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side エゼキエル
しおりを挟む「この魔物って美味しいのかな~?」
「…!?」
木の影に隠れ彼女を観察していると、そんな呟きが聞こえてきた。
(彼女は魔物の肉を食す、のか…?)
彼女の余りにも危険な言動に絶句する。
魔物は本来魔力を蓄えているため食べることは出来ない、とされている。それに、食べれたとしても腹を壊すか何かしらの体調不良に見舞われる筈だ。
(少々、いや結構変わった奴だな…腹は壊さないのだろうか…)
それに、あんな言葉が出るくらいだ、きっと食べたことがあるんだろうと察せられる。
(凄いやつだな…)
少し冷や汗をかきながら、改めて彼女を観察した。
相変わらず茶色い髪を靡かせ、魔物に向かっていく。
広範囲に渡り氷槍を繰り出し、魔物を仕留める。
そして、息絶えて倒れ伏す魔物達を亜空間へとしまい込んでいた。
今回で彼女の観察は3回目になるが、相変わらず鮮やかな戦闘ぶりだった。
暫しその光景に見入っていると、彼女がくるりと後ろを振り返ったので慌てて木の上に飛び乗った。
気付かれたと思い慌てて木の上に飛び乗ったが、どうやら彼女の仕事は終わったようだ。
彼女はいつものように街へと戻って行った。
それをじっと見ていた俺は、小さな息を吐き、彼女の姿を目に焼きつけると、城へと転移した。
◇ ◇ ◇
最近の楽しみと言えば彼女の観察になってしまったが、流石に名前は知っておきたいと思い、今日は街に出て彼女の情報集めをしていた。
母親譲りの目立つプラチナブロンドは魔法で黒髪に変え、父譲りの目立つ青い目も黒へと変えたことで、街にでても流石に自分が王子だとはバレなかった。
ということで、まずは彼女が所属していそうな王都の冒険者ギルドへと向かう。
冒険者ギルドに着くと、入口付近から人で溢れかえり、とてもではないが話しかけられる雰囲気では無かった。
そんなことを考えていると、後ろの方から声をかけられた。
「綺麗なお兄さん、見ない顔だけど新人さん?それとも新規登録?」
と、そんな風に1人の女性が話しかけてきた。
「君は?」
外面用の笑顔を張りつけ、努めて優しい声色で聞いてみれば、彼女の頬はみるみる赤くなった。それでも慌てながらも答えてくれた。
「あ、え、えーと、私は受付嬢のミーナといいます…あの、登録がまだでしたらしていきますか?」
ふむ、冒険者登録か。
あぁ、そうだ、彼女も冒険者だろうし、自分も冒険者登録しておけば、もしかしたら彼女に会えるかもしれない、登録するか。
「ミーナさん、是非とも登録させてください」
「は、はい!」
ぱぁっと輝くような笑顔を見せたミーナさんは、嬉嬉としてギルド内部を案内され、登録に必要な個人情報の記入用紙を渡された。
ざっと目を通すと、名前、職業が必須であり、年齢、魔法属性が任意だった。
取り敢えず偽名としてジークと記入し、職業は魔法剣士と書き込んだ。年齢と魔法属性は任意だった為空欄のままにし、そのまま受付嬢へと手渡した。
「は、はい!これが登録証となります!依頼についてなどの説明をいたしましょうか?」
「お願いします」
一通り説明を聞き、次いでに質問として彼女の事について聞いてみた。
髪の色と、目の色、あとは髪の長さや背丈などを説明すると、ミーナさんは合点がいったようで、
「あ、それってリリーさんの事かも…」と呟きを漏らした。
(リリー…彼女の名前、いや偽名か、取り敢えずだが彼女の名前を知ることが出来たな…)
そのことに少しの安堵と嬉しさを感じた。
(リリー…)
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お読みいただきありがとうございました。
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