声劇・セリフ集

常に眠い猫

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二人用セリフ

掛け合い 20代男と10代幼女 男性メイン モノローグあり「俺は初めてそれを知ったんだ」上級者用 若干幼女メイン

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男(俺は、初めて知った。
 瞳が濡れるというのは、こういうことを言うのか。
 こちらをまっすぐ見る視線。
 光の加減で、まるで宝石のように輝いている。
 それはまるで

 まるでそれはうつくしーー)

少女「あなたはっ」(以下泣きながら)

男「っ!?」(純粋に驚く)

少女「あなたはっ!本当に馬鹿な人です!」

男「ば、ばかだと?」

少女「そうです!ばかです!アホです!大バカ者でっ愚かでっどうしようもない人なんですね!」

男「お前、いっていいことと悪いことがあんのを知ってるか?」(怒りに凄む)

少女「知っていますよ。勿論私は知っています。ですがっ。私は物ではないんです。言いたい事なんて山ほどあるんですよ。ねぇ、なぜ、なぜあなたはいま


 死のうとなさったのですかっ」

男「なにを」

少女「あの男は確実にあなたを殺すつもりだった!私を殺すと見せかけて、あなたを狙っていたなのに!あなたは逃げることすらしないどころか!全て分かった上で立ち向かった!逃げるスキはいくらでもあった!あなたならっ、あいつを倒すことも可能だったなのに!」(全力で泣きながらまくし立てる)

男「、、、」

少女「なのに、、、あなたはなにもせずにただ向かっていった。武器も言葉もなにも持つことなくっ、ただ無謀に、無策に、愚かにも立ち向かっていった」(静かに泣きながら)

少女「あなたは言いましたよね?自分が闇に沈んだのは光を守るためだと、光から闇に落ちる人間がこれ以上現れることのないように、生きて、守り続けるって、言ったんですよね?」

男「俺は」(動揺、こんわくの入り混じった声)

少女「なぜ死のうとしたんですか!?なぜ私の目の前で!よりにもよって私の目の前で!」(泣きながら怒りながら勢いで)

少女「私を見てくださいっ!!」

男「っ」

少女「ねぇ、なぜですか?生きて行くのが、辛くなってしまったんですか。人を殺し、業を背負い、それでもなお前に進むあなたの辛さを、私は全て分かってあげられることはできない。それでもやれることはやってきた。あなたを一人にはしたくなかった。そばにいて、支えていきたいと思っているんです。押し付けがましいのを分かった上で私はあなたにそう言いました。あなたはそれを許してくれた。とても嬉しかったんですよ?」(言い聞かせるように)

男「言ったろうが。俺はそんなご立派なもんじゃねーよ。勝手に夢を抱いて、勝手に滅びて、勝手に死にぞこなってコノザマだ。泥沼の底で反吐を啜って生きてる人間に、この世界は優しかねーんだよ。人を殺した業を背負う?ハッ。俺がそんな大したことする玉かよ。今までずっと逃げてんだよ。逃げ続けてんだよ。俺自身がそんなもんを見たくねーってわがまま吐き続けた結果がどうだ。ずいぶん昔に死んでたはずのクズがいつ死んだって同じことさ」

少女「違う!あなたは勘違いをしているんです!あなたがしてきたことで少なくとも救われた者たちがいる!今までだってそうでした!きっと、私と出会う前だって!あなたに救われた人間はいたはずです!いたんですよ!」

男「お前になにがわかるってんだ?あ?たかが過去を見る力があるだけのガキが、ずいぶんと喋るじゃあねーか」

少女「当然です。この世界で、きっとあなたに意見できるのは、今この瞬間でも私だけと確信しているんですよ」

男「ほざけよ」

少女「ほざきますよ。せいぜい私の自己満足のためにも、私はあなたを死なせはしない。私にとってあなたは、大切なんです。本当に、心から誓えるほど、私はあなたが大好きなんですよ」

男「はぁ?」

少女「あなたは私を助けた。それだけではありません。あらゆる言葉、さりげない気遣い。あなたはそのつもりはなかったかもしれませんが、私にとっては幸せでならなかった。嬉しすぎることばかりだった。だから死なせはしない」

男「おまえ、いかれてんじゃねーのか」

少女「それは、まぁ否定しませんよ。なんたってあなたのそばにいると決めてしまうくらいですから」

男「おまえ、俺が怖くねーのか」

少女「なにを今更。怖かったらそばには要られません。すぐにでも逃げて、そこらの街中で身を潜めてますよ」

男「、、、ちがいねー」

少女「なのでどうか」

男「あーわぁったよ。仕方ねぇわな。もうしねーよ。あんなこと」

少女「ありがとうございます」

男「本当に、変な奴に好かれたもんだな」

少女「ふふ。離しませんよ♡」

男「うるせえ」




男(驚いたことに、腹は立たなかった。
 あんだけ言われりゃ、腹も立つかと思ったが、あいつの、あの瞳を見たからか、腹がたつどころか、今まで燃え盛っていた何かが一瞬で消えやがった。
 そうだな、もう少しだけ、一緒にいてやることにしよう。
 こいつに対して抱いてる変な感じも、少しはわかるかもしれねぇ)




一旦完結(つづく?かも?
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