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21 ユリウス殿下視点

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「殿下、彼女はどうやって此処に入る事が出来たのでしょうか?」

「そうだね。アリーシア、こっちで調べてみるから心配しないでね。」

(アポロンの奴、上手くやってくれた様だな。)

アリーシアには悪いが、今回の事は俺が仕組んだ。

幼馴染の隣国の王子、アポロンに頼み、今日だけ自国に来てもらっていた。

あの女がまだ何かを企んでいると考えられたから、アリーシアには秘密にして俺、リゼルグ、ゼルドラ、クラリスとアポロンで罠を仕掛けた。

でも、まぁ、今回の事で彼女は学校には居られないだろう。

無闇矢鱈に光魔法を使った事、俺の婚約者と大声で言った事、もう誰も守れないだろう。

明日には彼女の家、ノワール男爵家に話が行くだろう。

何と返事が来るだろうか?

「何を笑ってんだよ?ユリウス。」

「アポロン。助かったよ。あの女を排除出来て、アリーシアとの時間を邪魔されずにすむ。」

俺はアポロンの肩を叩いて礼を言った。

「幼馴染の君の頼みだから聞いただけだ。それにしても、彼女がアリーシア・アグーリアねぇ。」

「譲らないよ。絶対に!」

俺はアポロンを睨み付けた。アリーシアを奪われたく無い。

「これからどうするんだ?」

「どうもしないさ。これでもう彼女は何も出来ない。」

俺はリゼルグに次の手を打ってもらっている。

ノワール男爵家には脱税の疑いがあった。

親子揃って片付けられる。

アリーシアと一緒に邪魔をする奴を排除出来る。

「俺は父上の所に報告書と説明をしに行って来る。」

俺は国王に全てを報告してノワール男爵家に処罰が下された。

ノワール男爵家の爵位を返上させ資産を没収され平民として暮らす様に命が下された。

俺はニヤける顔を隠しながらアリーシアの所に行こうとしたら父上に止められた。

「ユリウスよ、お前のアリーシア嬢に対する態度を少し隠してはくれんか?」

「嫌です、父上。私は彼女が逃したくは無いのです。」

父上は頭を抱えていたが、俺は気にせず部屋を出た。
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