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第1章 出会い編
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私の名前はラファエル・アルチュール。
この国の第3王子だ。
最近私には悩みがある。
それは魔力がありすぎることだ。
故に常に気を張って制御しておかねばならない。
しかし年々魔力は増える一方で最近ではほとんど眠ることさえできなくなっている。
これでは仕事に支障が出てしまう。
早急に解決しなければと思いつつ解決策がない今はどうしようもない。
今日は、仕事で町に見回りに来ているが寝不足で中々集中出来ない。
仕方ない、今日は早めに帰って休むとしよう、まぁどうせ眠れないんだが……。
そんな事を考えていた時だった。
トサッ
何かがぶつかった。
そこまで強くないが寝不足だった私はほんの一瞬、魔力の制御を止めてしまった。
慌てて制御し直すが一緒に見回りに来ていた騎士達はみな魔力酔いを起こして膝をついてしまった。
「ご、ごめんなさい。」
彼女がぶつかったのだろう。
はっとして顔を上げる。
…………驚いた。
まさに一目惚れだった。
綺麗な澄んだ緑がかった瞳に透き通るような唇。
触れたい……。
そう思って手を伸ばしたが彼女は私の顔を見た途端謝りながら逃げるように行ってしまった。
「あぁ!!……」
追いかけようとしたが後ろから何が倒れる音がしてふりかえった。
そこには連れてきていた騎士が倒れていた。
しまった!!
私としたことが彼女に見とれて魔力の制御ができていなかった!!
すぐさま魔力を抑える。
そこでふと疑問ができた。
彼女は魔力酔いを起こしていない?
いや、そんなはずはない。
あんなに至近距離にいたんだ。なってないはずないのだが…………。
…………彼女にそんな様子はなかった。
まさか、
もしかしたらだが、
彼女もまた魔力量が多いのだろうか……。
魔力量が多いほど魔力酔いはなりにくい。
もし、もしそうだとしたら。
そう考えて喜びに打ち震えた。
私は魔力量が多いため他人に触れられない。
制御していれば近寄ることは可能だが触れることだけは制御していても魔力酔いがおきてしうのだ。
しかし、彼女ならばどうだろう。
もし、彼女に触れることができるのならそれはもう運命だろう。
一目惚れした彼女は触れることができる。
普通のことなんだろうが私にとっては普通なんかじゃない。
奇跡なんだ。
物心着いた時から人に触れることができなかったんだ。
もし、本当に彼女に触れることができるのなら私は一生彼女離さない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあと私は騎士達が回復するのを待ち、急いで城へと帰宅した。
「アグネス!!!アグネスはいるか?」
すぐさま乳兄弟であり騎士のアグネスをよぶ。
「どうしたの?ラファエルがそんなに声を上げるのなんて珍しいね。」
「見つけたかもしれないんだ!!将来共に過ごすかもしれない人を!!」
「何だって!?ラファエル、諦めてたんじゃなかったのかい!?それに君ほどの魔力量に魔力酔いは起こさないのかい?」
「もしかしたら大丈夫なのかもしれないんだ!!」
「本当かい!?それはすごいね。どこの御令嬢だい?」
「…………わからない。」
この国の第3王子だ。
最近私には悩みがある。
それは魔力がありすぎることだ。
故に常に気を張って制御しておかねばならない。
しかし年々魔力は増える一方で最近ではほとんど眠ることさえできなくなっている。
これでは仕事に支障が出てしまう。
早急に解決しなければと思いつつ解決策がない今はどうしようもない。
今日は、仕事で町に見回りに来ているが寝不足で中々集中出来ない。
仕方ない、今日は早めに帰って休むとしよう、まぁどうせ眠れないんだが……。
そんな事を考えていた時だった。
トサッ
何かがぶつかった。
そこまで強くないが寝不足だった私はほんの一瞬、魔力の制御を止めてしまった。
慌てて制御し直すが一緒に見回りに来ていた騎士達はみな魔力酔いを起こして膝をついてしまった。
「ご、ごめんなさい。」
彼女がぶつかったのだろう。
はっとして顔を上げる。
…………驚いた。
まさに一目惚れだった。
綺麗な澄んだ緑がかった瞳に透き通るような唇。
触れたい……。
そう思って手を伸ばしたが彼女は私の顔を見た途端謝りながら逃げるように行ってしまった。
「あぁ!!……」
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しまった!!
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そこでふと疑問ができた。
彼女は魔力酔いを起こしていない?
いや、そんなはずはない。
あんなに至近距離にいたんだ。なってないはずないのだが…………。
…………彼女にそんな様子はなかった。
まさか、
もしかしたらだが、
彼女もまた魔力量が多いのだろうか……。
魔力量が多いほど魔力酔いはなりにくい。
もし、もしそうだとしたら。
そう考えて喜びに打ち震えた。
私は魔力量が多いため他人に触れられない。
制御していれば近寄ることは可能だが触れることだけは制御していても魔力酔いがおきてしうのだ。
しかし、彼女ならばどうだろう。
もし、彼女に触れることができるのならそれはもう運命だろう。
一目惚れした彼女は触れることができる。
普通のことなんだろうが私にとっては普通なんかじゃない。
奇跡なんだ。
物心着いた時から人に触れることができなかったんだ。
もし、本当に彼女に触れることができるのなら私は一生彼女離さない。
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そのあと私は騎士達が回復するのを待ち、急いで城へと帰宅した。
「アグネス!!!アグネスはいるか?」
すぐさま乳兄弟であり騎士のアグネスをよぶ。
「どうしたの?ラファエルがそんなに声を上げるのなんて珍しいね。」
「見つけたかもしれないんだ!!将来共に過ごすかもしれない人を!!」
「何だって!?ラファエル、諦めてたんじゃなかったのかい!?それに君ほどの魔力量に魔力酔いは起こさないのかい?」
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「本当かい!?それはすごいね。どこの御令嬢だい?」
「…………わからない。」
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