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大希
ほらほらピカちゃんも
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たっぷりとヒロ坊くんと二人きりで水族館を巡り、ペンギンの施設のところに来た時、偶然、全員が揃ってしまいました。しかも時間も三時前です。
しばらくペンギンの姿を皆で楽しんだ後、いよいよ三時になったところで、
「それでは、そろそろ帰りましょうか」
と声を掛けさせていただきました。
「分かった~」
千早はまだ少し名残惜しそうでしたが、それでも駄々をこねるでもなく素直に従ってくれます。前回は若干駆け足だったこともあり心行くまで見られなかったところがしっかり見られたからでしょう。
そうして水族館を後にして、バス停へと移動します。
そこでバスを待っていると、山下さんと絵里奈さんがまた、軽く口付けを交わしたのが見えました。
こういうことに眉を顰める方もいらっしゃるでしょうが、私はむしろその自然さに憧れさえ感じてしまいます。決して淫猥ではなく、ただ親愛の情の表れとしてのそれが心地好くさえ感じられるのです。
『私とヒロ坊くんもああなれたら……』
そう思わずにいられません。
さりとて見惚れている訳にもいかず、バスの時間が来て、絵里奈さんと玲那さんは自分達が乗るバス停へと移動していきました。ちょうどそこにバスが来て、二人が乗り込むのを言届けます。
その後、私達が乗るバスも来て、残った全員で乗り込みました。
するまた、ヒロ坊くんが私の傍に寄り添ってくれます。今回は椅子には座れませんでしたので、千早との間に挟まれる形で立ちます。
千早は、少し疲れたのか、私に抱きつくようにして掴まっていました。
ヒロ坊くんは椅子の手摺りに掴まっていますが、バスが揺れる度に彼の体が触れて、その部分が熱くなるのを感じます。
とは言え、さすがにまた鼻血を出す訳にはいきませんので、平常心を保つように努めました。
その甲斐もあってか、今回は何とか免れたようです。
バスを降り、山下さんと沙奈子さんとは途中で別れ、私達はヒロ坊くんの家へと帰ったのでした。
「ほえ~、楽しかった~♡」
家に上がるなり千早が床に座り込んで声を上げます。
少々はしたないですが、ここはもう、千早にとっても家のようなものです。寛ぐのは当然でしょう。お義父さんもそれを望んでいます。
カナやフミや千早にとっても、一番寛げる場所であることを。
だから私も余計なことは申し上げません。
何よりヒロ坊くんも千早と同じように床に座り込んで、
「ふわ~…」
と声を上げながら寛いでいるのですから。
「ほらほらピカちゃんも座って」
彼が床をトントンと叩き、私に座るように促してくれたのを見て、私は頬が緩むのを感じずにはいられなかったのです。
しばらくペンギンの姿を皆で楽しんだ後、いよいよ三時になったところで、
「それでは、そろそろ帰りましょうか」
と声を掛けさせていただきました。
「分かった~」
千早はまだ少し名残惜しそうでしたが、それでも駄々をこねるでもなく素直に従ってくれます。前回は若干駆け足だったこともあり心行くまで見られなかったところがしっかり見られたからでしょう。
そうして水族館を後にして、バス停へと移動します。
そこでバスを待っていると、山下さんと絵里奈さんがまた、軽く口付けを交わしたのが見えました。
こういうことに眉を顰める方もいらっしゃるでしょうが、私はむしろその自然さに憧れさえ感じてしまいます。決して淫猥ではなく、ただ親愛の情の表れとしてのそれが心地好くさえ感じられるのです。
『私とヒロ坊くんもああなれたら……』
そう思わずにいられません。
さりとて見惚れている訳にもいかず、バスの時間が来て、絵里奈さんと玲那さんは自分達が乗るバス停へと移動していきました。ちょうどそこにバスが来て、二人が乗り込むのを言届けます。
その後、私達が乗るバスも来て、残った全員で乗り込みました。
するまた、ヒロ坊くんが私の傍に寄り添ってくれます。今回は椅子には座れませんでしたので、千早との間に挟まれる形で立ちます。
千早は、少し疲れたのか、私に抱きつくようにして掴まっていました。
ヒロ坊くんは椅子の手摺りに掴まっていますが、バスが揺れる度に彼の体が触れて、その部分が熱くなるのを感じます。
とは言え、さすがにまた鼻血を出す訳にはいきませんので、平常心を保つように努めました。
その甲斐もあってか、今回は何とか免れたようです。
バスを降り、山下さんと沙奈子さんとは途中で別れ、私達はヒロ坊くんの家へと帰ったのでした。
「ほえ~、楽しかった~♡」
家に上がるなり千早が床に座り込んで声を上げます。
少々はしたないですが、ここはもう、千早にとっても家のようなものです。寛ぐのは当然でしょう。お義父さんもそれを望んでいます。
カナやフミや千早にとっても、一番寛げる場所であることを。
だから私も余計なことは申し上げません。
何よりヒロ坊くんも千早と同じように床に座り込んで、
「ふわ~…」
と声を上げながら寛いでいるのですから。
「ほらほらピカちゃんも座って」
彼が床をトントンと叩き、私に座るように促してくれたのを見て、私は頬が緩むのを感じずにはいられなかったのです。
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