After of Dragon

木造二階建(2×4)

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エルフ族の村 3

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 族長のエルフが持ってきた盆にはお茶が入り、それぞれに湯呑が配られ、エルフの娘は不思議な祈り方をしたのちに、恭しくそれを口にした。少女はそれを見て、慌てて見様見真似で同じ動作をして、湯呑を口に運んだ。そして少し不思議そうな顔をした。
「ちょっと人間の口には合わないかもね、エルフ族の伝統のお茶だから」
「いえ、そんなことは。でも。不思議な味ですね」
 エルフはいたずらっぽい笑顔に戻った。
「これを飲むと、落ち着く作用があって、エルフは気持ちを落ち着けたいときや、瞑想したり、ものを考えるときに役に立つのよ」
「なるほど、確かに、気持ちが落ち着いて、思いに素直になれる気がします」
「よかった、口に合ってくれて。そこの年寄りは、相変わらずあんまり好きじゃないみたいだけどね」
 エルフの娘は例のいたずらっぽい笑みを浮かべて老師のほうを見やった。少女もつられて老師を見た。
 そこには少ししかめっ面に近い顔をした老師がいた。少女はエルフと顔を合わせ、思わず噴き出した。
「いや、こればっかりはちょっとな」
 老師の苦笑いはむなしくお茶の湯気と一緒に霧散してしまった。

「いえ、すみません。老師にもそんな一面があったなんて知らずに思わず」
 少女はまだ笑いをこらえている様子だった。エルフの少女も一緒に笑っていた。
 しばらくの後、エルフの娘はやや神妙な面持ちで少女に尋ねた。
「そういえば、あなたの今回の試練のきっかけを聞いてなかったわね。良ければ教えてくれるかしら」
「はい、これは身の上話でもあるのですが。私は孤児で、教会に拾われました。教会では様々なことを学ばせていただきました。私はそんな協会に恩返しがしたいと思っていました。そしてそのうち、厄災のことも。厄災を鎮めることができれば、人々は平和に暮らせます。そしてそれが教会の使命です。ですから今回の試練に臨んだわけです」
そうやって少女が言葉を紡ぐ様子を、老師は少し驚いた眼で見ていた。
エルフの娘は湯呑をタンと置いて、
「なるほどね。なかなかいい根性してるわ。あなた」

「エルフさんは、万物には神の御意志が宿っていると考えていらっしゃいます。私たちは、万物は神が作り出したと信じています。でも、大本をたどれば、神に行きつくという点で、我々種族の違いはあれど、同じような部分があると思うんです。」
「なるほどね、あなた、やっぱり面白いわ。気に入ったわ」
 エルフの娘はパンと膝を叩いて立ち上がり、
「それじゃあ、ちょっと面白い場所にいきましょうか」
「面白い場所?」
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