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第十一章
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「うん、おいしい! 評判通りのおいしさです」
「喜んでもらえてよかったよ」
「椿くんも食べますか?」
飛鳥がすっとスプーンを向けてくる。これはカップル限定の伝説の奥義、所謂、あーんというやつではないだろうか。
「いや、これはお礼だから飛鳥さんに全部食べて欲しい」
「遠慮しないでください」
「いや、そうじゃなくて――」
飛鳥の好意は嬉しい。本音を言うなら一口食べたい。だが周囲の目が恥ずかしいし、キキョウ作のオムライスの後遺症でまだ胃が痛い。そして何よりそのスプーンを使うということは間接キスになる。それはダメだ。
「ところで飛鳥さん、そろそろ本題に入りたいんだけど」
「あ、椿くん、このカップル限定で注文できるジュースとか頼んでみませんか? ストローでハートを作ってるんですって」
「飛鳥さん、話聞いてる?」
「冗談ですよ。ちゃんと聞いてます。魔術についてと、キキョウさんの事についてでしょう?」
先日の休みから数日が経ったある日の放課後。魔術についての詳しい話を聞かなければならないと思い、こうして飛鳥に時間を割いて貰った。
あと、約束通りパフェを奢るために。
とりあえず本題を切り出そうとしたところで、
「そういえば、こんな所で魔術の話とかしちゃっていいの?」
「それについては問題ありません。魔術で細工をして、私たちの会話は周囲の人には聞こえないようになっていますから」
そんなことまで出来るのか。思わず感心してしまう。
「椿くんは魔術についてキキョウさんにどこまで教えてもらっていますか?」
「式を描いてそこに魔力を込めると発動する、ってぐらいかな……」
「なるほど、やはり軽く触れた程度ですね」
飛鳥はコホンと咳払いをし、教師みたいに話し始めた。
「椿くん、魔術において一番大切な物ってなんだと思いますか?」
「それは……やっぱり魔力とかじゃないの?」
「そうですね。魔力もとっても重要です。魔術師にとっての才能といっていいでしょう。ですが一番ではありません。魔術において最も大切な物、それは――想いです」
「想い?」
「単純に式を描いて魔力を込めただけで魔術は発動しません。式に込められた想い、概念、根源を理解しなければ私達は魔術を行使できないのです」
「そういえばキキョウも同じことを言っていた気がするけど……それって、すごく難しいことなんじゃないの?」
「ええ、難しいです。今でこそ魔術は形態化され、学問として成されていますが体制が整っていなかった頃はほとんど一子相伝のような物で、衰退していく一方でした」
「なるほど、全くわかりません」
難しい言葉を並べられては理解が追いつかない。自慢ではないが学校の成績も飛鳥の足元に及ばない。
「えっとですね、例えば、火を起こす魔術を使うのに昔は全員違う式を使っていたんですよ。でもその式は他の人には使えなくて、やがて誰も火を起こせなくなってしまった。それじゃあ困るから全員で式を統一したんです。そうすることによって魔術を誰でも扱えるようにした。ここまでは大丈夫ですか?」
「な、なんとか」
「でもそうすることで弊害もありました。高度な魔術は式も複雑ですから、統一されるにあたって簡略化され、本来の力を失ってしまったんです」
「なんでそんな必要が?」
「簡単な話ですよ。式の複雑さ、大きさは込められた想いそのものなんです。誰かの想いを理解するのは難しい。それが複雑に絡みあった物ならなおさら。誰でも扱えるようにするにはそうするしかなかったんです。そうして魔術は今日に至るまで作り上げられていきました。中には魔術を人間の枠組みを超えた悪しき力と捉え人間の業でのみ対抗しようとした人たちもいたみたいですけど」
「人間の業で魔術に対抗――そんなこと出来るのかな」
