16 / 188
第2章 魔族襲撃編
【雇用№015】雇われ勇者 魔族襲来 再び どうにもならない一日
しおりを挟む
ええ~い考えていても仕方ない。
「すいませ~ん。襲われている人のとこに向かいますので、ポーション2本ここに置いておきます。必要な方に使ってあげて下さい。重傷者優先で!!」
と大声で叫んで、なけなしの青ポーション2本を地面に置いていく。
人命は大切だ、これから怪我でなくなりそうな命、魔族に襲われていなくなるかもしれない人。
優先順位なんかは本当はつけたくないけど、宿屋にはお世話になったチルがいる。
目の前の知らない人よりも、これから襲われるであろう知っている親しい人を助けたい。
そんな僕は、勇者なんかにはとてもじゃないけど、なれないと思う。大儀のために、親しい人を犠牲するなんて僕には出来ない。
もし、チルが怪我をしていると思うと、ポーションも本来手元に置いておきたい。置きたいけど、目の前の人も見捨てられない。
どうしようもない葛藤がリュウを苛む。
考える時間も惜しい。前に進もう。
『疾風』
またしても、風のように速くなったリュウは、襲撃されて慌てふためく町を、恐怖の声を上げて逃げ惑う人々の中を駆け抜けて、宿屋へと走っていく。
なにも聞こえない。偽善に走るまいとする心が外部の音を遮断する。考えることは親しい人の安否のみ。
間にあえ、間に合ってくれ。息も切れ切れになりながら走る。
宿屋につくと、チル、おかみさん、どこかのおじさんがデーモン3匹、インプ4匹に囲まれている所だった。
周りに町の警備をしている人らが、応戦はしている。
デーモンの死体が2体、インプの死体が6体あり、善戦しているようだが。
警備の人にも負傷者が3名ほどでている。
どうする?『ヒートショック』で片づけるか?
でも分散して襲ってこられたら、正直、どうにもならなくなる。
一匹は当てることが出来ても、デーモン相手だと貫通性が低いから複数相手じゃ厳しい。
親しい人を守りながら、自分の身をもって戦う?無理だわ。
幸い空中にいるし『フレイムガトリング』で一斉掃射するか?
それも厳しい。火の玉が落ちて、もしあたったらと思うとそんな危険はおかせない。
どうするどうする?敵との距離はまだまだ空いている。こっちに方向転換して襲ってくるまでに時間もある。さっきと一緒で、まずは庇護対象を守ることにしよう。
魔法を放つと、こっちに攻撃してきそうが。。。。。
考えるのは後にしよう。出来ること。やれることを瞬間瞬間で判断して実行していくだけだ!!
『アースシールド』4連発
『ガン、ガン、ガン、ガン』
今度は、スキマを空けて4方向に配置した。隙間なく配置すると、3人まとめて収納が難しいからね。
攻撃しようとしていた、デーモンやインプが一部の爪が土壁にあたるが、突進しているわけではないので、倒れたりはしなかった。攻撃に参加せず上で旋回していたデーモンに僕の存在が見つかった。
『キツキキ―ッ』
僕の方を指さしデーモンの一人が叫んだ。
どうやらあいつが指示役のようだ。
僕の方にインプ2匹とデーモン1匹が飛んでくる。他のやつは警備隊が抑えてくれているようだ。
なんで、僕のとこに3匹も来るんだよ。おかしいだろ。お願いだから一匹ずつにしてよ。
あ~~~も~~想定外だ。やっぱり考えて動けばよかった。
突進してくるから、土壁生成で対応したいけど、3匹じゃ、1体しか嵌められないし。
避けてこられたら、長刀での回避も難しい。
デーモンが一体にインプが2体か。。。。
インプ相手なら、『ヒートショック』で貫通・切断が出来る。2体一遍にいけるかどうかわからないけど、それしかない。
『ヒートショック』向かってくるインプを指さし、熱線を放つ。
インプの一匹目には上手いこと、頭を直撃し、倒すことができた。2匹目は、左方向にいる。その間にデーモンもいるがかまうもんかやってしまえ。2匹目のインプ目がけて指先を切るように動かす。
熱線が移動し、デーモンの足に当たったが、切断することもなく、表面を焦がして、横切っていく。
インプが驚き、回避行動をとろうとした。上に逃げようと、上昇しようとするが、指先をインプの動きに合わせて動かしていく。インプの足と羽を一部切断したとこで、『ヒートショック』の魔法が終わった。
仕留めは出来なかったけど、戦力は削った。まずは上々。後は目の前に飛んできているデーモンをなんとかできれば。。。。
今回も、長刀の払い回しで、デーモンの軌道を変えたかったが、熱線を放った直後のため、動作が遅れた。長刀の先端にデーモンの爪が衝突してきた。
慌てて、熱線を使用していた手を長刀に添える。が、少し遅く長刀が弾き飛ばされて、手の届かない所へ飛んで行ってしまった。
片方の手だけでは、衝撃を受け止めきれなかった。僕自身も衝撃を受けてしまったため、直撃は避けられたが、後ろに倒れてしまった。
デーモンは僕のいた所を通過し、空中に飛び上がっていた。
ピンチだ!!体勢も悪く、魔族に特攻のある長刀まで、なくなってしまった。
どうする?リュウ?
