何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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キリンが思春期を迎えた時にも役立ちそうだな

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「悔しいけど、カワイイですね…」

仕事の休みを利用して帰ってきたアルカセリスが、私の胸でおっぱいを飲むキリンを見てそう言った。苦笑いを浮かべながらだけど、祝福してくれてるのは分かった。

彼女ももう、本気でベントから私を奪おうとか思ってるわけじゃないのは感じる。ベントと一緒にいるのが私の幸せなんだって分かってくれてるんだ。

それに加えて、

「……実は、今の現場で一緒に働いてる人に、気になる人がいるんです……」

だって。

その言葉に、私は自分の表情がふわっと柔らかくなるのが分かった。

「そう。それは良かった。今度は上手くいくといいね。私もセリスには幸せになってほしいから」

彼女に対してはむしろ残酷な言い方だったかもしれないけど、私の正直な気持ちだ。

するとアルカセリスも、照れくさそうに頬を染めてまんざらでもなさそうな様子だった。

何だか、娘の恋路を見守る母親の気分って感じかな。

ここまで丁寧に接してきたから、この流れになったんだと思う。彼女を冷たくあしらっていたら、もしかしたら彼女の方も意固地になって私に執着していたかもしれない。

すごく手間も時間もかかったけど、それに見合う結果が得られたのかもね。

自分にとって好ましいそれが得たいなら、相応の手間を掛けるべきなんじゃないかな。自分だけは楽に、でも自分の思い通りの結果を他人に押し付けようとするから拗れるんだって思うよ。

そうしてアルカセリスは、私の家には帰ってこなくなった。

話によると、新しい恋人(女性)と、向こうで家を借りて一緒に暮らし始めたらしい。

そうか。今度は受け入れてもらえたんだ。

と言うか、アルカセリスがその彼女のことを受け止めるようになったんだろうな。

だから相手にも頼ってもらえる。

相手のことを受け止めようとせず、一方的に自分ばかりを受け止めてもらおうとすると、相手にとっては重荷になるんだよね。

アルカセリスとのことで改めて実感したよ。

私が彼女を受け止めるようにしたから彼女にもそれだけの余裕ができてって形で連鎖していくんだと思うんだ。

もちろん、いつだって上手くいくとは限らない。だけどアルカセリスの場合は上手くいってくれた。

この経験が、キリンが思春期を迎えた時にも役立ちそうだな。

そういう意味では、アルカセリスは私にとって<長女>かもしれない。

ちなみにエマは<次女>かな。

キリンは、血縁上では<長女>だけど、経験上では<三女>って感じか。

そんな風に考えたら、あんまり子育てで心配する必要もない気がしてきたな。

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