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捕まってしまった 2
しおりを挟む「で、殿下…?何故あなたがここに…?」
「それはこっちのセリフだよ…まさか私が来る前に逃がしちゃうなんて、宰相様は仕事を増やされたいのかな…?」
「え、えぇ…?」
私が困惑していると、殿下は「はぁ」とため息をついた。
「何だかすみません…?」
取り敢えず謝っておいた。
「あー、別に君に謝って欲しいわけじゃないんだけど…まぁいいか、それで?君はあのクマを狩りたいんだね?」
「は、はい」
「僕が狩ってくるよ、待ってて」
「えぇ…!?」
殿下は私の制止の声も聞かずに走って行ってしまった。
(え、何?何が起きてるの…?)
そんなことを考えてる間に蹂躙されるキングベア達、思いのほか岩山の中にいたのか、次々に湧いてくるクマ達を殿下は一撃で倒していた。
(剣に強化魔法、雷魔法を纏わせてるのね…?)
何だかクマ達が可哀想に思えてきた。
スパッスパッと倒されていくクマ達をちょっと哀れに思いながら見ていると、倒し終わったのか殿下が戻ってきた。
あ、血が…。
殿下が返り血で汚れていることに気付いた私は急いで殿下のもとに駆け寄り、返り血の付いた服や御髪に浄化魔法をかけた。
「ありがとうリリー」
そう言って微笑んだ殿下のなんと眩しいことか、私は思わずポーと見惚れた。
けれど、「ふふっ」と笑った殿下を見て我に返り、恥ずかしすぎて俯いた。
そ、そうだキングベア!!キングベアはどうしよう…!?一応この依頼は私が受けてるやつだから何体か倒して爪を納品しなきゃ…!!
「あ、あのキングベアはどうしましょ…?」
「あーあれ?…君にあげる」
(え、マジで…?)
「うん、あげるよ」
え、待ってここに仏がいる、いや天使か、違う神だ。ここに神がいる。
うん、お肉をくれる人に悪い人はいない…!
この人は優しい方だわ…!!
私は目をきらきらさせながら殿下にお礼を言うと、キングベアのもとに駆け寄り、いそいそと血抜きをし、亜空間にしまった。
ただ、私も数体倒さなければいけないので、これから行くことにした。
けど、何故か殿下も着いてくる。
「あの、殿下のお洋服が汚れてしまいます」
「そしたらリリーに綺麗にしてもらうからいいよ」
(なんと…!!ま、まぁ別にいいけど、お肉貰ったし)
特に話すこともなかったので私と殿下は無言で森の中を進む。
ただ一つだけ気になるのが、殿下がずっと私を見てることなのだが…私は気付かないふりをした。
…冷や汗が止まんないぜ。
そうして進んだ先にはまたもや大量のキングベアが…。
(この森キングベアいすぎじゃない?)
私はお得意の炎魔法を発動し、掌の炎を凝縮させてビームを作った。
それをキングベア目掛けてぶっぱなす。
(なんか、殺戮してる気分…なんでだろう?)
いく十本ものビームが飛び交い、クマ達は一瞬のうちに絶命した。
命を奪うことに抵抗感が無いわけじゃない、けれどこの世界に生まれて、魔物が人間を襲う存在だと知って力のある自分が何とかしなければならないと思った。けれどこうして命を屠ることにも慣れ始めてしまった今、自分の方が魔物なのではないか、魔物からしたら自分の方が害悪の殺戮者になっているのではないかと、時々怖くなることがある。
それでも魔力を持たないものも多くいるこの世界じゃ、私のような者が前線に立つ必要があるのだ、だからこれは仕方ない、そう仕方のないことだと自分の感情に蓋をした。
沈んでしまった気持ちを慌てて元に戻すと、キングベアをさっさっと亜空間にしまい、急いで殿下のもとに戻った…のだけど。
殿下は驚いた顔をしたまま固まっていた。
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お読みいただきありがとうございました。
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