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【 2章 】
12話 〔23〕
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「いまの検証で地上にあったAとBは同じと証明されたから、今度はAとCを比較するわね」
「えっと、Cは由那が持ってたやつだ」
「うん……。そうだよ」
私は装置の電源を一度オフにし、Bを外してCの原子時計と入れ替えた。
続いて電源を再度、オンにする。これまでどおり正常にデジタルが点灯し数値がめまぐるしく変動している。
さあ、今日の実験成果を試すこの時は、準備万端整った――。
「みんな、よく見てるのよ?」
答えがでるのは一瞬だ。せっかくなので溜めるだけ溜めてみる。
「いつもおおげさなんだから」
「未那ちゃん! あんまりじらさないでくださいよー!」
ホールド機能の黄色いボタンを押さえる指が、うっすらと汗ばんで震える。緊張の瞬間――。
全員の目が、赤いデジタル表示へと釘付けになる。
「えいっ!」
気合をいれてボタンを押したら、何故かおかしな声が出てしまった。
デジタル表示にガッチリ固定されたふたつの数値は……。
「ねぇ、シュウ君! これは!?」
よくみると、CはAより最後のひと桁の値が『1』大きい。
「つまり、CはAより僅かに時間が進んでいる」
「この場合……。わたしが持っていたCのほうが、重力の影響で速く進んだ結果になってて……」
「この短時間の実験だったけど、およそ三百十七億年で一秒速くなる計算だ」
シュウは瞬時に時間計算を終わらせていた。
「一般相対性理論が、ちゃんと証明されたわね」
「そうなんですか!? でも、それはそれでよかったような気がします」
「そうね、学界にとんでもない波乱を巻き起こすとこだったわ」
おもしろくない結果だったので、なんだかいままでの緊張と興奮もすっかり冷めてしまった……。
「ちょっと待って……お姉ちゃん。まだCの原子時計に誤差が出た可能性があるよ……?」
「えっ、ああ……、そうだったわね。そういうことが無いかを確認するために、Dの原子時計も用意してあったんだっけね」
テンションが戻らないまま由那に返した。
CとDが一致するなら検証結果はより正確になって、ABDらが同じでCのみ差がある場合は、Cの固体誤差の可能性が高いことになる。
「シュウ、ちょっとあんた調べてみてよ」
「僕が? いいけど……。じゃあ、CとDを比較するから」
私がやったのと同様に装置の電源をオフにして、今度はAとDを入れ替えた。
「じゃあ、やるよ」
返事を待たずに電源をオン。
…………。
シュウは黙ってデジタル表示を凝視していた。
「未那。コレ……」
「何よ……? その黄色のボタン押さないとわからないわよ」
「いや、そうじゃない。いいからコレ見て」
めずらしく動揺の色をしたシュウの言葉に、何事かと由那とマリアのふたりも盤面を覗き込んだ。
「…………あれっ!?」
「これって……?」
「……ウソ!? 何なのこれ、ありえないでしょ……」
煌々と廻り続ける7セグメントディスプレイ。それを停止するまでもなかった。
異常は目視でも確認できる。
そこには、DのほうがCよりも三秒以上遅れてカウントアップする数値が刻々と変動をみせていたのだから……。
「えっと、Cは由那が持ってたやつだ」
「うん……。そうだよ」
私は装置の電源を一度オフにし、Bを外してCの原子時計と入れ替えた。
続いて電源を再度、オンにする。これまでどおり正常にデジタルが点灯し数値がめまぐるしく変動している。
さあ、今日の実験成果を試すこの時は、準備万端整った――。
「みんな、よく見てるのよ?」
答えがでるのは一瞬だ。せっかくなので溜めるだけ溜めてみる。
「いつもおおげさなんだから」
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ホールド機能の黄色いボタンを押さえる指が、うっすらと汗ばんで震える。緊張の瞬間――。
全員の目が、赤いデジタル表示へと釘付けになる。
「えいっ!」
気合をいれてボタンを押したら、何故かおかしな声が出てしまった。
デジタル表示にガッチリ固定されたふたつの数値は……。
「ねぇ、シュウ君! これは!?」
よくみると、CはAより最後のひと桁の値が『1』大きい。
「つまり、CはAより僅かに時間が進んでいる」
「この場合……。わたしが持っていたCのほうが、重力の影響で速く進んだ結果になってて……」
「この短時間の実験だったけど、およそ三百十七億年で一秒速くなる計算だ」
シュウは瞬時に時間計算を終わらせていた。
「一般相対性理論が、ちゃんと証明されたわね」
「そうなんですか!? でも、それはそれでよかったような気がします」
「そうね、学界にとんでもない波乱を巻き起こすとこだったわ」
おもしろくない結果だったので、なんだかいままでの緊張と興奮もすっかり冷めてしまった……。
「ちょっと待って……お姉ちゃん。まだCの原子時計に誤差が出た可能性があるよ……?」
「えっ、ああ……、そうだったわね。そういうことが無いかを確認するために、Dの原子時計も用意してあったんだっけね」
テンションが戻らないまま由那に返した。
CとDが一致するなら検証結果はより正確になって、ABDらが同じでCのみ差がある場合は、Cの固体誤差の可能性が高いことになる。
「シュウ、ちょっとあんた調べてみてよ」
「僕が? いいけど……。じゃあ、CとDを比較するから」
私がやったのと同様に装置の電源をオフにして、今度はAとDを入れ替えた。
「じゃあ、やるよ」
返事を待たずに電源をオン。
…………。
シュウは黙ってデジタル表示を凝視していた。
「未那。コレ……」
「何よ……? その黄色のボタン押さないとわからないわよ」
「いや、そうじゃない。いいからコレ見て」
めずらしく動揺の色をしたシュウの言葉に、何事かと由那とマリアのふたりも盤面を覗き込んだ。
「…………あれっ!?」
「これって……?」
「……ウソ!? 何なのこれ、ありえないでしょ……」
煌々と廻り続ける7セグメントディスプレイ。それを停止するまでもなかった。
異常は目視でも確認できる。
そこには、DのほうがCよりも三秒以上遅れてカウントアップする数値が刻々と変動をみせていたのだから……。
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