる?」
俺はさっそく調理に取りかかる。
今日は豪華にBBQスタイルだ。
まずはナマズの身に塩こしょうを振っておく。
その間に砂抜きされた状態のアサリ、パセリ、にんにく、ブロッコリーを【創造】。
トマトは家庭菜園のものを使用する。
それらをカットしておく。
「アクアパッツァ……初めて聞く料理です。どんなのができるんだろ」
「魚と貝のうま味が濃縮されててめっちゃうまいぜ! すぐできるから楽しみにしとけ!」
フライパンにオリーブオイルをひいたら、弱火でじっくりとにんにくを炒める。
油ににんにくの香りが移ったら、ナマズを投入して両面焼く。
この段階は焼き色をつけるのが目的だから、中まで火を通す必要はないぞ。
「アサリ、トマト、ブロッコリー、白ワイン、水を投入!」
沸騰したら火を弱めて蓋をし、五分以上煮込む。
この時の火加減はギリギリ沸騰するくらいに留めておくのがコツだ。
「そろそろ頃合いかな?」
レッツオープン~!
蓋を開けると、魚介の濃厚ないい匂いがあたりに広がった。
「これがアクアパッツァ……! すっごくいい匂いですね!」
「きゅう~」
トリオ兄弟も二人の言葉にうんうんと頷く。
オリーブオイルを加えてもう二分ほど煮込んでから、皿に盛りつけてこしょうとパセリを散らす。
これで完成だ!
「さあ、たんと食べるがいい!」
さっそく振舞う。
初めての料理に胸躍る様子で食べたみんなは、一斉に目を輝かせた。
「ナニコレおいしすぎです!」
「こーん!」
「ウッキーウキッキ」
「ウホホーイ」
横島は氷魔法で「delicious」の文字を宙に浮かべた。
「そうだろうそうだろう!」
俺は鼻を伸ばしながらふんぞり返る。
スープの中に濃縮された濃厚な魚介のうま味!
家庭菜園で採れたトマトの上品な酸味!
とりあえずうまいブロッコリー!
それらを引き立てるパセリの香味とこしょうの辛味!
「おいしくないわけがないんじゃい! ガーハッハッハッハ!」
ブリッジ手前までふんぞり返った時、俺の視界にデッケェ狼の顔が映った。
あの、どちら様で……?
「ほあ!?」
「きゅ!?」
コンちゃんとシロナが真っ白な顔で硬直する。
俺のそばに、白銀の美しい毛並みをした狼が立っていた。
────────
種族:魔狼王
ランク:SSS
称号:神獣
────────
「あ! 野生の神獣が現れた!!」
戦う。
アイテム。
阿波踊り。
逃げる。
阿波踊りのコマンドを選択した俺は、トリオ兄弟の伴奏をバックに渾身の阿波踊りを披露した!
フェンリルは凛々しい顔で告げてきた。
『我もそのうまそうなご飯を食べたいぞ!』
「その前にこの局面で阿波踊り始めた俺の奇行にツッコんでくれんか?」
「何その喜び方」
家庭菜園を始めて五日目。
ついにトマトが収穫時を迎えた!
