賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第四十六話 新たな魔導具

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「お、これかな?」

 幾つかある魔石の中で二つだけ他と違う色の魔石が落ちていた。

「そうね。それがホブゴブリンの魔石よ」

「サイズは普通のホブゴブリンの魔石と変わらないんだね。じゃあ、カタリナ、他のは適当に拾っておいてよ」

「かしこまりましたですわ」

 僕はカタリナにお願いすると、カタリナはすかさずゴブリンの魔石を拾っていく。

「そりゃね。魔物の大きさや強さでサイズが変わっちゃったら難儀でしょ? 持ち運んだりするのに」

「そりゃそうか」

 そして僕はしゃがみ込んでホブゴブリンの魔石をひょいと拾った。

「それが、ホブゴブリンの魔石ですか?」

 背後からレオナの声が聞こえる。振り向くとレオナが覗き込むように、僕の手元の魔石を見つめていた。

「あ、レオナ。追いついたんだね? そうみたい」

「じゃあ魔導具を作ってみるんですか?」

「うん。やってみるよ」

 僕はホブゴブリンの魔石を両手で包み、魔力を込めた。カタリナの眼鏡を作った時と同じく、白い光が辺りを包み込む。
 そして光が収まると、僕はゆっくりと手を開いた。

「何も無い……失敗……ですか?」

「いや、これで大丈夫。多分成功してると思うよ? 小さくて見えないだろうけど、作りたかったのはこれだから」

「あ、よく見るとすごい小さな何かがございますわね」

 カタリナが僕の手元に近づいて覗き込みながらそう言った。そう、僕が作った魔導具は米粒サイズなのだ。
 それを一度ポケットにしまい込み、今度はもう一つの魔石でもう一個の魔導具を作る。

「後、一つ。こっちも魔導具を作らないと……」

 手を開くと今度はカタリナの眼鏡と同じようなものが出来ていた。

「今度は眼鏡ですか? ワタクシのものとは少し違うようですが……」

「ま、目的が違うからね。カタリナのとは。これはさっきのとセットで使うんだ」

 と言い、僕はポケットから先程の物を取り出した。

「説明するより見た方が早いかな? はい、レオナ。かけてみて?」

 と、レオナに眼鏡を渡す。

「特に何も変わりはないですが……」

「じゃ、いくよ!」

 と、僕が言った瞬間だった。

「え? 何これ? 目の前が急に変わったわ! わたしが目の前にいる! なんで?」

 レオナは目の前に広がる光景に驚いているようだった。傍から見たら何も変わるようには見えない。

「どうやら成功だったみたいだね」

「一体なにがなんだか……」

ワタクシには何も変わったようには見えないですわ……?」

 混乱する二人に、僕は説明することにした。

「ざっと説明すると、この魔導具で映した物をこっちの魔導具で見るんだ。こっちはカメラ付きのドローンで、そっちはウェアラブルディスプレイってとこだね、レオナ」

「は、はぁ……」

「また神の言語ですわ……」

「だからマスターの前の世界の道具の名前使ってどうすんのよ」

「だって他に説明出来ないんだもん」

 呆れた様子で呟くリアに、僕も口を尖らせて言い返す。

「大丈夫です。ご主人様。とりあえず、わたしたちが理解出来ない事だということだけは理解出来ましたので」

 レオナの言葉にカタリナもコクッ!コクッ! と細かく頷いていた。

「ご主人様。こちらお返し致しますね?」

「うん。ありがとね」

 僕はレオナから眼鏡を受け取って、自分にかける。

「ありがとうございます。で、これは何に使いたかったのですか?」

「女の子のスカートの中でも覗きたかったんじゃないの?」

「い、今はダメです! 今は! さっき下着! 脱いじゃったとこなので! 履いてないんです!」

「リ、リア! なんてことを! ち、違うよ! そんなの目的じゃないから!」

 今じゃなきゃ良いの? とかちょっと思ったけど、もちろんそんなことは言えずに、僕はリアの言葉を否定した。
 ん? さっき脱いだってなんでだ??

「ほ、ほんとですか?」

「う、うん! と、当然だよ! て、偵察とか出来るよ! ほ、ほら!」

 すると僕の片手から魔導具が浮かび上がって、音もなく目の前の洞穴に消えていった。

「これなら洞穴の中もじっくり見れるよ」

 僕は目の前に映る映像を皆に伝える為に口にしていった。

「一旦下っていったあと、今度は奥に行くにつれて登って行くような構造になってるね。その奥で三方向に別れてる……左右が細くなってって行き止まり、真ん中が広い部屋になっているね。左の通路は二体のゴブリンがいて、右は三体。真ん中の部屋には三十はいそう。結構ホブゴブリンも混じってるね。一体だけもうちょっと毛色が違ったゴブリンがいるけど……」

「ゴブリンキングとかじゃない?」

「んー。知らないし、わかんないや」

「あたしが代わりに見れれば分かるけど……代わる?」

「いいよ。分かったところで何も変わらないでしょ」

「確かにそうだけど……どうするのよ?」

 リアの言葉に僕は、眼鏡を外してこう答えた。

「とりあえずお昼にしようか?」

「は、はぁ? マスター、何言ってんの?」

「ご、ご主人様……このタイミングで? ですか?」

「うん。もうちょっと時間かかるだろうしね」

「じ、時間? なんの時間ですの?」

「ゴブリンたちが死ぬまでの時間だよ。ちょうど三又の所に炎を出しといたから一時間くらい経てば、酸欠か蒸し焼きにでもなって死んでるんじゃない? 間接的に殺すにはちょうどいいかと。直接炎に焼かれて死ぬのもいるかもだけどね」

 僕の言葉に三人は押し黙ってしまう。

「マスター鬼ね……」

「少しゴブリンが可哀想に思えてきましたわ……」

「わ、わたしもカタリナちゃんに同意します……」

「という訳でお昼にしようか?」

「は、はい! かしこまりました」

 そうして僕たちはゴブリンが蒸し焼きになっている洞穴の前で、楽しくピクニックをするのであった。
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