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本編
下準備
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外を見れば、サリさんが馬車の掃除をしていた。
「そういえば、ラジェと月光さんは一緒じゃなかったんですか?」
「あの二人は、ちと用事があって遅れて戻ってくる。夕方前には帰るであろう」
「そうなんですか……」
爺さんに二人の用事が何かを尋ねようと思ったけど、爺さんのこの感じ……教えてもらうのに時間が掛かりそうだ。ラジェが戻ってきたら何をしていたのか聞けばいいか。今は、とにかく新しいレシピに集中しよう。
厨房にいるエルさんに確認すれば、ウニのパスタを作るのに材料がいくつか足りない。
爺さんに尋ねる。
「ギルド長、パスタ用の食材を調達しに行きたいです」
「ふむ。月光が戻り次第、買い出しに行くといい」
エルさんと買い出しに行くことも提案したけど、それでは護衛が足りないと爺さんに却下される。
爺さんは、今から家で何かの仕事をするという。
そうなると、私は暇だ。
ウニのパスタを作ろうと意気込んでいたのに……なんだか拍子抜けしてしまう。
(そうだ、天草!)
海辺で大量に拾った天草、これはちゃんと干しておかないといけない。
天草の入っている袋から乾燥した白い物と、乾燥が必要なものと分ける。
今日は、ありがたいことに外の天気は良い。
エルさんが追加ウニの世話をする間、水魔法の水を溜めた樽に双方の天草を沈め、ゴミを落とす。すでに乾燥していた天草は、付着していた白い石っぽい物を取り除く。これがあると、ところてんの出来が悪くなるのだ。
一応、全ての天草にクリーンも掛けたが、天草に付いている小さな生物や石はクリーンで落ちなかった。
「あ、干からびた小さなエビが浮いてきた」
「砂も多いですね。これもパスタに使うのですか?」
エルさんが首を傾げながら尋ねる。
きっとこんなに大量の海藻、一体何に使うか不思議に思っているのかもしれない。天草を使って完成した料理でエルさんを驚かせることが今から楽しみだ。
「ううん。これは別のものに使うのだけど……台所がよごれそうだからら外で作業してもいいですか?」
「それなら、裏庭をお使いください」
台所から裏庭へと続く扉を抜けると、裏庭が広がっていた。結構広めの裏は、伸びた木々で近所から中は見えないようになっていた。ここならちょうどいい。
エルさんが運んできてくれた樽の中を覗けば、さらに汚れが浮いてきていた。
これはじっくり洗わないと……。
「それでは何かありましたら、すぐにお声を掛けてください」
「はーい!」
エルさんが台所に向かうのを見送り、誰も見ていないのを確認すると水魔法で大きな水玉を出す。
水玉に乾燥していない天草を全て入れ、優しくウオッシングする。小さな生物もだけど、石とかも出るわ出るわ。四、五回ほど同じ作業をすると天草はずいぶん綺麗になった。
ザルはなかったけど、近くにあった壊れた木材で作られた籠をスーパークリーン、天草を乾燥させる。問題なのは、この地域が温かいことだ。寒天とは『寒さらし心太』が短くなったものが名前の由来だと前世で読んだ。特に粉状にするには、その名の通り、凍るほどの気温に晒さないといけない。
でも、私は何も懸念していない。だってこの世界には魔法がある。ふふ、魔法様様。
ニヤリと口角を上げながら寒天を手に取り、水魔法で水分を抜いてみる。すると、寒天は粉々になり散っていった。
「あ、力入れ過ぎた」
二つ目は慎重に優しく水を抜いてみる。
うん。天草は先ほどよりも白くなって乾燥している。ただ、魔法で完成させる行為がところてんにどんな影響を与えるか分からない。今回は、元々乾燥していた天草、魔法で乾燥させた天草、それから自然に乾燥させた天草の三つでその出来を実験する予定だ。自然乾燥は其れなりに時間が掛かる。一週間くらいでできると思っていたけど、それ以上かかる可能性もある。
毎日観察して、ところてん日記でも書こうかな。
「美味しいところてんができるといいな」
「そういえば、ラジェと月光さんは一緒じゃなかったんですか?」
「あの二人は、ちと用事があって遅れて戻ってくる。夕方前には帰るであろう」
「そうなんですか……」
爺さんに二人の用事が何かを尋ねようと思ったけど、爺さんのこの感じ……教えてもらうのに時間が掛かりそうだ。ラジェが戻ってきたら何をしていたのか聞けばいいか。今は、とにかく新しいレシピに集中しよう。
厨房にいるエルさんに確認すれば、ウニのパスタを作るのに材料がいくつか足りない。
爺さんに尋ねる。
「ギルド長、パスタ用の食材を調達しに行きたいです」
「ふむ。月光が戻り次第、買い出しに行くといい」
エルさんと買い出しに行くことも提案したけど、それでは護衛が足りないと爺さんに却下される。
爺さんは、今から家で何かの仕事をするという。
そうなると、私は暇だ。
ウニのパスタを作ろうと意気込んでいたのに……なんだか拍子抜けしてしまう。
(そうだ、天草!)