「すいませ~ん。襲われている人のとこに向かいますので、ポーション2本ここに置いておきます。必要な方に使ってあげて下さい。重傷者優先で!!」
と大声で叫んで、なけなしの青ポーション2本を地面に置いていく。
人命は大切だ、これから怪我でなくなりそうな命、魔族に襲われていなくなるかもしれない人。
優先順位なんかは本当はつけたくないけど、宿屋にはお世話になったチルがいる。
目の前の知らない人よりも、これから襲われるであろう知っている親しい人を助けたい。
そんな僕は、勇者なんかにはとてもじゃないけど、なれないと思う。大儀のために、親しい人を犠牲するなんて僕には出来ない。
もし、チルが怪我をしていると思うと、ポーションも本来手元に置いておきたい。置きたいけど、目の前の人も見捨てられない。
どうしようもない葛藤がリュウを苛む。
考える時間も惜しい。前に進もう。
『疾風』
またしても、風のように速くなったリュウは、襲撃されて慌てふためく町を、恐怖の声を上げて逃げ惑う人々の中を駆け抜けて、宿屋へと走っていく。
なにも聞こえない。偽善に走るまいとする心が外部の音を遮断する。考えることは親しい人の安否のみ。
間にあえ、間に合ってくれ。息も切れ切れになりながら走る。
宿屋につくと、チル、おかみさん、どこかのおじさんがデーモン3匹、インプ4匹に囲まれている所だった。
周りに町の警備をしている人らが、応戦はしている。
デーモンの死体が2体、インプの死体が6体あり、善戦しているようだが。
警備の人にも負傷者が3名ほどでている。
どうする?『ヒートショック』で片づけるか?
でも分散して襲ってこられたら、正直、どうにもならなくなる。
一匹は当てることが出来ても、デーモン相手だと貫通性が低いから複数相手じゃ厳しい。
親しい人を守りながら、自分の身をもって戦う?無理だわ。
幸い空中にいるし『フレイムガトリング』で一斉掃射するか?
それも厳しい。火の玉が落ちて、もしあたったらと思うとそんな危険はおかせない。
どうするどうする?敵との距離はまだまだ空いている。こっちに方向転換して襲ってくるまでに時間もある。さっきと一緒で、まずは庇護対象を守ることにしよう。
魔法を放つと、こっちに攻撃してきそうが。。。。。
考えるのは後にしよう。出来ること。やれることを瞬間瞬間で判断して実行していくだけだ!!
『アースシールド』4連発
『ガン、ガン、ガン、ガン』
今度は、スキマを空けて4方向に配置した。隙間なく配置すると、3人まとめて収納が難しいからね。
攻撃しようとしていた、デーモンやインプが一部の爪が土壁にあたるが、突進しているわけではないので、倒れたりはしなかった。攻撃に参加せず上で旋回していたデーモンに僕の存在が見つかった。
『キツキキ―ッ』
僕の方を指さしデーモンの一人が叫んだ。
どうやらあいつが指示役のようだ。
僕の方にインプ2匹とデーモン1匹が飛んでくる。他のやつは警備隊が抑えてくれているようだ。
なんで、僕のとこに3匹も来るんだよ。おかしいだろ。お願いだから一匹ずつにしてよ。
あ~~~も~~想定外だ。やっぱり考えて動けばよかった。
突進してくるから、土壁生成で対応したいけど、3匹じゃ、1体しか嵌められないし。
避けてこられたら、長刀での回避も難しい。
デーモンが一体にインプが2体か。。。。
インプ相手なら、『ヒートショック』で貫通・切断が出来る。2体一遍にいけるかどうかわからないけど、それしかない。
『ヒートショック』向かってくるインプを指さし、熱線を放つ。
インプの一匹目には上手いこと、頭を直撃し、倒すことができた。2匹目は、左方向にいる。その間にデーモンもいるがかまうもんかやってしまえ。2匹目のインプ目がけて指先を切るように動かす。
熱線が移動し、デーモンの足に当たったが、切断することもなく、表面を焦がして、横切っていく。
インプが驚き、回避行動をとろうとした。上に逃げようと、上昇しようとするが、指先をインプの動きに合わせて動かしていく。インプの足と羽を一部切断したとこで、『ヒートショック』の魔法が終わった。
仕留めは出来なかったけど、戦力は削った。まずは上々。後は目の前に飛んできているデーモンをなんとかできれば。。。。
今回も、長刀の払い回しで、デーモンの軌道を変えたかったが、熱線を放った直後のため、動作が遅れた。長刀の先端にデーモンの爪が衝突してきた。
慌てて、熱線を使用していた手を長刀に添える。が、少し遅く長刀が弾き飛ばされて、手の届かない所へ飛んで行ってしまった。
片方の手だけでは、衝撃を受け止めきれなかった。僕自身も衝撃を受けてしまったため、直撃は避けられたが、後ろに倒れてしまった。
デーモンは僕のいた所を通過し、空中に飛び上がっていた。
ピンチだ!!体勢も悪く、魔族に特攻のある長刀まで、なくなってしまった。
どうする?リュウ?
0
あなたにおすすめの小説
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜
ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが……
この世界の文明レベル、低すぎじゃない!?
私はそんなに凄い人じゃないんですけど!
スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる