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番外編 騎士団長の見解
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ピズマはロゴス国第1騎士団の騎士団長だ。
先の戦争にも参加しており、騎士団の中でも年嵩で周りには頑固親父のように思われている。
実際に新人の騎士など年齢的に自身の子供と言って差し支えないくらいには歳が離れているため、生活態度から素行まで、事細かに注意する姿は親のようなものだろう。
新人騎士として入団してから今日まで、騎士団一筋に過ごしてきた中でピズマにとって印象深い人物というのは何人かいる。
その中の一人、ルーカス・ディカイオ現公爵は最近一番の悩みの種だった。
ルーカスは以前のディカイオ公爵の次男だ。
長男のニコラオスが近衛騎士団に所属していた関係で第1に入団したであろうルーカスは、一言で言ってしまえば剣術の天才だった。
そのことについて本人たちはどう思っていたのか。
ピズマから見て、ニコラオスは努力の秀才でルーカスは天賦の才を持つ天才。
しかしルーカスの立場がそうさせたのか、彼はその才能を存分に生かそうとはしていなかった。
そして運命の気まぐれが起こる。
ニコラオスの死によってルーカスはその才能を隠していることができなくなったのだ。
その一番の理由はニキアス皇太子に目をつけられたことだろう。
そもそもディカイオ家はロゴス国の軍部を束ねる立場。
つまり今のルーカスは近衛騎士団、第1、第2騎士団をその支配下に置く。
しかし今までのルーカスしか知らない者の中には彼を軽んじる者も多く、なかなか指示が末端まで行き渡らない状況が続いていた。
そのことを憂いたニキアスに、現在ピズマは呼び出されている。
「ルーカス公の実力を疑問視している者たちがいると聞いているが?」
ニキアスの言葉にピズマは苦虫を噛みつぶしたような顔をした。
「統率が取れておらず申し訳ございません」
「よい。おそらくルーカス公に原因があるのであろう?」
全くもってその通りであったが、同意するのも憚られてピズマは無言を貫く。
「騎士団は力が上下関係を決める側面があると承知している。おそらくルーカス公がその実力を示せばうるさく騒ぐ者たちも鎮まるだろうが…本人にその気があまりないからな…」
接した時間に関してはピズマに比べてニキアスの方が断然短いが、その洞察力でもってニキアスはルーカスを正しく理解していた。
そしてニキアスの憂いはこのところのピズマの悩みと同じだ。
さてどうしたものか。
顎に手を当て考え込んでいると、どこかしら悪巧みをしているような顔のニキアスが口を開いた。
「ということで、今のこの状況を打破するためにも、今度行われる王家主催の剣術大会にルーカス公にも参加してもらおうと思う」
「剣術大会ですか?」
「そうだ。今までルーカス公は大会と名のつくものには一切出なかっただろう?だから尚のことその実力が疑問視されている」
「それはたしかにそうですが、ルーカス公が参加するでしょうか?」
最もなピズマの疑問に、今度は確実に悪い顔をしながらニキアスが答えた。
「参加するかどうかではなく、参加させるんだ」
「何か方法が?」
ピズマの問いにニキアスは任しておくようにと請け負うと言葉を続けた。
「そのかわりピズマ卿にはルーカス公に反感を抱いている者たちを大会に出場させて欲しい。ルーカス公の出身が第1だったせいか反発している者も第1の者が多いと聞いている」
「…承知いたしました」
一体どうやってルーカスを大会に引っ張り出すつもりなのか。
疑問に思ったが、賢明にもピズマはニキアスにそのことを問うことなく皇太子の間を辞した。
先の戦争にも参加しており、騎士団の中でも年嵩で周りには頑固親父のように思われている。
実際に新人の騎士など年齢的に自身の子供と言って差し支えないくらいには歳が離れているため、生活態度から素行まで、事細かに注意する姿は親のようなものだろう。
新人騎士として入団してから今日まで、騎士団一筋に過ごしてきた中でピズマにとって印象深い人物というのは何人かいる。
その中の一人、ルーカス・ディカイオ現公爵は最近一番の悩みの種だった。
ルーカスは以前のディカイオ公爵の次男だ。
長男のニコラオスが近衛騎士団に所属していた関係で第1に入団したであろうルーカスは、一言で言ってしまえば剣術の天才だった。
そのことについて本人たちはどう思っていたのか。
ピズマから見て、ニコラオスは努力の秀才でルーカスは天賦の才を持つ天才。
しかしルーカスの立場がそうさせたのか、彼はその才能を存分に生かそうとはしていなかった。
そして運命の気まぐれが起こる。
ニコラオスの死によってルーカスはその才能を隠していることができなくなったのだ。
その一番の理由はニキアス皇太子に目をつけられたことだろう。
そもそもディカイオ家はロゴス国の軍部を束ねる立場。
つまり今のルーカスは近衛騎士団、第1、第2騎士団をその支配下に置く。
しかし今までのルーカスしか知らない者の中には彼を軽んじる者も多く、なかなか指示が末端まで行き渡らない状況が続いていた。
そのことを憂いたニキアスに、現在ピズマは呼び出されている。
「ルーカス公の実力を疑問視している者たちがいると聞いているが?」
ニキアスの言葉にピズマは苦虫を噛みつぶしたような顔をした。
「統率が取れておらず申し訳ございません」
「よい。おそらくルーカス公に原因があるのであろう?」
全くもってその通りであったが、同意するのも憚られてピズマは無言を貫く。
「騎士団は力が上下関係を決める側面があると承知している。おそらくルーカス公がその実力を示せばうるさく騒ぐ者たちも鎮まるだろうが…本人にその気があまりないからな…」
接した時間に関してはピズマに比べてニキアスの方が断然短いが、その洞察力でもってニキアスはルーカスを正しく理解していた。
そしてニキアスの憂いはこのところのピズマの悩みと同じだ。
さてどうしたものか。
顎に手を当て考え込んでいると、どこかしら悪巧みをしているような顔のニキアスが口を開いた。
「ということで、今のこの状況を打破するためにも、今度行われる王家主催の剣術大会にルーカス公にも参加してもらおうと思う」
「剣術大会ですか?」
「そうだ。今までルーカス公は大会と名のつくものには一切出なかっただろう?だから尚のことその実力が疑問視されている」
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