「遥か昔魔術師が歴史の表舞台に立っていた頃には確実に存在していたようです。ですが現代に近づき魔術師の数が減少していくに連れ彼等も衰退していきました。今ではもう忘れられた存在です。――ここまでが魔術に関しての説明ですが続きを聞きますか?」
「うん、キキョウについて教えて欲しいんだ」
「そうですね――ですがその前に、知っておいてもらいたいことがあるんです」
「まだ魔術について何かあるの?」
「魔術ではありません。魔法についてです」
「魔法って……それって魔術の事じゃないの?」
「似て非なる物、とでもいうべきでしょうか。でも全くの別物なんです。椿くんは私とキキョウさんの違いが分かりますか?」
「僕は二人とも美人だと思う」
「ありがとうございます。でもこういうときはお世辞でも目の前の人を褒めた方がいいですよ」
はあ、と一つ飛鳥がため息をつき、
「その件については後でゆっくりお話しするとして――私は魔術師であり、キキョウさんは魔法使いなんです」
「僕からしたら違いが判らないんだけど」
「そのままの意味です。私は魔術を操り、彼女は魔法を行使する。魔法とは、自分の信念や欲望の具現化。自身の深層心理に宿る本質と向き合い、乗り越えた者にだけ扱うことが出来る奇跡の技。そして、私たちは己自身に打ち勝った者達を敬意を込めて、魔法使いと呼ぶんです」
「キキョウも魔法使いの一人――」
つまり、飛鳥の説明通り自分を超えたということ。自分がどんな人間なのかを理解し、受け入れ、それすらも超えたということ。
お前の剣には心がない――
酷く、彼女の存在が遠く感じられる。その在り様が余りに尊い。己自身と向き合う――自分にはそんなこと出来ない。紅蓮院椿は自分がなんなのかさえ解らないでいる。
いや、そもそも魔法という神秘に挑もうということ自体がおこがましい。自分如きがその領域に足を踏み入れることが間違いだ。
例え魔力があったとしても、自分には魔術一つ扱えない。心がない人間に誰かの気持ちを理解するなんて不可能だ。
なんて惨め。なんて愚か。自分はなんて浅ましいのか。
キキョウと共に在りたいと望んだはずなのに、彼女がとても神聖なものに思えて――
(僕には隣にいる資格が――)
「椿くん? 大丈夫ですか?」
飛鳥の声で思考が遮断された。
「あ、うん、大丈夫だよ――」
「顔、真っ青ですよ? 体調が悪いなら今日はもう――」
「大丈夫、気にしないで。最後まで聞かせて欲しい」
危なかった。あのまま続けていたらその重圧に耐えられなかった。動悸が激しい。グラスに入れられた水を一気に飲み干す。渇いた喉が潤う。何時の間に自分はこんなにも喉が渇いていたのだろうか。それほどまでに自分は動揺していたのか。
深呼吸をし、呼吸を整える。飛鳥が心配そうに椿の様子を窺っている。安心させるために笑顔を浮かべた。
「長い前振りになってしまいましたが、次はキキョウさんについてです」
今日の話の本題。相槌を打つ。
「率直に言います、彼女については大部分が不明です」
「不明?」
それはどういう意味か。
「彼女がどこで産まれて、どういった経緯であそこに住んでいたのかは全くわかりません。騎士団が十年前に魔法の発動を感知し調査に向かった時、初めてその存在が確認されたんです。騎士団は彼女を保護しようとしましたが、彼女は頑なにそれを拒み、攻撃を仕掛けてきたと聞いています」
「そうやってずっと……」
キキョウは生きてきたというのか――
「飛鳥さん、一つ疑問があるんだ」
「なんでしょう?」
「どうしてキキョウは狙われ続けるんだろう」
先日飛鳥は言った。キキョウは世界中の魔術師から狙われていると。何故? 一体彼女の何が特別だというのか。
その答えがようやく聞ける。
「――魔眼レシュノルディア。彼女が持つ眼こそがその原因です」
魔眼。キキョウが持つ特別な眼。それはあの紅い右眼の事か。それが原因で彼女は常に危険に晒されているというのか。
「魔術にとって重要な物が想いなら、魔術師にとって重要な物が魔力。覆しようのない絶対的な才能の差。ただし例外があります。それが――」
「キキョウの眼、なのか」
飛鳥が頷く。
「キキョウさんの眼には莫大な魔力が宿っている。それこそ騎士団が最重要危険人物と認定するほどに。魔術師ならば誰もが欲している才能を彼女は持っている。今まで彼女を襲ってきた魔術師は全てその眼が目当てでしょう」
「キキョウはそのことを?」
「ええ、当然知っています」
「そうか……」
ならばここで一つの疑問が生まれる。自分が命を狙われていると知っているのなら――
「なんでキキョウはずっとあそこで暮らしていたんだ」
狙われていると知っているのなら逃げるという手段だってあったはずだ。だがキキョウはそれを選択せず、騎士団の保護を拒み、戦い続けることを選んだ。
何がキキョウをそうまでさせるのか。あの場所に拘り続けた理由はなんなのか。
キキョウの思考が読めない。彼女の目的はなんなのか。
(あそこに何かがあるのか、それとも――)
「誰かを待っていた」
「え?」
「あ、ごめん、ただの独り言」
脳裏に過るは彼女が身に着けていた指輪。キキョウはあれを大切な人に貰ったと言っていた。そして指輪について語るときに見せた穏やかな表情。彼女は指輪をくれた人物を待っていたのかも知れない。
「いずれにせよ、キキョウさんにとってあの地が特別な場所であることは間違いないでしょう。騎士団も廃墟から動かないキキョウさんを見て、こちらから近づかなければ害はないと判断し、次第に監視の目を緩め、彼女にばれないよう生活必需品を支給するだけにしました。――おかげで椿くんの家に上がり込んでいたことに気付くのが遅れましたけど」
飛鳥がジト目で見てくる。引きつった笑みで返すしかない。
「でもキキョウは食事は気合いって言ってたよ?」
「椿くん、気合いでお腹は満たされません」
「ですよね」
「そういう訳でキキョウさんは特別なんです」
「ありがとう。よくわかったよ」
最後の一口を飛鳥が食べ終わり、ナプキンで綺麗に口元を拭う。
「私から話せることはこれぐらいですが、質問とかありますか?」
「いいや、もうないよ」
「それでは、あまり遅くならないうちに帰りましょう」
荷物をまとめて席を立つ。手早く会計を済ませて店の外へ。いつもの別れ道まで一緒に帰った。
「では、私はこれで」
「今日はありがとう。助かったよ」
「これぐらいお安いご用です。ちなみに言っておきますがこのパフェの件と買い物の埋め合わせの件は別ですからね?」
「もちろんわかってるよ」
「それでは、また明日」
手を振って飛鳥を見送る。
一人になって、今日の話を整理する。魔術について、魔法について、そして、キキョウが持つ魔眼と彼女本人について。
自分が足を踏み入れた世界。常識とは乖離したこの世の理。
解ってはいたが、余りにも深く、巨大だ。矮小な存在である自分など容易く呑み込んでしまうほどに。
だが、彼女と共に在りたいと願った気持ちに偽りはない。その信念に揺らぎはない。
夕日が差す。冬が近づき、日が沈むのが早くなってきた。
感傷に浸ったせいだろうか、つい口が滑ってしまう。
「キキョウ、君はどうしてついてきてくれたんだ――」
ぽつりと漏らした声は虚空に空しく消える。
「それは僕も知りたいな、どうやって彼女を誑かしたんだい?」
その問いに答える者がいた。
誰だろうと疑問に思い後ろを振り向く。その存在を視界に映した瞬間理解した。此奴は敵だ。
「あなたは?」
「酷いな、忘れてしまったのかい? でもしょうがないか、人というものは得てして嫌な過去を消してしまいたがるものだからね」
金色の髪が、碧玉の瞳が、声が、仕草が、一挙手一投足その存在の全てがどうしようもなく椿の原始的な本能を刺激する。男に敵意は感じられない。ましてや初対面。なぜこれほどまでに敵対心を剥き出しにしてしまうのか。
「ところで、君はなんで生きているんだい?」
「何故って……」
その問いの真意はなんだ。何故そんな質問をする。男は心底理解できないと言った表情だ。それではまるで、紅蓮院椿は本来死んでいたかのようではないか。
「死者が甦るとは不思議なものだ。魔法でも使ったのかい?」
そう語る男の椿を見る眼は、まるで蟲を見ているかのよう。この男は椿を対等な存在として捉えていない。
「お前はなんなんだ!」
怒気を孕んだ声。らしくもなく、ついそんな声が出てしまった。
男の答えは、
「君こそなんなんだ、僕が十年前に殺したはずなのに」
同時、椿の周囲三百六十度全方位至る所から式が展開される。
「なっ!?」
気付いた時にはもう遅い。全角度から展開された式は椿の逃げ場を全て覆い尽くす絶対の包囲網。
無数の式から魔弾が射出される。身を固める時間もない。魔弾の豪雨は容赦なく椿の身体を撃ち貫く。
「はは、相変わらず君は惨めだな。十年もあって少しも成長していない」
男は笑う。なんの抵抗もできず無様に転がり続ける椿を見て愉快そうに嗤う。それが酷く不愉快で、存在が腹立たしい男の中でその嗤いが一番気にくわない。
(くっ、そ――)
苛つく。どうしようもなく腹が立つ。殺してやりたいほどの憎しみが湧き上がる。
(なんて無力なんだ)
自分に虫唾が走る。なぜ自分は地を這っている。これほどまでに憎たらしい敵を前にして何故何もできない。
せめてこの拳で一撃を。どれだけ思っても体は言うことを聞いてくれない。
魔弾の一つが鳩尾を貫いた。肺から酸素が奪われる。
その一撃が止め。血に塗れた視界を闇が浸食する。
「君はキキョウに相応しくない」
言い残し男は立ち去ろうと後ろを振り向く。
「十年前、彼女が婚姻を結べる年になったら迎えに来ると約束した。そして、今度のクリスマスで彼女は十六歳になる」
男の足が一歩前へ――
「キキョウは僕が貰っていくよ」
その言葉が聞き逃せなかった
「うん?」
椿の腕が男の足を掴んでいた。
体は既に満身創痍。意識は擦り切れかけ、自我はあってないようなもの。
それでも、その言葉にだけは反応できた。
「見苦しいな。せめて潔く散ればその死に意味を見出せたかも知れないのに」
侮蔑を交えた視線、怒りの炎を灯した視線が交錯する。
男が蹴る。腹部を直撃した。何度も何度も容赦なく蹴りは続く。だが、それでもその手を離しはしない。その手を離せばこいつはキキョウを奪っていく。
「離れなさい!!」
怒声。聞きなれた声。飛鳥だ。
異変を感じ取り駆けつけてくれたのだろう。制服姿のままに長剣を握りしめている。
「これはこれは、熾天の騎士様じゃないか。こんな極東の地までご苦労なことだ」
「あなたに喋る権利はありません。私がここに来た意味が解るのなら、今すぐ彼から離れなさい」
確かな殺気を孕んだ飛鳥の警告。だが男はそれを涼しげに受け流し、
「怖いなぁ。でも、そんなに震えていては様にならないよ?」
「ッ!? 何を!!」
「冗談だよ。それとも図星だったかな?」
「ふざけているのならここで斬りますよ?」
「面白い。騎士とやらがどこまで戦えるのか試してみたかったんだ」
張りつめた空気。互いの殺気が空間を支配する。
だが、
「なんてね。闘争は常に全力でなければならない。君が万全の兵装を整えた時殺し合おう」
そう言って、今度こそ本当に男は立ち去って行った。嵐のようにやってきて思うがままに暴れて消える。なんという暴虐の嵐。あんな奴がいたのか。
「椿くん! しっかりしてください」
飛鳥の声が聞こえる。そういえば自分の身体はボロボロだった。
(熱い――)
激痛が全身を苛む中、何故か左眼が酷く熱い。まるで惨めな椿を責めるかのように。
「つ――くん!! ――ばき――!! ――――!!」
声が遠ざかっていく。緊張の糸が切れたのだろう。飛鳥の必死な表情もだんだんぼやけていく。
(ああ――そういえば――)
前にも、こんなことがあった気がする。
「喜んでもらえてよかったよ」
「椿くんも食べますか?」
飛鳥がすっとスプーンを向けてくる。これはカップル限定の伝説の奥義、所謂、あーんというやつではないだろうか。
「いや、これはお礼だから飛鳥さんに全部食べて欲しい」
「遠慮しないでください」
「いや、そうじゃなくて――」
飛鳥の好意は嬉しい。本音を言うなら一口食べたい。だが周囲の目が恥ずかしいし、キキョウ作のオムライスの後遺症でまだ胃が痛い。そして何よりそのスプーンを使うということは間接キスになる。それはダメだ。
「ところで飛鳥さん、そろそろ本題に入りたいんだけど」
「あ、椿くん、このカップル限定で注文できるジュースとか頼んでみませんか? ストローでハートを作ってるんですって」
「飛鳥さん、話聞いてる?」
「冗談ですよ。ちゃんと聞いてます。魔術についてと、キキョウさんの事についてでしょう?」
先日の休みから数日が経ったある日の放課後。魔術についての詳しい話を聞かなければならないと思い、こうして飛鳥に時間を割いて貰った。
あと、約束通りパフェを奢るために。
とりあえず本題を切り出そうとしたところで、
「そういえば、こんな所で魔術の話とかしちゃっていいの?」
「それについては問題ありません。魔術で細工をして、私たちの会話は周囲の人には聞こえないようになっていますから」
そんなことまで出来るのか。思わず感心してしまう。
「椿くんは魔術についてキキョウさんにどこまで教えてもらっていますか?」
「式を描いてそこに魔力を込めると発動する、ってぐらいかな……」
「なるほど、やはり軽く触れた程度ですね」
飛鳥はコホンと咳払いをし、教師みたいに話し始めた。
「椿くん、魔術において一番大切な物ってなんだと思いますか?」
「それは……やっぱり魔力とかじゃないの?」
「そうですね。魔力もとっても重要です。魔術師にとっての才能といっていいでしょう。ですが一番ではありません。魔術において最も大切な物、それは――想いです」
「想い?」
「単純に式を描いて魔力を込めただけで魔術は発動しません。式に込められた想い、概念、根源を理解しなければ私達は魔術を行使できないのです」
「そういえばキキョウも同じことを言っていた気がするけど……それって、すごく難しいことなんじゃないの?」
「ええ、難しいです。今でこそ魔術は形態化され、学問として成されていますが体制が整っていなかった頃はほとんど一子相伝のような物で、衰退していく一方でした」
「なるほど、全くわかりません」
難しい言葉を並べられては理解が追いつかない。自慢ではないが学校の成績も飛鳥の足元に及ばない。
「えっとですね、例えば、火を起こす魔術を使うのに昔は全員違う式を使っていたんですよ。でもその式は他の人には使えなくて、やがて誰も火を起こせなくなってしまった。それじゃあ困るから全員で式を統一したんです。そうすることによって魔術を誰でも扱えるようにした。ここまでは大丈夫ですか?」
「な、なんとか」
「でもそうすることで弊害もありました。高度な魔術は式も複雑ですから、統一されるにあたって簡略化され、本来の力を失ってしまったんです」
「なんでそんな必要が?」
「簡単な話ですよ。式の複雑さ、大きさは込められた想いそのものなんです。誰かの想いを理解するのは難しい。それが複雑に絡みあった物ならなおさら。誰でも扱えるようにするにはそうするしかなかったんです。そうして魔術は今日に至るまで作り上げられていきました。中には魔術を人間の枠組みを超えた悪しき力と捉え人間の業でのみ対抗しようとした人たちもいたみたいですけど」
「人間の業で魔術に対抗――そんなこと出来るのかな」
「遥か昔魔術師が歴史の表舞台に立っていた頃には確実に存在していたようです。ですが現代に近づき魔術師の数が減少していくに連れ彼等も衰退していきました。今ではもう忘れられた存在です。――ここまでが魔術に関しての説明ですが続きを聞きますか?」
「うん、キキョウについて教えて欲しいんだ」
「そうですね――ですがその前に、知っておいてもらいたいことがあるんです」
「まだ魔術について何かあるの?」
「魔術ではありません。魔法についてです」
「魔法って……それって魔術の事じゃないの?」
「似て非なる物、とでもいうべきでしょうか。でも全くの別物なんです。椿くんは私とキキョウさんの違いが分かりますか?」
「僕は二人とも美人だと思う」
「ありがとうございます。でもこういうときはお世辞でも目の前の人を褒めた方がいいですよ」
はあ、と一つ飛鳥がため息をつき、
「その件については後でゆっくりお話しするとして――私は魔術師であり、キキョウさんは魔法使いなんです」
「僕からしたら違いが判らないんだけど」
「そのままの意味です。私は魔術を操り、彼女は魔法を行使する。魔法とは、自分の信念や欲望の具現化。自身の深層心理に宿る本質と向き合い、乗り越えた者にだけ扱うことが出来る奇跡の技。そして、私たちは己自身に打ち勝った者達を敬意を込めて、魔法使いと呼ぶんです」
「キキョウも魔法使いの一人――」
つまり、飛鳥の説明通り自分を超えたということ。自分がどんな人間なのかを理解し、受け入れ、それすらも超えたということ。
お前の剣には心がない――
酷く、彼女の存在が遠く感じられる。その在り様が余りに尊い。己自身と向き合う――自分にはそんなこと出来ない。紅蓮院椿は自分がなんなのかさえ解らないでいる。
いや、そもそも魔法という神秘に挑もうということ自体がおこがましい。自分如きがその領域に足を踏み入れることが間違いだ。
例え魔力があったとしても、自分には魔術一つ扱えない。心がない人間に誰かの気持ちを理解するなんて不可能だ。
なんて惨め。なんて愚か。自分はなんて浅ましいのか。
キキョウと共に在りたいと望んだはずなのに、彼女がとても神聖なものに思えて――
(僕には隣にいる資格が――)
「椿くん? 大丈夫ですか?」
飛鳥の声で思考が遮断された。
「あ、うん、大丈夫だよ――」
「顔、真っ青ですよ? 体調が悪いなら今日はもう――」
「大丈夫、気にしないで。最後まで聞かせて欲しい」
危なかった。あのまま続けていたらその重圧に耐えられなかった。動悸が激しい。グラスに入れられた水を一気に飲み干す。渇いた喉が潤う。何時の間に自分はこんなにも喉が渇いていたのだろうか。それほどまでに自分は動揺していたのか。
深呼吸をし、呼吸を整える。飛鳥が心配そうに椿の様子を窺っている。安心させるために笑顔を浮かべた。
「長い前振りになってしまいましたが、次はキキョウさんについてです」
今日の話の本題。相槌を打つ。
「率直に言います、彼女については大部分が不明です」
「不明?」
それはどういう意味か。
「彼女がどこで産まれて、どういった経緯であそこに住んでいたのかは全くわかりません。騎士団が十年前に魔法の発動を感知し調査に向かった時、初めてその存在が確認されたんです。騎士団は彼女を保護しようとしましたが、彼女は頑なにそれを拒み、攻撃を仕掛けてきたと聞いています」
「そうやってずっと……」
キキョウは生きてきたというのか――
「飛鳥さん、一つ疑問があるんだ」
「なんでしょう?」
「どうしてキキョウは狙われ続けるんだろう」
先日飛鳥は言った。キキョウは世界中の魔術師から狙われていると。何故? 一体彼女の何が特別だというのか。
その答えがようやく聞ける。
「――魔眼レシュノルディア。彼女が持つ眼こそがその原因です」
魔眼。キキョウが持つ特別な眼。それはあの紅い右眼の事か。それが原因で彼女は常に危険に晒されているというのか。
「魔術にとって重要な物が想いなら、魔術師にとって重要な物が魔力。覆しようのない絶対的な才能の差。ただし例外があります。それが――」
「キキョウの眼、なのか」
飛鳥が頷く。
「キキョウさんの眼には莫大な魔力が宿っている。それこそ騎士団が最重要危険人物と認定するほどに。魔術師ならば誰もが欲している才能を彼女は持っている。今まで彼女を襲ってきた魔術師は全てその眼が目当てでしょう」
「キキョウはそのことを?」
「ええ、当然知っています」
「そうか……」
ならばここで一つの疑問が生まれる。自分が命を狙われていると知っているのなら――
「なんでキキョウはずっとあそこで暮らしていたんだ」
狙われていると知っているのなら逃げるという手段だってあったはずだ。だがキキョウはそれを選択せず、騎士団の保護を拒み、戦い続けることを選んだ。
何がキキョウをそうまでさせるのか。あの場所に拘り続けた理由はなんなのか。
キキョウの思考が読めない。彼女の目的はなんなのか。
(あそこに何かがあるのか、それとも――)
「誰かを待っていた」
「え?」
