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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№127】ちっちゃな妖精とパパとママ?2
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「ティタニアちゃんがママなら、今いないから、私がママってことでもいいよ。」
「いえ、チルさんはママではありませんよ。少しママの気が混ざってますので、ママというより叔母さんですね。」
「おっ、叔母さん!」
チルがとてつもなくショックな顔をして打ちひしがれている。漫画なら、ここで膝をついて、両腕を地面に、つけて四つん這いに、なってガーンと言う表示が出ていたであろう。
「ちょっと妖精ちゃん。チルはまだ若いから叔母さんはないんじゃないかな。」
「パパ、ならどう呼べばいいですか?私はチルさんで問題ないと思ってるんですよ~」
確かにそれもそうだ。わざわざママと呼ばせる必要もない。とチルの方を見てみると、なぜかキラキラと期待した目でこちらを見てくる。ママと何が何でも呼ばせたいのだろうか?というか、僕は僕で、結婚した訳でもなく、人間的に子供なわけでもないので、パパ呼ばわりは出来ればやめて欲しい所だ。だがしかし、妖精的にパパであることは事実であり、それを拒否するとこの子が可哀想である。甘んじてパパと呼ばれることにしよう。
さて、チルはどうしようか?何を狙っているのかが今一よく分からない。母親になりたい年頃なのであろうか?それとも今後旅をしていく上で、親子とその他の関係になるのが仲間外れにされている様で、嫌なのだろうか?
そういえば、午前中のデートで、ウェルザさんやモニカちゃん達と、家族みたいだと言ってたし、それに家族に強い憧れも持ってたな。ということは、僕と妖精ちゃんと同じレベルの家族になりたいということか?多分そうだろう。うん、きっとそうだ。そうに違いない
「妖精ちゃん。チルはまだまだ若いし、ティタニアママとも気が繋がっているから、チルお姉ちゃんて呼んであげようね。」
「パパ分かりました。チルお姉ちゃん宜しくお願いします。」
「あっお姉ちゃんかー。で、リュウ兄ちゃんがパパか。なら、私もリュウ兄ちゃんのことをパパ呼び?いや、それはなんか遠のいている気がするし、ひとまずお姉ちゃんでよしとしましょう。叔母さんよりかは幾分増しだよ。妖精ちゃん、チルお姉ちゃんだよ。宜しくねー。」
ふーっ、どうやら受け入れてもらえたみたいだ。
「ねぇ、リュウ兄ちゃんそれでこの妖精ちゃんの名前はどうするの?」
「パパ、私の名前お願いします。」
手のひらの上で妖精ちゃんがちょこんとお辞儀してくる。うん、とっても可愛いらしい。可愛らしいが故に問題である。命名のセンスがないとひたすら言われてきた僕である。こんな可愛い子の名前ちゃんとつけれるのだろうか。
うーんとしばらくの間ない知恵を絞って考えた。精霊樹の木の実を食べて僕の中に木が宿っただろ。ティタニアの生まれ変わりのように産まれた妖精……。
「決めた。決めたよ。妖精ちゃん。君の名前はノエルだ。ティタニアの子として生まれた。生誕を意味するノエル。そして、切り株、精霊樹由来にかけて木と関わりあいのある名前であるノエルだ。」
キリストの生誕がノエルという意味らしい。何せ現世の時にちょっぴりwikiで調べたから、うる覚えなんだよね。他にはシルフィやセラフィなんかもありかと思ったんだけど、生誕という意味をどうしても使いたかった。
「パパ素敵な名前をありがとう。私の名前はノエルですね。」
「ノエルちゃん宜しくね。分からないことがあったらチルお姉ちゃんになんでも聞いてね。」
僕たちは、ノエルを肩に乗せて、ウェルザさんやモニカちゃんの待つ地下室に向かった。
「あーっ、リュウさん、チルさん無事でよかったわ。あれだけのデーモンがいたから、気が気でなかったのよ。それでティタニアさんはどこかしら?また、隠れているのかしら?」
「チルお姉ちゃん。なんでティタニアちゃんのスーツ着ているの?」
「ええと、ティタニアは死んではいませんが、もう僕たちが生きている間に会うことはありません。」
「スーツはね。私のスーツが破れちゃったから、ティタニアちゃんが置いていってくれたスーツを私が着ているんだよ。。」
これまでの経緯を話そうとした時、
『カンカンカンカン』
いくつもの足跡が地下への階段を降りてくる
「はーっはーっ奥様、リュウ様方ご無事ですか?この不詳セバリン。妻を救助したため、急いで戻って参りました。」
ブラックのスーツを着たセバリンさんがホワイトのスーツを着た奥さんの手を握って走って来てくれたようだ。後ろにはスーツを着たウリもいる。
うん、とりあえずみんなにはマスクを外してもらおうか。もはや誰が誰だかスーツの色だけでは判断出来ない。
マスクを外してもらい、聞き慣れた声が聞こえ、見慣れた顔が見えてくる。よかった。セバリンさんにも奥さんにもウリにも、あれだけの攻防があったにも関わらず傷一つついていないようだ。
存外にこのスーツの有用性が確認されたといえよう。それだけにどれだけデーモンイーターの攻撃が非常識であったことが伺える。
これまでのデーモン襲撃の経過、デーモンイーターのこと、そして、ティタニアが会えない遠い所に行ってしまったことを事細かに説明していった。
「いえ、チルさんはママではありませんよ。少しママの気が混ざってますので、ママというより叔母さんですね。」
「おっ、叔母さん!」
チルがとてつもなくショックな顔をして打ちひしがれている。漫画なら、ここで膝をついて、両腕を地面に、つけて四つん這いに、なってガーンと言う表示が出ていたであろう。
「ちょっと妖精ちゃん。チルはまだ若いから叔母さんはないんじゃないかな。」
「パパ、ならどう呼べばいいですか?私はチルさんで問題ないと思ってるんですよ~」
確かにそれもそうだ。わざわざママと呼ばせる必要もない。とチルの方を見てみると、なぜかキラキラと期待した目でこちらを見てくる。ママと何が何でも呼ばせたいのだろうか?というか、僕は僕で、結婚した訳でもなく、人間的に子供なわけでもないので、パパ呼ばわりは出来ればやめて欲しい所だ。だがしかし、妖精的にパパであることは事実であり、それを拒否するとこの子が可哀想である。甘んじてパパと呼ばれることにしよう。
さて、チルはどうしようか?何を狙っているのかが今一よく分からない。母親になりたい年頃なのであろうか?それとも今後旅をしていく上で、親子とその他の関係になるのが仲間外れにされている様で、嫌なのだろうか?
