やばい彼氏にご注意を

SIVA

文字の大きさ
上 下
312 / 356
7. 最終話 最低で最高の言葉

7-53

しおりを挟む

(R18)

シャワーは出っぱなしのまま……
湯気で視界がぼやけたまま、有栖川はズボンだけをずらす。
俺は立ったまま壁に手をつき少し尻を突き出した状態で、チラリと後ろを盗み見た。
「さっきしたばっかだから、直ぐにほぐれるかな」
そう言いながら指をチュルッと舐め終え、後ろにあてがった。
「ん?」
アリスの声色にビクッと肩が上がった。
「倫太郎?お前さ、もしかして……一人でした?」
もしかしなくても、さっきまで触っていた。
だけど、いえずにだんまりを決め込んだ俺を有栖川は肯定と捉え、身を固くしている俺を起こし顎に手を当てると、自分の方に向けさせてきた。
真っ赤な顔を見て確信したのか「風呂に入ってしてたの?」
顎に置かれていた手が優しく頬を撫でていく。
涙がまた出そうになって潤んだ瞳で見上げる。
俺の表情を見た有栖川は、ハッと息を飲み「うぅわっ。エロすぎ」
言いながらやんわり微笑むと、チュッとわざとらしくリップ音をたて軽く口付けをしてくる。
「ねぇ、誰のことを考えながらしたの?」
甘く優しい声。
俺が好きな場所を意地悪く触る手つきも甘く、それだけで軽くイきかける。
「誰を思ってた?」
軽いキスは続く。甘い囁きも続く。
疼いていた俺のものからまたやらしく液が垂れてくる。
有栖川は俺の手を掴むと、そのまま前を向かされ壁に手を押し当てられた。

シャワーの温度か寝室よりも狭く湿度の高い部屋にいるせいか、じんわり汗ばんでくる。

「一人でしたのに、まだこんなにガチガチにしちゃって」
「っんぁっまっ……だめっ」
握られただけでイッてしまった。
有栖川は手についた白濁を見ながら「え、うそ……ちょ、倫太郎可愛すぎない?」
「もっ、いいから……入れてっっ」
とんでもない事を言っているのは承知している。
今は理性よりも己の欲望を満たしたいと思っている。
すっかり有栖川のものを受け入れようとしている俺は、愚かか?馬鹿か?
「倫太郎……」
切羽詰まったような声にハッとなり振り返った。

「好き♡大好き。愛してる……」
突然降ってくる言葉に俺の思考は完全に停止した。
「ねぇ。倫太郎も言って?」
有栖川は“好き”だの“愛してる”だのよく口にするけど、俺はあんまり言ったことがない。
好きだし、多分……多分、愛してる。だけど、そんな言葉恥ずかしくて言えるわけがない。
有栖川に抱かれてる時だけは素の自分以上の感情が出てきているから、もしかしたらうっかり言ってるかもしれないけど。
「倫太郎の口から聞きたいんだけど?」
ゆっくりと出し入れをしながら囁くように言われ、鼻から漏れる喘ぎ声と共に俺は口にしていた。
「恭平……す、好き……愛してる──」

有栖川の欲が言った瞬間中で吐きだされたのは言うまでもない。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

努力に勝るαなし

BL / 連載中 24h.ポイント:191pt お気に入り:525

言葉に出せません

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:53

ゆうみお

BL / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:96

【R18】変態に好かれました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:134pt お気に入り:1,087

Sub専門風俗店「キャバレー・ヴォルテール」

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:240

AV最前線

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:29

ある日隣の変態と結婚することになりまして

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:204

狂い咲く花、散る木犀

BL / 連載中 24h.ポイント:539pt お気に入り:1,666

俺の番が変態で狂愛過ぎる

BL / 連載中 24h.ポイント:262pt お気に入り:804

いつでも僕の帰る場所

BL / 連載中 24h.ポイント:9,046pt お気に入り:1,034

処理中です...