「あ、ごめん、ただの独り言」
脳裏に過るは彼女が身に着けていた指輪。キキョウはあれを大切な人に貰ったと言っていた。そして指輪について語るときに見せた穏やかな表情。彼女は指輪をくれた人物を待っていたのかも知れない。
「いずれにせよ、キキョウさんにとってあの地が特別な場所であることは間違いないでしょう。騎士団も廃墟から動かないキキョウさんを見て、こちらから近づかなければ害はないと判断し、次第に監視の目を緩め、彼女にばれないよう生活必需品を支給するだけにしました。――おかげで椿くんの家に上がり込んでいたことに気付くのが遅れましたけど」
飛鳥がジト目で見てくる。引きつった笑みで返すしかない。
「でもキキョウは食事は気合いって言ってたよ?」
「椿くん、気合いでお腹は満たされません」
「ですよね」
「そういう訳でキキョウさんは特別なんです」
「ありがとう。よくわかったよ」
最後の一口を飛鳥が食べ終わり、ナプキンで綺麗に口元を拭う。
「私から話せることはこれぐらいですが、質問とかありますか?」
「いいや、もうないよ」
「それでは、あまり遅くならないうちに帰りましょう」
荷物をまとめて席を立つ。手早く会計を済ませて店の外へ。いつもの別れ道まで一緒に帰った。
「では、私はこれで」
「今日はありがとう。助かったよ」
「これぐらいお安いご用です。ちなみに言っておきますがこのパフェの件と買い物の埋め合わせの件は別ですからね?」
「もちろんわかってるよ」
「それでは、また明日」
手を振って飛鳥を見送る。
一人になって、今日の話を整理する。魔術について、魔法について、そして、キキョウが持つ魔眼と彼女本人について。
自分が足を踏み入れた世界。常識とは乖離したこの世の理。
解ってはいたが、余りにも深く、巨大だ。矮小な存在である自分など容易く呑み込んでしまうほどに。
だが、彼女と共に在りたいと願った気持ちに偽りはない。その信念に揺らぎはない。
夕日が差す。冬が近づき、日が沈むのが早くなってきた。
感傷に浸ったせいだろうか、つい口が滑ってしまう。
「キキョウ、君はどうしてついてきてくれたんだ――」
ぽつりと漏らした声は虚空に空しく消える。
「それは僕も知りたいな、どうやって彼女を誑かしたんだい?」
その問いに答える者がいた。
誰だろうと疑問に思い後ろを振り向く。その存在を視界に映した瞬間理解した。此奴は敵だ。
「あなたは?」
「酷いな、忘れてしまったのかい? でもしょうがないか、人というものは得てして嫌な過去を消してしまいたがるものだからね」
金色の髪が、碧玉の瞳が、声が、仕草が、一挙手一投足その存在の全てがどうしようもなく椿の原始的な本能を刺激する。男に敵意は感じられない。ましてや初対面。なぜこれほどまでに敵対心を剥き出しにしてしまうのか。
「ところで、君はなんで生きているんだい?」
「何故って……」
その問いの真意はなんだ。何故そんな質問をする。男は心底理解できないと言った表情だ。それではまるで、紅蓮院椿は本来死んでいたかのようではないか。
「死者が甦るとは不思議なものだ。魔法でも使ったのかい?」
そう語る男の椿を見る眼は、まるで蟲を見ているかのよう。この男は椿を対等な存在として捉えていない。
「お前はなんなんだ!」
怒気を孕んだ声。らしくもなく、ついそんな声が出てしまった。
男の答えは、
「君こそなんなんだ、僕が十年前に殺したはずなのに」
同時、椿の周囲三百六十度全方位至る所から式が展開される。
「なっ!?」
気付いた時にはもう遅い。全角度から展開された式は椿の逃げ場を全て覆い尽くす絶対の包囲網。
無数の式から魔弾が射出される。身を固める時間もない。魔弾の豪雨は容赦なく椿の身体を撃ち貫く。
「はは、相変わらず君は惨めだな。十年もあって少しも成長していない」
男は笑う。なんの抵抗もできず無様に転がり続ける椿を見て愉快そうに嗤う。それが酷く不愉快で、存在が腹立たしい男の中でその嗤いが一番気にくわない。
(くっ、そ――)
苛つく。どうしようもなく腹が立つ。殺してやりたいほどの憎しみが湧き上がる。
