僕の宝具が『眼鏡』だったせいで魔界に棄てられました ~地上に戻って大人しく暮らしているつもりなのに、何故か頼られて困ります~

織侍紗(@'ω'@)ん?

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三十四話 復活

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 二人に遅れて小屋から飛び出たジュデッカ。一種の覚悟のようなモノを抱いていた。だがしかし、想像していたモノと違い、少し拍子抜けをしてしまったような表情になってしまった。

「あ、あれ? いない」

 そう、眼前にインフィニティエイシャントグレートデストロイアブソリュートジェノサイドタイラントディザスターアルティメットリザードがいる、そう思っていたのに視界には居なかったから。
 眼前に見えるのは先に飛び出たゲイルとミューの背中のみ。

「お師匠様からはかなり大きいと伺っていたのだけれども……」

 地は変わらず大きく揺れている。しかし対象は眼前にいない。その異質な状況にジュデッカは混乱してしまったいた。だが、今まで長きに生活していたこの小屋から見える光景に違和感を覚えたジュデッカは周囲を見渡した。

「も、もしかして!」

 そう口にしてジュデッカは周囲を見渡す。すると小屋が高く、周囲に広がろ地平線の彼方に見えるはずの山々が見えないことに気がついた。
 と、同時に正面遠くにバシーンバシーンと地を叩く尻尾が見える。焦って反対を見ると遥か彼方に頭部が見えた。

「……は? ど、どういうこと? ちょ、ちょっと待って。スーハースーハー」

 ジュデッカは深呼吸をし、一旦気を鎮めてから状況を再度確認する。
 やはり、遠くに見える尻尾と反対には頭があるという事実は変わらなかった。
 どうやら、今、自分は巨大な生物の背中にいる。ということを認識するのにさほど時間はかからなかった。

「う、うそ……こ、こんなに大きいの!? き、聞いてない!」

 ジュデッカは焦っている様子を隠すことなく、小屋の中へと踵を返した。

「お、お師匠様! コレ、どういうことですか!?」

「何がじゃ?」

「お、大きすぎるじゃないですか!? このトカゲ!」

 ジュデッカはバタバタと手足を忙しなく動かし、そう叫んだ。

「トカゲではない。インフィニティエイシャントグレートデストロイアブソリュートジェノサイドタイラントディザスターアルティメットリザードじゃ」

「そんなのはどうでもいいです! こんな大きいなんて聞いてない! タイラントリザードがちょっと成長した亜種だって話だったじゃないですか!」

 無礼な行為だというのを気にする余裕もないジュデッカは、師の指摘などどうでもいいと言い放ち、師から聞いた内容と現実の差が大きすぎると主張を始めた。

「そうじゃよ。ちょっと成長して大きくなっただけじゃよ」

「ちょっとじゃないです! お師匠様のちょっとって何を基準にしてるんですか! タイラントリザードでさえ建物サイズでかなり大きい部類なんです! 冒険者がギルドが依頼を受けるのを躊躇うくらいには! なのに、な、なんでこんなのが……」

「基準はあの二人じゃが……彼らならちょっとの差だと仰るじゃろう。ふむ、やはり、あのお二人以外は難しいかのぉ」

「お師匠様のかつてのお知り合いですか……」

「うむ」

「コレを見たら、いくらお師匠様のお言葉でも信じることは出来ません」

 力無く床に座り込むジュデッカは目に涙を溜めながら、ゆっくりと首を横に振った。

「いや、あのお二人なら何も問題なく倒してくれたじゃろうに……」

「アハハ……もし、そんな人がこの世に居たとして、そもそも人間なんですか?」

 力無く笑い、ジュデッカはポツリと呟くようにそう尋ねた。

「し、しまった!」

「え?」

「あのお二人は人間では無かった! エルフとドワーフだったわ!」

「え……ってそういう意味じゃないんですけど……」

 かなりズレた師の言葉にジュデッカは座ることすら保てずに、ペタリと床に横になってしまった。

「お、終わった……これじゃあのグーブンドルデでも倒せない……終わったわ、世界が……」

「終わったよ」

 ジュデッカの耳に遅れて入ってきたミューの言葉が入ってきた。ジュデッカは起き上がることすら出来ず、横になったまま謝罪の言葉を口にする。

「ミューさん、ごめんなさい。こ、こんなことに巻き込んで……」

「なんだ? 悲愴な顔して? 何かあったのか?」

「そうだ! 二人だけでも逃げて!」

「逃げる? なんでだ? おい、亀さん! インフィニティエイシャントグレートデストロイアブソリュートジェノサイドタイラントディザスターアルティメットリザード……」

 ミューはそう名を口にすると否定をされないことに満足気に頷き、こう言葉を続けた。

「は倒しておいたぞ」

「おお、そうかそうか! 良くやった」

「ふぇ?」

「どうした? ジュデッカ。鳩が豆鉄砲喰らったような顔して。さっきからなんか変だぞ?」

「ふぇ? ふぇ?」

「しかし、どうやって倒したんじゃ? ミューとやら」

「いや、俺じゃないよ。倒したのはゲイルだよ。な? 何発かぶん殴ったらピクリとも動かなくなっちまった」

 ミューは背中に隠れるように立っていたゲイルにそう話しかけた。が、当のゲイルはとても情けない、といった様子で小さくなってしまっている。

「少し大きかったけど、まあ、これくらいなら僕でも……はぁ……チャクラの流れで弱い所はわかるし」

「チャクラ? 何処かで聞いた覚えが……」

 亀は何かその言葉に聞き覚えのあるような素振りを見せたあと、ゲイルの様子に気づいて何故かと尋ねた。

「どうした? 浮かない顔して」

「いや、こんなの一発で倒せないんじゃ、やっぱり弱すぎるなって」

「だから気にするなって! そもそも比べる対象がおかしいんだから!」

「はぁ……」

 ミューはゲイルの背中をバンバンと叩き励ますが、落ち込んだゲイルは大きなため息を吐いた。

「ダメだな。こうなっちゃうとしばらく立ち直れないか」

「ほ、ほんとに倒したんですか!」

「信じてなかったのか? 言っただろ? こんなの小さな差だって。ま、依頼は片付けたし、帰るか! ほら、行くよ!ゲイル!」

「はぁ……」

「ほら! 挨拶して! じゃあな! ジュデッカ! 亀!」

 そして小屋から二人は出ていってしまったのであった。
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