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決着の時
10-19
しおりを挟むベスを抱き、エリカの後ろを見ながら「どういう意味だ」眉間にしわを寄せながらつぶやいた。
『ライト、レニーがオーエンを捕まえたぞ』
ウォルトの声が耳から聞こえてきた。
「わかった」
「ちょっと」
ベスがライトを見上げている。
肩を持っていたことに気が付いたライトは急いでベスから距離をとった。
「大丈夫か?」ライトはそう言って、自分の首を指さした。
「平気よ。それよりエリカが逃げたわよ」
「だなぁ」
「呑気に言って・・・いいの?」
「目的は、オーエンだ。エリカはそのうちレニーが捕まえるだろ。ダン、エリカは消えた。合流できるか?」
『うん。そっちに向かってる』
「なにするの?」
ベスは耳に手を当てながらライトを見上げた。
「オレたちのすることはもうない。レニーの最後を見届けてずらかるつもり」
「はぁぁ?」
ベスは呆れた顔をしていた。
***
レニーは、オーエンと対峙していた。
「どうして、どうして先輩がこんなこと」
目を見開いてレニーをみるオーエン。
その表情は今までに見たことないくらい狂った顔をしていた。
「まがさしたんだよ。署内に運ばれてくるコカインが悪い」
「そう言えば、数年前に、署内に運ばれたコカインが忽然と無くなったって・・・もしかしてそれ、先輩が?」
「今頃気づいたのか。エリカに言われて盗み出したんだ。それで、この屋敷に隠した。モリスとは、昔からの付き合いもあったから、すぐに状況を飲み込んでくれた」
「あなたが、モリスを巻きこんだの」
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