そういえば、午前中のデートで、ウェルザさんやモニカちゃん達と、家族みたいだと言ってたし、それに家族に強い憧れも持ってたな。ということは、僕と妖精ちゃんと同じレベルの家族になりたいということか?多分そうだろう。うん、きっとそうだ。そうに違いない
「妖精ちゃん。チルはまだまだ若いし、ティタニアママとも気が繋がっているから、チルお姉ちゃんて呼んであげようね。」
「パパ分かりました。チルお姉ちゃん宜しくお願いします。」
「あっお姉ちゃんかー。で、リュウ兄ちゃんがパパか。なら、私もリュウ兄ちゃんのことをパパ呼び?いや、それはなんか遠のいている気がするし、ひとまずお姉ちゃんでよしとしましょう。叔母さんよりかは幾分増しだよ。妖精ちゃん、チルお姉ちゃんだよ。宜しくねー。」
ふーっ、どうやら受け入れてもらえたみたいだ。
「ねぇ、リュウ兄ちゃんそれでこの妖精ちゃんの名前はどうするの?」
「パパ、私の名前お願いします。」
手のひらの上で妖精ちゃんがちょこんとお辞儀してくる。うん、とっても可愛いらしい。可愛らしいが故に問題である。命名のセンスがないとひたすら言われてきた僕である。こんな可愛い子の名前ちゃんとつけれるのだろうか。
うーんとしばらくの間ない知恵を絞って考えた。精霊樹の木の実を食べて僕の中に木が宿っただろ。ティタニアの生まれ変わりのように産まれた妖精……。
「決めた。決めたよ。妖精ちゃん。君の名前はノエルだ。ティタニアの子として生まれた。生誕を意味するノエル。そして、切り株、精霊樹由来にかけて木と関わりあいのある名前であるノエルだ。」
キリストの生誕がノエルという意味らしい。何せ現世の時にちょっぴりwikiで調べたから、うる覚えなんだよね。他にはシルフィやセラフィなんかもありかと思ったんだけど、生誕という意味をどうしても使いたかった。
「パパ素敵な名前をありがとう。私の名前はノエルですね。」
「ノエルちゃん宜しくね。分からないことがあったらチルお姉ちゃんになんでも聞いてね。」
僕たちは、ノエルを肩に乗せて、ウェルザさんやモニカちゃんの待つ地下室に向かった。
「あーっ、リュウさん、チルさん無事でよかったわ。あれだけのデーモンがいたから、気が気でなかったのよ。それでティタニアさんはどこかしら?また、隠れているのかしら?」
「チルお姉ちゃん。なんでティタニアちゃんのスーツ着ているの?」
「ええと、ティタニアは死んではいませんが、もう僕たちが生きている間に会うことはありません。」
「スーツはね。私のスーツが破れちゃったから、ティタニアちゃんが置いていってくれたスーツを私が着ているんだよ。。」
これまでの経緯を話そうとした時、
『カンカンカンカン』
いくつもの足跡が地下への階段を降りてくる
「はーっはーっ奥様、リュウ様方ご無事ですか?この不詳セバリン。妻を救助したため、急いで戻って参りました。」
ブラックのスーツを着たセバリンさんがホワイトのスーツを着た奥さんの手を握って走って来てくれたようだ。後ろにはスーツを着たウリもいる。
うん、とりあえずみんなにはマスクを外してもらおうか。もはや誰が誰だかスーツの色だけでは判断出来ない。
マスクを外してもらい、聞き慣れた声が聞こえ、見慣れた顔が見えてくる。よかった。セバリンさんにも奥さんにもウリにも、あれだけの攻防があったにも関わらず傷一つついていないようだ。
存外にこのスーツの有用性が確認されたといえよう。それだけにどれだけデーモンイーターの攻撃が非常識であったことが伺える。
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