ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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9章 レインの治療

113話神様とシリの魔王軍辞退

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レイン達は所々壁側に見えるドアを無視して最上階を目指して走っていた
「はぁはぁはぁはぁ、疲れた~…あっ!なあ儂にちょっと掴まってくれ」
「うん!」
「何をするんだ?」
「しっかり掴まっておけよ!」
サツキは自分に掴まるレインとメイトを確認すると標的移動ロックオンワープを連続で使い階段を一気に登っていった
「ふぅ、やっと最上階だな」
サツキ達は最上階へ出ていく開いている扉が見える程の高さまで登ってきていた
「やっと最上階まで来たな」
メイトはヒュウウゥゥゥゥゥウと吹く風に目を細めながら最上階へ続く開いた扉を見つめている
「早く行くぞ!」
「みゃってー(待ってー)!」
「置いて行くなよ!」
レインとメイトは登っていくサツキの後を追い掛けて行った
そして最上階に出るとそこには吹雪が吹いていてレイン達の先には氷に覆われた少女がいた
「おい!助けに行くぞ!」
「え?でみょ(でも)」
「良いから早く!」
「う、うん!」
レインはサツキの後を追い掛けその氷の前に来た
そしてサツキが氷に触れると吹雪が止み、不気味な沈黙が辺り一帯に広がる
「な、何だ?」
サツキが周りを確認するとピキッと氷にヒビが入った
「お、おかーしゃん!」
レインがサツキの袖を引っ張り氷を指差す
「…何かあったのか?」
「ここ!わりぇてりゅよ(割れてるよ)!」
レインが指を指した所をサツキはジーと見詰めるが特にヒビが入った様子も割れている様子も無かった
「ここでゃよ(ここだよ)!ここ!」
レインが指を指すがやはりサツキには何も見えない
「…あのな、ここには何も無いんだよ、分かったか」
「…ひゃーい(はーい)」
レインはヒビが入っている事を黙る事にした

ビキッバキッ

レインの目の前で氷にヒビが入っていくがサツキ達は気付いていない様子なので黙っていた
軈てパリーンと大きな音を立てて氷が割れると中の少女が倒れた
そしてレインが近寄るとチラッとレインを見てそのままの体制を維持していた
レインが少女の頬を鞘に収まったクサナギでツンツンとつつくと少し笑った
「ぷっ」
「あっ、わりゃってゃ(笑った)!」
「笑ってません」
「しゃべってゃ(喋った)!」
「…はあ」
少女はムクリと起き上がった
「貴方は何なんですか?私の幻も効いてないみたいですし」
「おいレイン、どうしたんだ?」
辺りを警戒していたサツキがレインに聞く
「ここにいりゅおんにゃにょこてょひゃにゃしてりゅにょ(ここにいる女の子と話してるの)」
「…そうか」
サツキはメイトと話しながらレインを指差していたがレインはその事に気にしていない様子で少女と話していた
「それで、貴方は何なんですか?」
「う~ん、ひてょ(人)!」
「もしかして、私の幻は人間の子供にさえ見破られる程弱ってるの?」
「しりゃにゃ~い(知らな~い)」
レインは普通に話しているが少女はガックシと項垂れていた
「あっ、そう言えばまだ自己紹介してなかったね。私は幻覚の神、名前は…特に無いかな~、そうだ!貴方が付けて!私の幻覚効いてない人間初めてだし多分覚えとくよ!」
「う~ん、ゲンちゃん!」
「ん~、何か男の子みたいな名前だけど別にいっか!」
「なあレイン?ゲンちゃんって誰だ?」
「この子~」
レインがゲンを指差すとサツキは口を開けていた
「あ、あのな、レイン、そこにあるのは唯の氷だ、その中に女の子がいるだけだ。女の子がゲンって多分違うと思うぞ?見た目からしてリーナとかそんな名前っぽいぞ?」
「じゃあリーニャ(リーナ)!」
「すぐに変わったね!?…それはそうと何でこんな所に来たの?」
「え~と、てゃしかみゃおうがよみがえってしぇかいをふぉりょぼしょうてょしてりゅんでゃって(たしか魔王が甦って世界を滅ぼそうとしてるんだって)」
「え!?魔王!?それ本当!?」
「え、う、うん、ひょんてょうでゃとおみょうけでょ(本当だと思うけど)」
「…じゃあ君、名前は?」
「リェイン(レイン)!」
「リェイン君ね、じゃあ貴方にこれ渡すから無くさないでね」
「うん」
レインはリーナ(元ゲン)から紫色のオーブを受け取った
「私はもうすぐ消えちゃうかもだから貴方に私のお願い聞いて欲しいんだけど」
「にゃーに(なーに)?」
「私の力をあげるから私と一体化して欲しいの!」
「でょーいういみ(どういう意味)?」
「つまり私と合体するって事」
レインは頭の中で想像しようとしたが特にイメージが沸いて来ず何も考えないまま答えた
「いいよ~」
「ありがと」
リーナは目を瞑り何かを言った後レインの中へ吸い込まれた
「にゃんかふりゃふりゃしゅりゅ(何かフラフラする)」
レインが頭を押さえるとピカッとレインが光った
「!?レイン!?」
サツキが驚いてレインに駆け寄るが一定以上近付けなかった
「レイン?」
サツキは光が治まると恐る恐るレインを見た
レインの髪に青に少し紫掛かった色になっていて瞳も赤だったがその中心に紫色が付いた
「何があったんだレイン!」
「んん~?お兄ちゃん?」
サツキは後ろに置いていたメルが目を覚ますとさっきの出来事を説明した
「…それって、ねえお兄ちゃん、誰かに一体化しようって言われなかった?」
「うん!いわりぇてゃ(言われた)!」
「分かったわ」
レインの身に起こった事を大体察したメルはサツキに伝えた
「つまりレインとその神が一体化したのか?」
「ええ、その筈よ」
レインはサツキを見て首を傾げていた
【君、レイン君って言うんだね】
「しょーみてゃい(そうみたい)」
【私は君の一部になった事で君と話せる訳だけど…君の心の奥底で眠ってる龍って何なの?】
「?りゅう?しりゃにゃい(知らない)」
【まあ良いや、私の力は幻覚を感じさせる事位だから注意してね】
「ひゃーい(はーい)!」
「レイン、その宝玉は?」
「ひょうぎょく(宝玉)?」
レインは自分が持っていたオーブを忘れていた
「リーニャ(リーナ)にもりゃってゃ(貰った)!」
「まあ、1つの目的は達成したし戻ろっか」
サツキの言葉にレイン達はコクリと頷き戻ろうとすると1人の中年男性が道を塞いだ
「今回は逃がさないよ?」
【君!今だよ!ここで相手に幻覚を見せようと想像して魔力を出して!】
「うん」
レインが言われた通りに魔力を出すとレイトはそのまま話していた
【これで大丈夫よ】
「おかーしゃん、でゃいじょーぶでゃかりゃ行こ(お母さん、大丈夫だから行こ)」
レインがレイトの横をサツキの手を引っ張って歩いて行くがレイトは気付いた様子も無く階段へ着いた
「おおお!本当だ!」
サツキ達と同じ様にメイト達もレイトの横を通り過ぎて行った
「皆儂に掴まれよ」
サツキは皆が掴まった事を確認すると地面を睨んでユニークスキル、標的移動ロックオンワープで一気に1階まで降りた
1階には何かに破壊された壁と階段しか無かった
「メル」
「分かってるわよ」
メルは腕輪に魔力を通す
4本の線が出てきた
「じゃあ次はこれ」
メルは右から2番目の線を選んだ










