転生令嬢は腹黒王子の腕の中

氷雨

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「イヴ、かわいい…」
「もう、さっきからそればっかりね…!!」
「仕方ないよ、僕にも止められない」
「もう…!!」


とまあこんな感じのやり取りを繰り返し、現在私達は森の中を歩いている。


因みに殿下とは手を繋いで歩いている。
本当は私を抱えて歩きたかったそうなのだが、喜んで却下した。
その為の妥協案として、現在私達は手を繋いで歩いていた。


ただ、この森はそんな呑気に歩ることは出来ないので、度々魔物と出くわしては私が氷柱で仕留めたり、殿下が雷をお見舞したりしていた。

けれど、依頼が済んでしまった私は特にやることがないわけで、かといって家に帰ったりして、また追い出されたりしたらかなわないし。

それに、殿下だって執務があるはずだ。
殿下は確か18歳だから、20歳の載冠式までの引き継ぎで忙しい筈なんだけど…こんなとこにいていいのかしら?

と思い、殿下に正直に聞いてみた。

「殿下、仕事はよろしいのですか?」
「エルと呼んで、イヴ」

「……エル…仕事はいいのですか?」
「うん、分身置いてきたから」

(分身…だと…!?)

「今なんて…?」

「ん?分身のこと?」

「そう、それ!!分身って何…!?」

(なにそれ聞いたことないよ…!?)


「イヴは魔法が好きなんだね」

「えぇ、大好き…!!」

「う゛う…!!」

あれ?殿下が胸を抑えて苦しそうにしていらっしゃる。

「だ、大丈夫ですか…?」

「う~ん、大丈夫じゃない」

「えぇ…!?」


(ど、どうしよう…!!何があったのかは分からないけど、取り敢えず回復魔法とかで治るのかな!?)

早く治さなきゃ!と思いエルの胸に手をかざすと、その手をきゅっとエルに握られてしまった。

「え…?」


そのまま私は私をぴっぱると、私は引き寄せられるようにエルの胸にポスンッと、収まった。

ぎゅっと抱きしめられ、ダイレクトにエルの体温が…。

「イヴ、僕にも言ってくれない?」

(ちょ、耳元で囁かないで…!!)

掠れた色気のある声が腰に響き、私はエルの服をぎゅっと握りしめてしまった。

「な、なにを…?」

本当にエルが何がしたいのかさっぱり分からなくて見上げると、とろんと蕩けた目とかち合った。
心なしか目がぎらついている。


(あ、やばい、喰われる…)

そう瞬時に悟った私は、不敬罪とか、放置される側の気持ちとかを全く考えずに逃げたのだった。


(魔法の言葉!!…て、転移…!!!)



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

お読みいただきありがとうございました。

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