海辺で大量に拾った天草、これはちゃんと干しておかないといけない。
天草の入っている袋から乾燥した白い物と、乾燥が必要なものと分ける。
今日は、ありがたいことに外の天気は良い。
エルさんが追加ウニの世話をする間、水魔法の水を溜めた樽に双方の天草を沈め、ゴミを落とす。すでに乾燥していた天草は、付着していた白い石っぽい物を取り除く。これがあると、ところてんの出来が悪くなるのだ。
一応、全ての天草にクリーンも掛けたが、天草に付いている小さな生物や石はクリーンで落ちなかった。
「あ、干からびた小さなエビが浮いてきた」
「砂も多いですね。これもパスタに使うのですか?」
エルさんが首を傾げながら尋ねる。
きっとこんなに大量の海藻、一体何に使うか不思議に思っているのかもしれない。天草を使って完成した料理でエルさんを驚かせることが今から楽しみだ。
「ううん。これは別のものに使うのだけど……台所がよごれそうだからら外で作業してもいいですか?」
「それなら、裏庭をお使いください」
台所から裏庭へと続く扉を抜けると、裏庭が広がっていた。結構広めの裏は、伸びた木々で近所から中は見えないようになっていた。ここならちょうどいい。
エルさんが運んできてくれた樽の中を覗けば、さらに汚れが浮いてきていた。
これはじっくり洗わないと……。
「それでは何かありましたら、すぐにお声を掛けてください」
「はーい!」
エルさんが台所に向かうのを見送り、誰も見ていないのを確認すると水魔法で大きな水玉を出す。
水玉に乾燥していない天草を全て入れ、優しくウオッシングする。小さな生物もだけど、石とかも出るわ出るわ。四、五回ほど同じ作業をすると天草はずいぶん綺麗になった。
ザルはなかったけど、近くにあった壊れた木材で作られた籠をスーパークリーン、天草を乾燥させる。問題なのは、この地域が温かいことだ。寒天とは『寒さらし心太』が短くなったものが名前の由来だと前世で読んだ。特に粉状にするには、その名の通り、凍るほどの気温に晒さないといけない。
でも、私は何も懸念していない。だってこの世界には魔法がある。ふふ、魔法様様。
ニヤリと口角を上げながら寒天を手に取り、水魔法で水分を抜いてみる。すると、寒天は粉々になり散っていった。
「あ、力入れ過ぎた」
二つ目は慎重に優しく水を抜いてみる。
うん。天草は先ほどよりも白くなって乾燥している。ただ、魔法で完成させる行為がところてんにどんな影響を与えるか分からない。今回は、元々乾燥していた天草、魔法で乾燥させた天草、それから自然に乾燥させた天草の三つでその出来を実験する予定だ。自然乾燥は其れなりに時間が掛かる。一週間くらいでできると思っていたけど、それ以上かかる可能性もある。
毎日観察して、ところてん日記でも書こうかな。
「美味しいところてんができるといいな」
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