好き勝手スローライフしていただけなのに伝説の英雄になってしまった件~異世界転移させられた先は世界最凶の魔境だった~

狐火いりす@商業作家

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第10話 冷やし神獣飼い始めました!

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『我もそのうまそうなご飯を食べたいぞ!』

「その前にこの局面で阿波踊り始めた俺の奇行にツッコんでくれんか?」

 俺はシロナを見る。
 ……ダメだ、固まってやがる……!
 ツッコミ役はシロナしかいないのに!

「神獣さんチッスチッス! アクアパッツァすぐに作るから待っててくれ」

『ホントか!? わーい!』

 フェンリルは俺のメシを見てこう言った。

 ──うまそうなご飯、と。

 そんなこと言われたら作るしかねぇよなぁ!?
 神獣だろうがなんだろうが、俺のメシで大満足させてやるぜ覚悟しとけ!
 そして俺を褒めるがいい!

「あいよー! 一丁上がり!」

 巨大皿にアクアパッツァを盛りつけて出すと、神獣は無我夢中で食べ始める。
 あっという間に平らげてしまった。

『うまかったぞ、人間!』

「俺は星宮なぎさだ」

『なぎさ! 我が生きてきた中で一番うまいご飯だった!』

「もっと褒めろ!」

『なぎさのご飯が世界一~~~!!!』

 フェンリルのしっぽがブンブン振られる。
 コイツ犬みてぇだな。
 神獣の威厳が欠片もねぇ。

『我、なぎさのペットになりたい!』

「では、採用試験の面接を行います」

 俺はデスクと椅子を作り、腕を組んで腰かける。
 フェンリルはびしっと背筋を伸ばした。

「お名前をどうぞ」

『フェンリルです!』

「自己PRをしてください」

『我の特技は食べることです! 昨日は我よりデカい魚を食べました! この旺盛な食欲が貴社の仕事において役に立つと考えたので志望いたしました!』

「採用だッ! 我が社はこんな人材を待っていたッ!!!」

「この会社の人事じんじ終わってるだろ」

 面接を経て、俺とフェンリルは意気投合することができた!
 もう心の友だ!

「お前も阿波踊りしないか?」

『いいよー! えいやーそいやーホイサッサ!』

「その気になれば大陸丸ごと氷河期にできることから凍獄の帝王とも呼ばれているあのフェンリルが…………伝説の神獣が、ノリと勢いだけで生きてるハイテンションおバカキャラだったなんて……!」

「一発芸やりまーす! フェンリルの変顔百面相~! どぅるるるるるるるるる、どぅん!」

『……ホ、ホァ……ァ……!?』

「カード全部入った財布落とした時の絶望顔!」

「コイツ敬うのもうやめよう」

「こん」

 フェンリルの変顔百面相はトリオ兄弟にバカ受けした。
 あんまりやりすぎると面白さが減るから百面相はこの辺でやめとこう。
 こういうのはたまに擦るからこそ輝くのだ。

「フェンリル。お前にも名前をつけようか悩んでんだが、いるか?」

『え、ほし~い! 我にもつけてー』

「じゃあ、ポチ」

『ぐすん……。我、女の子だからもっと女の子らしいのがいい』

「フェンリルが泣いちゃったじゃないですか。真面目にやってください!」

「至極大真面目なんだが?」

 ポチがダメならこれはどうだ!

「シロ」

『やだ』

 えぇ~?
 某国民的アニメの犬と同じ名前だから縁起いいと思うんだけどなぁ……。

「白銀の毛並みだから白に関するワードで考えて……ユキ!」

『可愛いけどなんか違う。女の子らしさとカッコよさが両立しててほしい』

「難しいな……。ホワイト……じゃなくて白に関する言葉……白……白……白……シロマダラ!」

「それ蛇の名前な」

『さすがに蛇の名前つけられるのはちょっと……』

 本気で頭をひねっているのだが、一向に名前が決まらない。

「今日調子悪いな~、俺のネーミングセンス」

「もとから悪いだろ」

「仕方ねぇ。こうなったら、なぎさネーミングガチャで決めるか」

「ハズレしか引けなさそう」

 フェンリルにガチャを引いてもらう。
 俺の脳にビビビッと言葉が浮かび上がった。

「ひゅいんひゅいんひゅいんピカァ! ゴゴゴギガギゴギギギゴギガー!」

『確定演出キター!!!』

「これが確定演出……? ただのキモい動きにしか見えないのですが……」

 スタイリッシュ横島の光魔法によって、俺の頭上から虹色の光が降り注ぐ。
 URネームが排出された!



ゴッド・スノウ」



 どどん!

『これがURマ?』

「ハズレじゃねーか! このガチャ不良品だろ」

 大不評だった。
 某空の島の雷神みたいでカッコいいと思うのだが、フェンリル的にこれはないらしい。
 ……まあほら、ソシャゲのURピックアップキャラでも人権ないやつとかいるから……。

『今出たURネームをガチャ石に交換してもっかい回す! 次こそは当たるだろ!』

「限界課金中みたいなこと言うな」

 フェンリルは再びガチャを回す。
 だが、排出されたのはただのコモンだった。

零華れいか

『意味は?』

「絶対零度の零と、華やかさを表す華って文字を組み合わせた名前だ」

『気に入ったぞ! 女の子らしい響きの中にクールカッコよさがあって我にピッタリだ!』

「クールの意味知ってる?」

 こうしてフェンリルの名前は『零華れいか』に決まった。
 氷帝魔法が使えて明るいお前にピッタリのいい名前だな!

「よろしくな、零華!」

『よろしくなのだー、なぎさ!』


 こうしてフェンリルの零華が仲間になった!
 冷やし神獣飼い始めました!

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