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土は嘘を吐かないんだよね

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私が送った、樽に植えられた二十日大根。トカマクラさんならそこからたくさんの意味を見付けられると思う。

『堆肥とは何か?』

『堆肥が土に与える影響』

『堆肥が作物に与える影響』

『堆肥と土の配合の比率』

何十年もの間、来る日も来る日も土と向き合ってきた人なら分かる。自分の畑の土とどう違うのかってことが。

ただ口先だけで説き伏せようとしたら、荒唐無稽なことを言ってる私は確かに<山師>にしか見えないと思う。でもさ、土は嘘を吐かないんだよね。

土はさ、自分が持ってる能力以上のことはできないんだよ。トカマクラさんなら、きっと、違いに気が付いてくれる。

私が何を言いたいか、分かってくれると思う。言葉では通じなくても、土を見ればね。



街の住人にウンチの堆肥化と回収の仕事の募集を掛けたけど、役場の時と同じで、反応はあまりよくなかった。

まあ、さすがに意味不明だったかな。

だけど、いい。最初はそれでいい。

実際に動き出せば、何となく分かってくると思う。

取り敢えず、役所の周辺からウンチの堆肥化を進める。

すると、歩道のウンチの堆肥化をしてるところに、

「水注意!」

って声を上げて、上からおまるの中身を捨てる人が。

「何を…っ!!」

私がつき添って作業をしてた人が声を上げようとしたのを、私は、

「今はまだいいです。分からない人には分かりませんから。怒らないで。ここで揉め事を起こせば印象が悪くなります。浸透してくればそのうちおまるの中身をぶちまけることを恥ずかしいと思うようになります。そうすれば自然としなくなります。

私達が今しなければいけないのは、住人同士で揉めることではありません。一刻も早く堆肥化を浸透させて、街を生まれ変わらせることなんです。それからなら、好きなだけ喧嘩してください」

私がそう言うと、怒鳴り声を上げようとした人が、

「あ…はい。そうですね……」

って渋々落ち着いてくれた。

いろいろと不満はあるだろう。だけどさ、不満を持てるのも生きていればこそなんだよ。殺されちゃったら文句も言えない。今はまず、生き延びることを考えてほしいんだ。

ウンチの回収と堆肥化も、まずは役所から始める。役所はさすがに捨てるところは決めててそこに捨ててたんだけど、そこはそれこそこれまで捨てられてきたものが山となって恐ろしい有様だった。

元々は直径及び深さ五メートルほどの穴を掘ってそこに捨ててたそうなのが、今じゃ三メートルくらいのウンチの山になってるんだ。で、その上に捨てるために簡易の塔を建ててある。

で、ガルフフラブラ王国の処分場で大量のウンチを一気に堆肥化することを散々やってきた私が、まとめて堆肥化してやったんだ。

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