ーー魔王城でーー
魔王城で魔王は椅子に座りある者の帰りを待っていた
「魔王様、只今戻りました」
「殺ったの?シリ君」
「いえ、そうではなく」
「じゃあ何なの?」
わたくしにはレイトさんは殺せません」
魔王は驚いた表情でシリを見ていた
わたくしレイト殿に恋をしてしまったようなのです」
シリが赤面した顔を両手で押さえて言うと魔王は
「アハハハハハハ!面白い冗談だね!死神の君が?人間のあの男に恋をするなんて!」
「え?じょ、冗談ではありません!」
シリが真剣な表情で言うと魔王はからかうのを止めた
「本気かい?」
「…はい」
「それで僕の命令が聞けないと?」
「…はい」
「だったら魔王軍を辞めたら?」
「そうさせていただきます。最後にレイトさんから、お前の首を取りに行く。だそうです」
「あ、言い忘れてたけど今日は会議があったんだよね」
魔王がパチンと指を鳴らすと玉座の後ろから7体の魔王の部下が現れた
「後、8軍団の君の位は別の奴に任せるよ。それに魔王軍じゃ無い奴を僕との約束も無しにここに来てるんだから覚悟は出来てるよね?」
魔王がニヤリと笑うと7体の部下は一斉にシリに襲い掛かった
「こんな者達から逃げるなんて造作もない事です」
「あっ、そう言えば会議でこいつらの能力を上げちゃったんだ~」
魔王が笑いながら言うがシリは額に汗が流れていた
「早い!」
「おらおらおらおらぁ!死ね~!」
シリは取り出した鎌で攻撃を防いでいる
「ですが…」
シリは魔王城の窓を割り外へ逃げ出した
「チッ逃がしちまった」
「別に良いさ。さっ、早速作戦を開始しようか」
魔王がニコニコと言うと部下達は震えて首を動かす事も出来なかった
魔王が部屋を出ると部下達は安堵の息を吐いた
「魔王様物凄く怒ってたな」
「ふっ、また格の違いを見せられたよ」
「まだ…生き…てる」
「初めての命令、達成したかったっす!」
「俺は血が欲しい!」
部下が話し合っている中、魔王は怒りの形相で廊下を進んでいた
「まさかシリが辞めるなんて…くそっ!また色々考えなきゃいけないじゃないか!」
魔王は壁に八つ当たりするとその部分は一瞬で消え去った
「ふぅ、落ち着け~、そうだ!あれ作って貰おう!」
魔王は不敵な笑みを浮かべて廊下を歩いていった
壁は外で飛んでいた蝙蝠こうもりが修復していた
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