【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

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第4章 ポーション 緊急納品編

【雇用№042】雇われ勇者 僕とチルの関係性!? その2

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「ふふふっ、魔法の手帳というのはだね。魔法を作ることが出来るしろものなんだ」

「えっ、リュウ兄ちゃんって、魔法を作ることが出来るの?すごい宮廷魔術士様みたい!!」

盛大にチルが驚いてくれて、僕は満足気に胸をそらす。えっへん。

「ふふっ、そうだろ。凄いだろう!!なので、このことはチルと僕の二人だけの秘密だよ。他の人には内緒にしといてね。」

「うん、わかったリュウ兄ちゃんと私の二人だけの秘密だね。。。。」

その二人だけの秘密と言った瞬間、チルの瞳が甘くトロンとした状態になった。

「リュウにぃと二人だけの秘密。。。。へっつへへっ」

うん、この子はこんなので大丈夫なのだろうか。ちょっと心配になってきたよ。僕は。

「チル、おお~い大丈夫かい?」

チルの目の前に手を振って、意識があるか確認してみる。肩を叩いたり、頬っぺたをつねったりはしない。僕は学習したんだ。セクハラまがいのことはなるべく行わない。

「えっ、うん。大丈夫だよ。それで、リュウ兄ちゃんが魔法を作れて凄いのはわかったけど、ポーション作りと何の関係があるの。」

「ま~そうだね。実際に見て、やってみた方が早いか。」

『怪我人を癒す薬となれ。ポーションクリエイト』

皿の上に置いてあった薬草が粉みじんとなり、その粉末が、魔法で作られた水球の中で入れられ、そのまま隣に置いてあるお鍋の中に入っていく。火はつけてないが、水が温められ、薬効が水に溶けだしていく。

「これが僕がこっちに来て作っったオリジナルスペルその名も『ポーションクリエイト』だ。これをチルに使えるかやってみてもらいたいんだ。」

もう一つのポーション作りの材料を2つ分準備してと。
さて、チル僕の後に続いて復唱してみてね。
『怪我人を癒す薬となれ。ポーションクリエイト』
『怪我人を癒す薬となれ。ポーションクリエイト』

チルが少し遅れて、詠唱した。
僕の詠唱した魔法は問題なく、発動した。
チルの方はというと、なぜか魔法が発動しない。なんでだろう?

「リュウ兄ちゃん。ごめんね。私じゃ魔法発動しなかったよ。なんでこの呪文には、女神様への祈りが入ってないの?なんで、リュウ兄ちゃんは使えちゃうの?」

う~~~ん。なんでだろう。僕は関係なかったけど、女神様への祈りで魔法発動ってこの世界では必須なのか?それともユーザーインターフェースで作った魔法は僕だけしか使えない。
使える人のユーザー設定でもあるのかな?うっ、う~~~んわからん。

「ちょっと待ってね。試しに呪文の内容を変えてみるから。」

と空中にあるユーザーインターフェースのキーボードを操作して、今の呪文コードをコピーし、女神フェリシアへの祈りを追加して、修正した。

チルから見るとおかしな光景だった。だってリュウ兄ちゃんが空中でピコピコ嫌らしく指を動かしているのだから。しかも何かにあたって、いるようにも見える。完全に変な人だよ。リュウ兄ちゃん。

「よし、出来た。チル今度はこれでやってみてくれる。
『万物の命を癒したる風よ水よ火よ。女神フェリシアの名の元にわが前に万物を癒す薬となれ。ポーションクリエイト』」

僕の呪文内容を変更した魔法は発動した。
「えっ、リュウ兄ちゃん。早くてわかんなかったよ。もう少し優しくお願いします。」
「あ~ごめん。ごめん。次はゆっくりいくから、後に続いてね」

『万物の命を癒したる風よ水よ火よ。』
『万物の命を癒したる風よ水よ火よ。』
『女神フェリシアの名の元に』
『女神フェリシアの名の元に』
『わが前に万物を癒す薬となれ』
『わが前に万物を癒す薬となれ』
『ポーションクリエイト』
『ポーションクリエイト』

僕のはまた、すぐに発動したが、チルのは少し待ってようやく発動した。
どうも、呪文のコードも問題あったけど、魔力がある程度ないと、魔素の集まりが遅いようだ。

「やった~。リュウ兄ちゃん出来たよ。これで私も一人でポーション作れるのかな。」

「ちょっとまってね。『魔力感知』と、チルの魔力値が15→10に変化してるわ。チルだとこの魔法後一回しか使えないようだね。

これはまたちょっと改良が必要かな。ちょっとだけどマジックポーション飲むのもありかな。ちょびちょび飲みながらなら、ポーション作りに影響はないだろう。」

「そうなのやった~。これでリュウ兄ちゃんのお手伝いがもっと出来るよ」

「チルありがとう、君がいてくれたおかげで色んなことがわかるようになったよ。また、僕の魔法に付き合ってくれるかい。」

と僕はチルに向かって、手を差し出した。

「リュウ兄ちゃんのお願いなら喜んで手伝うよ!!」

チルは差し出した手を取って、二人は握手した。

「よし、ポーション作りがチルに任せていいことも分かったし、僕は他のことに専念できるな。チル今日はもうランニングはいいから、ポーションを作ってくれるかい?

今日含めて4日間で初級ポーション30本と中級ポーションを20本作ってほしいんだ。エルザさんから頼まれててね。できそうかな?」

「ポーションは作れるけど、その数量が出来るかはわかんないよ。今のも私だと2回くらいが限界だし。ポーション飲んでも1日どれくらい出来るかは今日一日やってみないとわかんないよ。」

「それもそうだね。ごめんね。無茶言っちゃって。なら、数量は気にせず、ポーション作りを今日はやってみて、材料はここに持ってくるから。

あっ、この魔法を使っているとこも他の人には内緒だよ。使ってるのバレルと誰から聞いたって話になるから。だから、場所はここか、チルの部屋でやってもらえればいいよ。」

「うん、わかったよ。リュウ兄ちゃん。それなら出来るだけやってみるよ。場所は、私のとこはティタニアちゃんがいるから、ここでやるね。」

「うん、なら頼んだよチル!!マジックポーションはここに1本おいておくから、魔力が少なくなってきたら、一口飲んでやってね。多分それで大丈夫なはずだから。」

よしっ、これで、僕の使った魔法がこの世界の人でも使えることはわかったし、僕しか出来なかったポーション作りもチルが出来そうになったので、解決できそうだ。
は~~肩の荷がちょっと降りて楽になったわ。

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