他の野菜も数時間後には収穫できるようになるだろう。
俺はトマトを味見してみる。
むしゃむしゃむしゃむしゃ。
むしゃむしゃむしゃむしゃ。
「味見とは思えない量食べてますけど」
むしゃむしゃ。
「どんだけ食べるんだよ。トマト半分消滅したじゃねーか!」
いや、うますぎてつい。
やめられない止まんないのよ、マジで。
「家庭菜園レベルとは思えないうまさだからみんな食ってみな。飛ぶぞ!」
「わーお! 甘みと酸味のバランスが絶妙ですね!」
「きゅ~」
シロナとコンちゃんは満足げな様子で頬に手を当てる。
トリオ兄弟はトマトを食べるなり物理的に飛び始めた。
どうやら次男のスタイリッシュ横島が風魔法で浮かしてるっぽい。
器用だな。
「このトマトは晩メシに使うとして、今日は何して遊ぼうかな~」
ボドゲは午前中にみんなでやったから気分じゃないんだよなぁ。
あと龍之介がなんかだいたい強すぎるし。
ここは初心に帰ってスローライフで考えよう。
「……ピコーン! スローライフと言えば釣りだよなぁ!?」
「いいですね、釣り。ずっとお肉と卵ばっかりですし、そろそろお魚も食べたいです~」
「こーん」
「お前らも来るか?」
トリオ兄弟も誘ってみたが、畑を見守りたいからと断られた。
野菜を完ぺきなタイミングで収穫したいんだと。
ボスの俺が畑管理を頼んでいるからか、やる気と熱意に満ちあふれていた。
「じゃあ野菜は任せるぜ。うまい魚釣って帰ってくるから楽しみにしとけよっ!」
俺はコンちゃんを抱っこしながら、シロナと川に向かう。
着くまで暇だし、俺とコンちゃんの一発芸をお披露目するか!
「おやつはやっぱりとんがり」「こーん」
「ポンポンはじけるポップ」「こーん」
「俺には無縁。それ結《けっ》」「こん」
「遊び疲れてバタン」「きゅー」
「あなたのハートにラブずっ」「きゅん!」
コンちゃんは愛くるしい表情でシロナを見つめた。
これでハートを撃ち抜かれないのは無理だろ!
「その不意打ちはズルいです! コンちゃんが一番可愛いんだからもう」
「きゅ~ん」
コンちゃんはシロナに撫でられてご満悦そうだ。
ぴょんっと跳び移り、シロナの腕の中に納まった。
ちょっと悲しい。もうちょっともふもふを堪能したかった。
「鳴き声で文章をつなげるの面白かったですよ。……ただ、途中で悲しい自虐ネタ挟まってましたけど」
「逆に俺が結婚してるところ想像できるか?」
「無理。世界が滅ぶほうが早そう」
即答された。
だよな分かる。
俺も無理って即答するもん。
だからあれは自虐じゃなくてただの事実だ。
「川、到着! シロナも釣りするか?」
「私は遠慮しときます。コンちゃんと眺めとくのでごゆっくりどうぞ~」
シロナは魔法でビーチチェアとパラソルを作ると、コンちゃんを抱っこしたまま腰を下ろした。
俺は釣竿を【創造】し、その辺にいた川虫を針につける。
さーて、じゃんじゃん釣っていきますかね!
「あの辺たくさんいそうだな~」
狙ったところにピンポイントで針を落とす。
我ながら神コントロールだ。
後は放置して待つわけだが、ここで問題が発生した。
「釣りってのんびり楽しむものだよな!? 俺のんびりできねぇんだが!?」
「そういえばマグロ人間でしたね、なぎさって。筋トレでもすればいいんじゃないですか?」
「それだ! シロナ天才!」
その辺をランニングしたり、小指一本で腕立て伏せをしてみたり、十メートルくらいの岩塊を持ち上げてスクワットしてみたり。
筋トレをしながら待ってみたが、一匹も釣れないどころか当たりすらなかった。
「ぐああああああああああ!? もう我慢の限界だッ!」
「まだ三十分しか経ってませんけど……」
「かくなる上は……!」
俺は服を脱ぎ捨て川に飛び込んだ。
「あの! ちょ……」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
上流に向かって爆速スイミング!
俺は人間魚雷!
「なんか湖着いた! デケェ魚発見!」
────────
種族:イナズマオオナマズ
ランク:S
称号:湖の主
────────
「ナマズとか大当たりじゃーん!」
俺はナマズの電撃を喰らいながら接近する。
手刀でエラを斬ってサクッと〆た。
「うひょー! 大漁大漁!」
俺はナマズを担いで下流へスイミング!
往復わずか二分で大物ゲットだぜ!