(なんて無力なんだ)
自分に虫唾が走る。なぜ自分は地を這っている。これほどまでに憎たらしい敵を前にして何故何もできない。
せめてこの拳で一撃を。どれだけ思っても体は言うことを聞いてくれない。
魔弾の一つが鳩尾を貫いた。肺から酸素が奪われる。
その一撃が止め。血に塗れた視界を闇が浸食する。
「君はキキョウに相応しくない」
言い残し男は立ち去ろうと後ろを振り向く。
「十年前、彼女が婚姻を結べる年になったら迎えに来ると約束した。そして、今度のクリスマスで彼女は十六歳になる」
男の足が一歩前へ――
「キキョウは僕が貰っていくよ」
その言葉が聞き逃せなかった
「うん?」
椿の腕が男の足を掴んでいた。
体は既に満身創痍。意識は擦り切れかけ、自我はあってないようなもの。
それでも、その言葉にだけは反応できた。
「見苦しいな。せめて潔く散ればその死に意味を見出せたかも知れないのに」
侮蔑を交えた視線、怒りの炎を灯した視線が交錯する。
男が蹴る。腹部を直撃した。何度も何度も容赦なく蹴りは続く。だが、それでもその手を離しはしない。その手を離せばこいつはキキョウを奪っていく。
「離れなさい!!」
怒声。聞きなれた声。飛鳥だ。
異変を感じ取り駆けつけてくれたのだろう。制服姿のままに長剣を握りしめている。
「これはこれは、熾天の騎士様じゃないか。こんな極東の地までご苦労なことだ」
「あなたに喋る権利はありません。私がここに来た意味が解るのなら、今すぐ彼から離れなさい」
確かな殺気を孕んだ飛鳥の警告。だが男はそれを涼しげに受け流し、
「怖いなぁ。でも、そんなに震えていては様にならないよ?」
「ッ!? 何を!!」
「冗談だよ。それとも図星だったかな?」
「ふざけているのならここで斬りますよ?」
「面白い。騎士とやらがどこまで戦えるのか試してみたかったんだ」
張りつめた空気。互いの殺気が空間を支配する。
だが、
「なんてね。闘争は常に全力でなければならない。君が万全の兵装を整えた時殺し合おう」
そう言って、今度こそ本当に男は立ち去って行った。嵐のようにやってきて思うがままに暴れて消える。なんという暴虐の嵐。あんな奴がいたのか。
「椿くん! しっかりしてください」
飛鳥の声が聞こえる。そういえば自分の身体はボロボロだった。
(熱い――)
激痛が全身を苛む中、何故か左眼が酷く熱い。まるで惨めな椿を責めるかのように。
「つ――くん!! ――ばき――!! ――――!!」
声が遠ざかっていく。緊張の糸が切れたのだろう。飛鳥の必死な表情もだんだんぼやけていく。
(ああ――そういえば――)
前にも、こんなことがあった気がする。
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戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
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許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
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こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
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「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
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神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
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