何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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それ、なんかヤバいやつじゃないでしょうね?

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休憩室として使ってる小屋で、私はバンクレンチと話をした。

これまでの経緯とかについてね。

「カリンさんが国を追われたって話を聞いた時には、俺も危うくキレそうになりましたよ」

「そっか。ありがとう。でも、それ、誰から聞いたの?」

「ベルトマクタですよ。覚えてますか? ムッフクボルド共和国に入る時にリータさんが接触した間諜です」

「ああ…! いたね、そんな人。確か、リータが<金湯香の種>を上金貨十三枚で巻き上げてたんだっけ」

「ええ、そのベルトマクタです。金湯香のことはあの頃は俺もよく分かってませんでしたけど、それがどういうものか分かって、リータさんの怖さを思い知りました」

「あはは、やっぱり? 彼女は本当に怖い人だったよね。見た目は可憐そうな<少女>なのにさ」

「まったくです。って、それはさて置いて、とにかく俺も、リータさんの繋がりでベルトマクタと仕事をすることがあって、それで連絡を取り合うようになったんです」

「ベルトマクタと仕事……? それ、なんかヤバいやつじゃないでしょうね?」

「心配しなくても、マクタの表の商売ですよ。あいつのところに、うちの畑で採れた、金湯香の種を育てるのに必要な油草を卸してたんです」

「なるほど」

<油草>というのは、それ自体はそんなに特別な値打ちのある作物じゃなかった。人間が食べるというよりは、ある種のネコ(によく似た動物)の餌に混ぜるもので、その油草が混ぜられた餌を食べたネコの糞が、金湯香の種をとる植物の肥料になるというものだった。

それ以外にも、そのネコに近い種類のネコの毛並みをよくするために餌に混ぜるということがよく行われてるんだ。

ちなみにそのネコは、王族や貴族が好んで飼うペットの一種だね。上等なのになると、上金貨二枚とか三枚とかっていう値段で取引されるとか。

私には理解できない世界だよ。

まあそれはいいとして、まさかここでベルトマクタの名前まで聞くことになるとは思わなかった。

だけど、そうやって関わりのできた人間同士が繋がっていろいろな広がりを見せるというのも、人間社会じゃ当たり前のことか。

でも、バンクレンチが続けて話したことで、私はハッとなった。

「マクタは、表向きは真っ当な商売人でしたからね。うちの畑はあまりいい畑じゃなかったんですけど、油草を作るのには逆に適してたんです。で、リータさんが油草の卸先としてベルトマクタを紹介してくれて」

…え……? それって……

「リータと会ったってこと!?」

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