「帰ってきた……って、それなんですか!?」
「いたから素手で釣ってきた」
「それは釣りなのか? ……その魔物、湖の主とかそういうレベルの強いやつなんですけど」
「手刀ビッグイータースラッシュで一撃だったぜ!」
「技名がダサいとかいうレベルじゃない」
俺は地面にナマズを置く。
「巨大ナマズの解体ショー開始だ!」
まずはナマズの表面に塩を塗る。
塩はムチンを溶解するので、ナマズのぬめぬめを簡単に取り除けるぞ。
包丁の背でムチンの残骸をこそぎ落としてから、頭を切り落とす。
腹を開いて内臓取り除いたら、身を切り分けて皮を引く。
これで三枚おろし完了。
キレイな白身を大量ゲットだイエーイ!
「帰ろうぜ! 今夜はアクアパッツァだ!」
ルンルン爆速スキップで帰宅した俺は、トリオ兄弟にナマズを自慢した。
「前提条件としてナマズはうまい! それがこの大きさ! つまりうめーアクアパッツァが大量に作れるということだ! 龍之介さん今の気分はいかがでしょうか?」
「ウッキウキ」
「人語喋ってる?」
俺はさっそく調理に取りかかる。
今日は豪華にBBQスタイルだ。
まずはナマズの身に塩こしょうを振っておく。
その間に砂抜きされた状態のアサリ、パセリ、にんにく、ブロッコリーを【創造】。
トマトは家庭菜園のものを使用する。
それらをカットしておく。
「アクアパッツァ……初めて聞く料理です。どんなのができるんだろ」
「魚と貝のうま味が濃縮されててめっちゃうまいぜ! すぐできるから楽しみにしとけ!」
フライパンにオリーブオイルをひいたら、弱火でじっくりとにんにくを炒める。
油ににんにくの香りが移ったら、ナマズを投入して両面焼く。
この段階は焼き色をつけるのが目的だから、中まで火を通す必要はないぞ。
「アサリ、トマト、ブロッコリー、白ワイン、水を投入!」
沸騰したら火を弱めて蓋をし、五分以上煮込む。
この時の火加減はギリギリ沸騰するくらいに留めておくのがコツだ。
「そろそろ頃合いかな?」
レッツオープン~!
蓋を開けると、魚介の濃厚ないい匂いがあたりに広がった。
「これがアクアパッツァ……! すっごくいい匂いですね!」
「きゅう~」
トリオ兄弟も二人の言葉にうんうんと頷く。
オリーブオイルを加えてもう二分ほど煮込んでから、皿に盛りつけてこしょうとパセリを散らす。
これで完成だ!
「さあ、たんと食べるがいい!」
さっそく振舞う。
初めての料理に胸躍る様子で食べたみんなは、一斉に目を輝かせた。
「ナニコレおいしすぎです!」
「こーん!」
「ウッキーウキッキ」
「ウホホーイ」
横島は氷魔法で「delicious」の文字を宙に浮かべた。
「そうだろうそうだろう!」
俺は鼻を伸ばしながらふんぞり返る。
スープの中に濃縮された濃厚な魚介のうま味!
家庭菜園で採れたトマトの上品な酸味!
とりあえずうまいブロッコリー!
それらを引き立てるパセリの香味とこしょうの辛味!
「おいしくないわけがないんじゃい! ガーハッハッハッハ!」
ブリッジ手前までふんぞり返った時、俺の視界にデッケェ狼の顔が映った。
あの、どちら様で……?
「ほあ!?」
「きゅ!?」
コンちゃんとシロナが真っ白な顔で硬直する。
俺のそばに、白銀の美しい毛並みをした狼が立っていた。
────────
種族:魔狼王
ランク:SSS
称号:神獣
────────
「あ! 野生の神獣が現れた!!」
戦う。
アイテム。
阿波踊り。
逃げる。
阿波踊りのコマンドを選択した俺は、トリオ兄弟の伴奏をバックに渾身の阿波踊りを披露した!
フェンリルは凛々しい顔で告げてきた。
『我もそのうまそうなご飯を食べたいぞ!』
「その前にこの局面で阿波踊り始めた俺の奇行にツッコんでくれんか?」
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