【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

文字の大きさ
127 / 188
第8章 変わってしまう日常編

【雇用№126】ちっちゃな妖精とパパとママ?

しおりを挟む
「んー」

 と言って僕の手の上でちっちゃな妖精が背伸びをする。朝起きた僕の様だ。

「おはようございます。あなたが私のパパですね。」

「「パパッ!?」」

 僕とチルは、想定もしていない言葉な驚愕し、お互いに顔を見合わる。

「いや、違うよ。僕は君のパパじゃないよ。君は妖精だし、僕は人間だろ?種族がまず違うから僕では絶対にないよ。僕はリュウこのドラゴンズファームのオーナーだ。ちっちゃな妖精さん君の名前を聞かせてもらえるかい?」

「リュウさんが私のパパですよ。間違いありません。私に名前はまだありません。パパとママがつけるものですから、パパ可愛い名前をお願いしますね。」

 ええーーーっ、どういうこと?もしかして、鳥や動物が生まれた時に最初に見たものを、親と認識するスリコギ?間違えた。刷り込みってやつかな?妖精も刷り込みで親を決めるものなのか?

「ちょっ、ちょっとリュウ兄ちゃん。いつの間にあんな可愛い子供作ったの?しかも妖精?まっまさか、ティタニアちゃんとエッ、エッチなことしたの?」

「しっしないよ。チル。ティタニアとそんなことをした覚えはないし、そもそもサイズが違うんだから出来るわけがないだろう」

「さっサイズって………」

  チルが顔を真っ赤にしながら、僕の下半身に目を向ける。

「そっそうだよね。ティタニアちゃんはちっちゃいから無理だよね。って、何言わすのよ。リュウ兄ちゃんのエッチ。」

 と自分からそういう話にしておいて、僕の背中をパチンと叩いてきた。リッ理不尽だ~。

「なら、なんでリュウ兄ちゃんのことをパパって呼ぶのよ?」

「それは多分、動物達が生まれた時に端まて見たものを親と思いこむ、刷り込み、インプリンティングだと思うよ。」

「刷り込み?インプ?ぐ?なんか良く分からないけど、そういうのがあるの?なら、最初に見た女性は私が初めてだから私がママだね。私はチル、あなたのママだよ~」

「チルさんですね。宜しくお願いします。でも、チルさんは私のママではありませんよ。」

「ええーっ、リュウ兄ちゃん。刷り込みって、パパだけなのかな?ママは?私じゃママはダメなの?」

「いや、そんなこと言われでも、良く分からないよ。それにこのちっちゃな妖精さんは、なんでこんなに流暢に人間の言葉が喋れるんだ?なぁ、ちっちゃな妖精さんパパに教えてくれるかな?ママはどこにいるの?」

「妖精は、生まれた時からある程度の言葉喋れますよ。ママですか?ママは、うーん……、あれ?ママがこの近くには、いないです。おかしいですね。チルさんから少しだけママの反応がします?」

「えっじゃあ、やっぱり私がママでいんだよね。やった~」

「いえ、違いますよ。チルさん。チルさんは私のママではありません。でも、なんででしょうか?ママの気がチルさんの気に少し混ざっています。」

「気?ああ、精霊術を、使う時に使う力のことか」

「うん、パパそうです。妖精は、パパとママの気が混ざって産まれるんです。」

「へー、そうなんだ。知らなかったよ。あっ、なら思い当たる節があるな。きっとママはティタニアだな。それ以外は妖精との関わり合いがないから。」

「そうだよね。私たちが知っている妖精はティタニアちゃんだけだよ。なら、リュウ兄ちゃんは、ティタニアちゃんと気が交わって、妖精ちゃんが産まれる様なことをしたってこと?何したの?」

  じっとりとした目でチルが僕を見つめてくる。

「いや、何って回復の術を使ったり、時の巻き戻しの術をつかったり、あとは…………」

「あとは?」

「キスをしたりしました」

「えーっ、リュウ兄ちゃんたら、ティタニアちゃんとキスしたの~。私もまだしてないのに。ティタニアちゃんたら狡いよー。私のこと応援してくれていると思ったのに~。リュウ兄ちゃんの不潔~」

「チル、良く聞いてくれ。キスしたと言っても、ティタニアから、不意をついて軽く一瞬唇と唇が合わさっただけだ。僕は身の潔白を証明する。僕からは断じてしてない。」

  なんで、チルからここまで問い詰められるんだ。かのじょの愛ちゃんならいざ知らず。あっ、これは事故だからね。事故。故意にした訳じゃない。怒らないでくれるといいなー。誤魔化すと絶対に勘付かれるから、何か言われる前にこっちから報告しておかないと。てことは、帰るまでずっと覚えてなぎゃいけないのか。

「ふっふーん。軽く一瞬だけか……。私もしていいかな?」

「だっダメだよ。それしたら、事故じゃなくて故意になるだろ。」

「ぶー、リュウ兄ちゃんケチー」

 チルがほっぺたを膨らませて抗議してくる。だが、これを受け入れる訳にはいかない。受け入れてしまえば、愛ちゃんから問い詰められて、怒られるかと間違いなしである。

「それでパパ、ママはどこにいるんですか?」

「ママ、ティタニアはね~。遠い未来に飛んでいっちゃだんだよ。だから、君は僕が育てるよ。」

   あー、結婚もしてないのに、小さな妖精の娘が出来てしまった。この件も正直に話したら理解してくれるだろうか。もう、信じるさかないな。はー。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが…… この世界の文明レベル、低すぎじゃない!? 私はそんなに凄い人じゃないんですけど! スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

処理中です...